鹿児島県

開門温泉 (長崎鼻温泉) ★4.0

含塩化土類食塩泉
(開聞温泉)

成分表未確認

鹿児島県指宿市山川岡児ケ水1446
0993-35-0457
男女別内湯
250円
9:30 – 18:00

薩摩富士こと、開門岳の見上げる事が出来る程にすぐ近くにある温泉、その名も開門温泉です。道から外れた所にポツンとある、まるで共同浴場のような印象の立ち寄り温泉です。
外観はホテルだかなにかのような、少しお洒落な感じがするものですが、とにかくとても古い印象。鄙びていると言う言葉とも少し違うような、使い込まれた感じが漂う、一種異様な印象を受けるものです。

さて、駐車場に車を停め、中に入ろうとすると、施設の隣の建物からおばさん(おばあさん?)が出てきて、「あと1時間で出てよ!」と、大声で叫んでいます。
どうやらココの管理人さんと思われますが、「すぐに出ますので」と言って、中に入らせて貰う。
内部は、外観同様になんだか荒んでいます。建物自体が新しくないせいもあると思いますが、あまり手入れがされていないようで、いっそう古びて見えます。
驚いたのが、脱衣所の至るところに張り巡らされた、注意書きの張り紙の数々。


「今日も温泉Gメンが来ました・・・」と言う、意味不明な物やら、「病気の人は病院に行って下さい」と言う、過激なものまで!
きっと先ほどの管理人さんが書かれているのでしょう。
手書きで読み難い事この上無いのですが、書かれている内容が面白く、思わず見入ってしまいました。

さて、内部・・・
先客のご老人が数名いらっしゃるのですが、そのうちの何名かが、トドになっていました。
驚いた事に、トドになっている方々、インリン様もビックリな、V字大開脚で寝ているではありませんか!
恐る恐る中に入ると、浴室内にも張り紙が沢山あります。
ひとつひとつを確認してみると、「ねんねはココでしなさい」「お互い背中を洗いあいましょう」と言った、注意書きを通り越して指示書きともいえるような内容の物が、ズラリと並んでいます。
V字開脚をしてトド(ねんね)になっている方々は、どうやらこの張り紙の指示に忠実に従っているみたいですね。
地元の常連さん達なのでしょうか。しばらくすると、みなさんムックリと起き上がり、お互いの背中を流しはじめたのには二重に驚きました。

さて、肝心のお湯。黄土色濁りのもので、肌触りがベタベタしてずっしり重い、食塩系のお湯です。ちょっと熱めのお湯で、入るとどっと汗を掻きます。
体の芯から温まる力強いもので、なるほど、このお湯に浸かると、V字開脚は置いておいて、トドになりたくなる気持ちも頷けます。
浴槽中央に湯口らしき物があるのですが、お湯が出ていませんでした。
どうやら、あと1時間だからと言う理由かは知りませんが、源泉が止められてしまっている様子。管理人のおばさんがいた母屋に元栓があるのか、トドの常連さんが止めたのかは不明ですが、ちょっと残念な状態でした。

10月とはいえ、鹿児島はまだまだ暑い!浴後は汗が引かずに困るほどです。
必死に汗を拭き、何とか洋服を着て、外に出る。
表では、管理人さんと今到着したばかりと思われるお客さんで、「今日はもう終わり!」「あと30分あるだろ!?すぐ出るって!」と、言い合っている姿が目に飛び込んできました。なんだか凄い光景です。。。

暫くすると、後から上がった私の友人が上半身裸で出てきました。
「うわ、何やっているんですか!?」と、私。
「だって、張り紙に裸のまま外に出て木の下で涼めって書いてあったから」と、友人。
う~ん、笑いながら上半身裸な友人は、はたから見ると実に変な人なのですが、そんな案内が気が書かれた張り紙は、もっと変です。
良いお湯だったのですが、それ以上に、張り紙の個性が強すぎて、妙にお湯の印象を思い出し辛いような、実に不思議な一湯です。

珍しい物、面白い物、B級な物が好きな方は、是非とも立ち寄って欲しいと思いました。

2007-10/7

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