大分県湯平温泉

よろずや旅館 (湯平温泉) ★4.5

ナトリウム-塩化物泉
(湯ノ平中鶴2号) 81.9度 / ph8.4 / 掘削動力 / H21.2.19
Na+ = 559 / K+ = 25.7 / Ca++ = 19.9 / Mg++ = 1.6
Li+ = 1.4 / Sr+++ = 1 / Cl- = 663 / F- = 1.8
Br- = 1.8 / HS- = 0.3 / SO4– = 95.1 / HCO3- = 303
CO3– = 12 / HsSiO3 = 178 / HBO2 = 18.3
成分総計 = 1882mg

大分県由布市湯布院町湯平303
0977-86-2063
内湯 × 1 (貸切で利用)
日帰り不可?

鹿児島への帰省途中に、大分で宿泊する事に決定。湯布院や別府周辺で格安に泊まれる宿が無いか、ネットで探していたところ、トクーで見つけたのがこのお宿、よろずや旅館さんです。
1泊素泊まりで約3000円。湯平と言えば、私がかねてより行きたいと思っていた共同浴場が沢山ある温泉地です。
由布院温泉からも近く、湯めぐりの拠点とする事に申し分ありません。早速予約をしました。

で、宿泊当日。私にとってはいつものことなのですが、湯めぐりしていたせいで、予定よりも1時間程遅れて湯平温泉に到着。
初めて訪れた湯平温泉ですが、石畳の坂道にこぢんまりとした旅館がひしめく様に建ち並んでおり、とても雰囲気が良いです。
温泉津や四万のような、歴史があるからこそ備わる、素晴らしい風情があります。

ただ、困ったことに、路面がゴツゴツし過ぎていて、コペンがポッキリと折れてしまいそうです。
何とかして宿に到着するも、到着が遅かったせいもあり、2台分の駐車場が既に埋まっていました。
結局、荷物を降ろして、来た道を引き返し温泉街入り口付近にある離れた駐車場に停める事に。う~ん・・・

でも、女将さんはとても気さくで親切です。駐車場に案内して下さる際は、石畳の下り坂を小走りに案内して下さりました。
内心、転ばないか心配だったりして。助手席に乗せてあげればよかった・・・

さて、改めて湯平温泉の温泉街。日も完全に落ちて、少し寂しい感じもしますが、鄙びた湯治温泉街と言う雰囲気でとても良いです。
怪しいネオンを放つ飲み屋は勿論、コンビニすらありません。
温泉街で明るく輝くのは、街頭と温泉宿の看板と共同浴場の軒先だけと言う、温泉好きには堪らないシチュエーションです。

ただ、今の私には、コンビニが無いのは誤算でした。夜食を買える所があるだろうと期待して、何も買ってこなかったのです。
駐車場から宿へ向かう道すがら、女将さんに「何処か食べれる所はありますか?」と聞いた所、温泉街の入り口近くにある「うれしの食堂」と言う小料理屋を案内して下さいました。
何でも川魚料理が美味しいのだそうです。
川魚料理ってどんなのだろう。私はラーメンとか、テキトウな物でも良いんだけどなぁ・・・
と言うか、銀行でお金おろすの忘れて、宿泊代を差し引いたら手元に4000円くらいしか無いんだ。高い所には入れない!

他には無いのかなと思いつつ、女将さんに「何時までやっているのでしょう?」と聞くと、女将さん、そのうれしの食堂に入り、「ウチのお客さん!後で来るからお願いね!」と、いきなり予約を入れちゃいました。

あぁ、まだここで食うとは言って無い!
でも、食堂の方も、「開けておくからいつでも良いよ!」とか言ってます。
ここで食べるしか選択肢が無くなってしまったわけで・・・(;^ω^)

でも、そのうれしの食堂さん、結論から言うと大正解でした。

限られた予算の中、私はウナギ定食、紅鮭は川魚定食を選択。
ウナギはその場で捌いていて、新鮮そのもの!
川魚(鮎、かな?^^;)の洗いが出ましたが、臭みが全く無く、身がプリプリしていて実に美味しい!
まぁ、私は食通じゃありませんので、どこまで客観的な評価が出来るかは分りませんが、コンビニ弁当などで済まさず正解と思える、素晴らしい内容でした!

