北海道

鳳凰の湯 (小金湯温泉)

単純硫黄泉?

北海道島牧郡島牧村
野湯
無料
24時間入れるけど日中で無いと危険

北海道の島牧村にある、日本一到達困難な野湯とも言われる金華湯。その金華湯のすぐ近くにある野湯です。
金華湯の一部として紹介される事もありますが、泉質が異なりますし、これはこれで素晴らしい温泉でしたので、別物として紹介します。

場所は、ザックリと言うと、金華湯の崖下です。
金華湯と書かれたプレートの裏側と言うか、奥の方に、崖下におりる獣道と言うか、通れるような場所があります。
途中は結構な傾斜があり、先人が張ってくれたロープを支えにしてゆっくりと降りていきます。

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降り切ると、金華湯のちょうど真下に出て来ます。
金華湯にふたつあった湯舟からのオーバーフローがそのまま崖下に流れ落ちていて、ちょっとした滝のようになっています。

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その先に進むと、岩に囲まれた所があり、湯溜まりのようになっていました。
ここも上からお湯が降り注いでおり、辺り一面が硫黄の臭いに包まれています。
これはこれで入れる温泉って感じがしますけど、目指す鳳凰の湯はもう少しだけ先。

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更に進むと、右手に岩のように、壁面が丸くせり出している箇所が見えてきます。
沢の中をザブザブと歩きながら真横に来てみると、何だか不自然なロープが張られていて、上によじ登る事が出来るようになっているんですね。

これが今回紹介する鳳凰の湯です。

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下から見たのでは、ここに温泉があると気付くのは難しいかもしれません。

ただ、岩肌からはお湯が流れ落ちていて、ロープが不自然に垂れ下がっているので、勘の良い人であれば「なんかおかしいぞ?」って分かるかもですね。

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そのロープ伝いに登ったら、その先にあるのが鳳凰の湯。
岩がくり貫かれて舞台湯のような湯舟のようになっていました。

小金井沢をすぐ真下に見下ろせる舞台湯で、辺りは緑にすっぽりと囲まれています。
開放的な金華湯も素晴らしかったですが、自然に囲まれた鳳凰の湯も素晴らしいです!
勿論ですけど脱衣所なんてものはありませんので、脱いだ服はその辺にある木の枝に引っかけて入浴しました。

お湯は無色透明、見た限りでは湯花はありません。
湯花と言うか、湯底には落ち葉が沈殿しており、入ると舞い上がって体をくすぐります。
金華湯は青白く濁っていたので、全く異なる特徴なのが驚きです。
お湯からはハッキリと分かる焦げ硫黄臭と、僅かながらガスに似たような臭気が混じります。

湯口は湯舟の中にあり、ぱっと見ると足元自噴かな? って感じもしますけど、源泉自体はもっと高い所、崖の上で沸いていて、流れ落ちて来ているような気もします。
結構な量の新湯が投入されているので、お湯そのものはとても綺麗。

まぁ、野湯ですので、落ち葉以外にも砂利なんかも沈んでいたりします。
旅館の露天風呂なんかと比べたら、そりゃもう、比べるだけ酷ですよね。繰り返しますけど、これは定期的に清掃する管理人なんかいない、山の奥深い所にある野湯ですからね。
野湯としては物凄く綺麗です。
よっぽどの潔癖症でもない限り、誰が入っても気持ち良く入れるお湯です。(そもそも潔癖症はこんな山奥の野湯に来ないと思いますけど・・・)

温度は少し温めで40度あるか無いかです。
金華湯でも感じた事ですが、野湯でここまでドンピシャな適温って、凄い事ですよね。
ほんと、奇跡のような温度です。
沢のせせらぎを聞いていたら、いつまでも入っている事が出来そうですね。

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金華湯も良いけど、これはこれで、隠れた名湯ですね!
この日はとても天気が良かったので、金華湯では日差しが強すぎて暑く感じる事も多々ありました。
その点、樹々にスッポリと囲まれ木陰になっているここは、とても落ち着ける空間です。

少しだけ後悔しているのが、あくまでも金華湯がメインと思っていたので、あまりここでゆっくりしなかった事なんですよね。
いまこの記事を書きながら思う事は、もう少しゆっくりすればよかったな~・・・ と。

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今回私はOさんに案内して貰ったので見落とす事無く入れましたが、一人で来ていたら(そもそもひとりじゃ来れなかったけど)、知らずにそのまま帰ってきてしまっていたと思います。

案内をしてくれたOさんに大感謝!

行こうと思ってなかなか行ける場所で無いと思いますが、もし金華湯に行かれる方は、この鳳凰の湯と、もうひとつある大判小判の湯にも欠かさずに入って下さい。

素晴らしい温泉でした!

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2023年 9月2日 - 初訪問・日帰り入浴

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