鹿児島県

西之湯 (西之湯温泉) ☆4.0

ナトリウム-塩化物温泉
(源泉名:西之1号) 61.3度 / pH6.1 / R2.12.2
Li+ = 2.8 / Na+ = 1060 / K+ = 145.2 / NH4+ = 7.6
Mg+ = 22.3 / Ca+ = 194.3 / Sr+ = 2.8 / Mn+ = 0.8 / Fe+ = 1.1
F- = 0.2 / Cl- = 1840 / Br- = 7.3 / SO4- = 312.2 / HCO3- = 184.9
H2SiO = 247.5 / HBO2 = 17.5
成分総計 = 4188mg

鹿児島県熊毛郡屋久島町口永良部島825番地2
0997-43-5900
混浴内湯・露天風呂?
寸志 200円以上
24時間

今まで、人並み以上に、色んな温泉に入ってきたと言う自負のある私ですが、離島の温泉には入った事がありませんでした。離島って、そもそも遠いので行くのが大変ですし、台風などでフェリーが欠航すると、帰って来れなくなったりしますからね。
旅行の予定が立て難くて、ずっと行けないだろうと諦めていました。

そんな折、紅鮭が「屋久島へ行こう!」とか言い出したわけで、人生初の離島湯めぐり計画がスタートした訳です。
屋久島へ行けるってだけでも舞い上がっていた私ですが、紅鮭が更にトンデモナイ事を言い出しました。

「あれ? この口永良部島って、屋久島からも近いし、一気に行けないかな?」

・・・えっ? 口永良部島?
正直、離島の温泉は私のアンテナ圏外だったので、口永良部島にどんな温泉があるかなんて分かりません。
で、慌てて調べてみたら、、、 なんとなんと、あるじゃないですか! かなり魅力的な温泉が4箇所も!!!

と、言う訳で、当初は屋久島で2泊だけして鹿児島に戻る予定だったのですが、口永良部島での1泊も追加する事になりました。
もちろんお目当ては4箇所ある温泉です!!!

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口永良部島へは、屋久島の宮之浦港から出ているフェリーを利用します。
大人で片道2140円、片道で約1時間30分の船旅です。
波が穏やかな日でしたが、決して大きくは無いフェリーですので、それなりに揺れます。
軽い船酔いみたいになりましたが、何事も無く到着。

港について驚いたのは、思っていた以上の離島っぷりです! 港に何もありません!
港と言えば島の玄関口、普通であれば、コンビニや土産物店なんかがありそうなイメージですけど、そんなしゃれたものはありません。
コンビニはおろか、まず、店がありません。建物がチラホラとあり、一番目立つのは役場で、ここが観光案内所やフェリーの発券所などを兼ねています。
それもそのはず、口永良部島って、令和3年5月末日の時点で、人口118人しかいないんですよね。
ついさっきまでいた屋久島で離島の旅を満喫していましたけど、屋久島が大都会に思えてきます。
口永良部島は私の想像を遥かに超えていました。

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そんな、人口僅か118人の離島ですけど、島自体は結構広くて、温泉4ヵ所全部入ろうとしたら島の中を移動する足が必要になります。
と言う事で、予めレンタカーを予約しておきました。
レンタカーと言っても、よく聞くニッポンレンタカーやトヨタレンタカーのような大手ではなく、完全に地場です。島に一軒だけあるガソリンスタンドが貸し出してくれます。
1泊2日で、5500円。金額的には、まぁ、普通かな?