惜しむらくは、他にも色々と注文したかったのですが、お金が無かったので、追加注文が出来なかった事ですね。
ビールも1本だけです。チビチビと飲みました。

話は戻してよろずや旅館さん。無事車も停めることが出来、部屋に案内して頂きました。
館内の様子を一言で言うと、アットホームな民宿風の旅館です。部屋と廊下を遮るものは襖だけです。
湯治宿としては申し分無い造りで、私個人としては、こう言う所の方が落ち着きますが、高級旅館を泊まり歩いている人にはオススメし辛い感じがあります。

ただ、安い宿泊代の割には、アメニティとかしっかり揃っており、使い勝手に申し分ありません。
お部屋からは石畳の温泉街を見下ろす事が出来ます。女将さんのサービスも良くて、宿帳に記載しながら共同浴場の話を伺うと、地図を用意してくれて、どこに何があるかを的確に案内して下さいました。
私のように、湯めぐりの拠点として利用する人が少なくないようですね。

宿に泊まってもうひとつの楽しみ、お風呂ですが、内湯の貸切がひとつあるだけです。
お宿の規模に相応とも言える、こぢんまりした物です。
浴室は最近改装されたようで、新しく綺麗になっていました。貸切風呂として適度な大きさの湯船がひとつと、洗い場があるだけの、シンプルな物です。
露天風呂で温泉情緒とか遠くかけ離れた物ですが、小浴槽好きな私からすると、この方がかえって嬉しかったりします。

湯船の一角にある湯口からは、浴槽の大きさに対して過剰とも思える程のお湯がザブザブと注がれていました。当然掛け流しで、注がれた分のお湯が、そのまま湯船から溢れ出ています。
しっかり掛け湯し、湯船にゆっくり身を沈めると・・・
あぁああ・・・熱い!全身を刺すようにビリビリと刺激が来ます。
お湯からはほんのり金気臭と薬臭。体感47度と言った所でしょうか。
鮮度は言うまでもなく抜群です!色んな方が入っているであろう共同浴場に比べて、利用者の数は当然少ない訳で、その分お湯の特徴がしっかり残っている印象です。

湯口のお湯は、素手で触れない程に熱いです。湯口から注がれる湯量と温度を考えたら、浴槽内の温度が、少し低いような気がします。
恐らく、先客が水で埋めて温度調整していたのでしょう。
私がお湯に浸かっている間にも、湯船の温度が僅かずつ上昇しているのが分ります。
私が溢れさせたお湯に驚いて、紅鮭が熱いと騒いでいます。次に入るのはキミだ、覚悟したまへ。

お湯から上がり洗い場で休んでいると、お湯が熱かった事もあり、搾り取られるように汗が止まりません。描いた汗を掛け湯で流すと、お湯の香りが広がり、全身が喜びに包まれます。
貸切なのでトド寝もし放題!湯船から溢れるお湯が背中をジリジリと焼きます。極上のお湯を独占出来る喜び。共同浴場も良かったですが、このお宿も素晴らしいです!
どうでも良いですが、浴室内にあひる隊長を発見。思わず記念撮影。
ついでに洗髪もして・・・っと。

でも、そうこうしているウチにも、浴槽内の温度はみるみる上昇し、気付いたら48度を超えるであろう熱湯になっていました。
う~ん、飛び込もうかと考えましたが、前日から睡眠時間を削って移動して疲れていた事も考慮し、断念。
加水しろって?いや、既に加水されたお湯に入るのと、自分自身の意思で加水するのは、訳が違うんだなぁ。やっぱり抵抗あるんです。
代わりに、ザブザブと贅沢に掛け湯をしてお湯を堪能し、就寝前の一湯を〆る事になりました。

よろずや旅館さん、いまこうしてレポートを書きながら振り返ってみても、良い所だったなぁと、しみじみ思い出されます。
惜しむらくは、東京から激しく遠い事ですね。近ければ定期的に利用したのですが・・・

このよろずやさんに限らず、湯平には小ぢんまりとした旅館が多く建ち並び、片っ端からお風呂に入り潰してみたくなる魅力があります。
今回の訪問で共同浴場全てに入った訳ですが、今後も機会があれば再訪し、旅館めぐりをしてみたいと思いました。

湯平訪問の際は、是非湯めぐりの拠点として活用して欲しいと思った、マニアな方にはオススメな一湯です。

2010-4/29

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