単純硫黄温泉
(混合泉) 50度 / ph9.5
Na+ = 74.9 / K+ = 0.8 / Nh4+ = 0.8 / Ca++ = 1.1
F- = 1.3 / Cl- = 1.3 / HS- = 2.1 / S2O3– = 4.4
SO4– = 15.1 / HCO3- = 100.1 / CO3– = 30.3
H2SiO3 = 49.7 / 総計 = 281.9mg
鹿児島県薩摩川内市湯田町6474
0996-28-0122
男女別内湯
200円
6:00 – 20:30
川内高城温泉の共同浴場から100メートルほど離れた場所にある旅館です。
とても鄙びた造りで、現在では泊まる事が出来ないそうですが、お風呂だけは利用する事が出来ます。
玄関が大きく開いていたので、中に入り、玄関先で「ごめんくださーい!」「すみませーん!」と叫ぶ。しかし、誰も出てきません。
よく見ると、旅館内の廊下に燕が巣を作っていたりします。
とてつもない鄙びっぷりで、嬉しくなってしまいます。こんな素晴らしい所、このまま引き返したくはありません。
仕方がないので、誰かいないものかと、「こんにちわー!」なんて言いながら中に入っていくと、お風呂場手前に郵便ポストの貯金箱が置かれており、「お湯銭は上のポストに」と書かれていました。
なんと、旅館なのに料金箱制なのだそうです。
と言うか、料金箱、随分と中まで入った所にありましたので、普通の人ならば玄関先で諦めて帰ってしまう事でしょう。
開けっ放しの玄関、燕の巣、そして、勝手に入ってくれ状態の貯金箱。
これは随分と素敵な所に来てしまったものです。
早速料金を入れてお風呂をお借りしました。
お風呂はタイル張りで、結構狭いです。直前に入った双葉屋、双葉旅館と同じで、浴槽が2つに分かれており、それぞれが中で繋がっています。
湯口は奥の浴槽の浴槽内に開けられた小さな穴と思われるのですが、そこからはお湯が出ておらず、代わりに洗い場のカランから伸びたホースで少量づつ注がれていました。
お湯は川内高城温泉の共有源泉なので、他所と浴感で大きく違う事はありません。ほんのり硫黄臭が香り、しっかりツルツルするなかなか良いものです。
ただ、新湯投入量が少なく、2つの湯船どちらに入っても少し温く、鮮度はあまり良くありませんでした。
試しにカランの蛇口を捻ってみたところ、熱いお湯がドバドバと溢れ、みるみるうちに良い具合になってきます。
ここは、利用する人が好みのお湯を作り上げて入る所なのかな?
何だか、他所のお宅のお風呂をお借りしているような感じで、普段なかなか味わえない入浴体験をする事が出来ました。
帰る際、ふと帳場を覗くと、宿のオジサンがいました。
私が「200円入れて入浴させていただきましたよ~!」と言うと、オジサン、手を挙げて「はいはーい」と返事。
なんともおおらかで、最後の最後まで癒されっぱなしです。
廊下の燕の巣、貯金箱、そして、風情良く鄙びた浴室、とても素敵な一湯でした。
2006-10/6
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