驚くべきはそのシステムで、港についたらその車が用意されているだけなのです。
鍵が刺さった車が、悪い言い方をすると放置されていて、勝手に乗っていくスタイル。
レンタカーのスタッフに車両の説明を受けたり、傷の確認をしたりと言う作業は一切ありません。
「鍵を刺したまま、不用心にも程がある! 盗まれたらどうするの!?」
って言いたくなりますけど、考えてみたら、島民全員が顔見知りの島で、島からの脱出経路はフェリーのみ。盗んだところで、島の外に持ち出しようが無いんですよね。

ちなみに用意されていた車はスズキのエブリイです。
なんと言うか、うん、商用バンですね。
島の中を移動する為の足なので、走れば何でも良いとは思っていたけど、まさかこう来るとは思わなかった。

私は商用バンに乗るのはこれが初めてです。手短に感想を書くと、自分で所有したいとは思いませんけど、凄く面白い車でした。
口永良部島は道が細くてクネクネしているので、一番速度を出せる箇所でもせいぜい時速40km程度です。小回りが利く軽バンはある意味ベストチョイスなんでしょうね。

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さて、前置きが長くなりましたけど、そんなこんなで到着した口永良部島。
最初に向かった温泉はこちら、港から車で10分程度走った場所にある、西之湯です。
スマホのナビを頼りに走っていたら、気が付いたら目的地到着。どこだか分からず辺りを見渡すと、ガードレールに「西之湯」と書かれた小さな看板を発見。

車を降りてガードレールの下を覗き込んでみたら、湯小屋がありました。
駐車場なんてものはありませんので、邪魔にならないように目一杯路肩に寄せて駐車。

湯小屋は道路から階段を降りた先にあります。
目の前に海が広がる、物凄く開放的な造りで、「これぞ離島の温泉!」って雰囲気が満点!
今では「西之湯」と言う名前で浸透していますけど、「越の湯(こいのゆ)」とも呼ばれるそうです。

湯小屋は何とも素朴な、物置きみたいな素朴な造り。
料金は200円、管理人は常駐しておらず、料金箱にお金を入れるスタイルです。

湯小屋の中には湯舟がひとつ。男女の別は無く、混浴です。
幸いにして先客はおらず、貸切状態で利用する事が出来ました。

お湯は貝の澄まし汁みたいな色をしていて、うっすらと濁っていてギリギリに湯底が見えない程度。見た目で分かる塩化物泉って感じです。
お湯からは僅かに微金気臭、それに加えて潮臭のような匂いが混じりますが、これは真横が海と言うロケーションのせいかも?
浴槽内の温度は40度程度で、少し温めの適温。
肌触りは塩化物泉らしいペタペタ感があり、成分が肌にシットリ纏わりつくような感覚があります。
温めとはいえ、塩分と真夏の外気温もあって、一度汗を掻くとなかなか引かくなります。

何とも不思議な造りの浴室で、浴槽の上に物置きみたいな棚があるんですよね。
その棚の下に湯口らしきものがあり、触って確認してみたら冷水でした。湧き水かな?

じゃあ湯口はどこかと探ってみたら、浴槽内にありました。

湯小屋から入口の反対側に出ると、すぐ隣に露天風呂のような浴槽があります。
それと浴槽内で繋がっていて、お湯が少量ずつ注ぎ足される造りをしています。

ちなみに隣にある露天っぽい湯舟ですが、手を入れて見たらとても入る事の出来ないような熱湯です。浴槽ではなく、湯冷まし用なのかな?
それ以前に、表面にアブラ汚れみたいな油膜?湯膜???が浮いていて、敢えて入る気にはなりません。きっと温泉成分によるものと思われ、空気にさらされて湯花のように浮き出たんでしょうね。

源泉はその更に隣から湧いている様子。こちらはもっと熱くて、温泉玉子を作れそうな高温です。
臭いはかなり強い金気臭がしました。

記念すべき口永良部島での第一湯。
何ともワイルドな温泉で御座いました!

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最後に余談ですけど、海辺の温泉なので、フナムシが大量にいます。
まぁ、人が近寄ると物凄い勢いで逃げますし、害はありませんので気にしなければ良いだけなのですが、苦手な人にはツライでしょうね・・・ (と言うか、口永良部島自体がフナムシだらけなので、嫌なら来ちゃ駄目w)

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2022年 8月17日 - 初訪問・日帰り入浴

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