硫黄泉
(源泉名:渋長寿湯) 31度 / pH2.74 / H29.11.27
H+ =2.0 / Li+ = 0.6 / Na+ = 117.8 / K+ = 29.3 / Ca+ = 23.3
Mg+ = 10.3 / NH+ = 0.1 / Al+ = 10.2 / Mn+ = 3.6 / Zn+ = 0.2
F- = 0.5 / Cl- = 210.3 / Br- = 0.7 / HSO4- = 16.2 / SO4- = 240.7
H2SiO3 = 142 / HBO2 = 14.3 / CO2 = 737 / H2S = 11
成分総計 = 1570.2mg
硫黄泉
(源泉名:渋御殿湯) 27度 / pH2.69/ H29.11.27
H+ =2.0 / Li+ = 0.4 / Na+ = 83.6 / K+ = 22.2 / Ca+ = 21.6
Mg+ = 8.0 / NH+ = 0.1 / Sr+ 0.1 / Al+ = 7.8 / Mn+ = 2.7 / Zn+ = 0.1
F- = 0.5 / Cl- = 157 / Br- = 0.5 / HSO4- = 15.6 / SO4- = 232.5 / HPO4- = 0.6
H2SiO3 = 125.9 / HBO2 = 10.8 / CO2 = 968 / H2S = 14
成分総計 = 1674.2mg
長野県茅野市奥蓼科温泉
男女別内湯
0266-67-2733
日帰り : 1000円 / 宿泊 : 8400円 ~
10:00 – 15:00
私の尊敬するあるお方が、ココの宿泊レポートをされており、その中で「足元自噴の白濁硫黄泉」で、「31度のぬる湯が沸いている」という話をされていました。
折りしも熱い夏。湯上り汗だくだくになりながら入る温泉に少々夏バテを感じていた私は、これは絶対行かなければ!と、その方のレポートを拝見した数日後に、早速予約を入れてしまいました。
そして、当日。ツレの都合で出発が遅くなったものの、なんとか5時頃に宿に到着。
山の中にある山小屋風の建物で、とても落ち着ける雰囲気です。
この渋御殿湯には、「東の湯」と「西の湯」の、2箇所の浴場があります。
日帰り客は西の湯しか利用出来ません。今回私が宿泊した目的である、足元自噴浴槽は、東の湯にしかありません。
さて、東の湯ですが、中に入ってビックリ。お湯の良さはある程度期待していましたが、湯屋の風情も可也のものです。
まるで東北の湯治場に来たかのような雰囲気!
この浴室には源泉が2種類あり、湯船が3つ用意されています。
まず脱衣所を出てすぐ右手にあるのが、源泉「渋御殿湯」の沸かし湯が張られている浴槽で、お湯は42度に保たれています。
お湯が冷めないように、誰も利用していない時は板で蓋がされています。
使い込まれた為か、角が取れてどす黒く変色した重い板で、趣はありますが、その都度動かすのは少々シンドイです。
お湯はハッキリした硫黄臭のする、質が良い酸性硫黄泉。肌触りは若干ピリっと来る力強いもので、沸かしではありますが、コレだけでも満足出来る素晴らしさでした。
次に、脱衣所出入り口から見て一番右奥にあるのが、源泉「渋御殿湯」を非加熱のままかけ流しにしてある浴槽です。
源泉温度が26度と冷たく、これだけしか無いと少々辛い所ですが、前述の42度と行ったり来たりしているととても気持ちが良いです。
ほぼ透明のお湯で、白い湯花が大量に舞っています。じっとしていると体毛に泡が付着し、とても新鮮です。
湯口付近には植物が植えてあるのですが、硫黄成分が付着し、雪が降ったように真っ白になっていて、とても綺麗です。
コップが置いてあったので、湯口のお湯を飲んでみた所、酸味と硫黄苦味の他に、炭酸を感じる、とても特徴的な味がしました。
何だか健康になれそうなお湯です。
最後は、東の湯最大の目玉、足元自噴の浴槽です。源泉はここでしか堪能出来ない、「渋長寿湯」です。
これは浴室内の中央に鎮座しており、他の湯船よりも一段低い所にお湯が張られています。
薄白濁するお湯で満たされており、ジャグジーかと思う程に絶え間なくポコポコ沸きあがる気泡は感動的であります。
思わず、入る前からニンマリしてしまう素晴らしさ。
実際に入ると・・・うーん。もう、説明出来ない位に気持ちが良いお湯です。
ほんわか硫黄臭と、背中を走る無数の気泡。
31度という温度は若干冷たいですが、じっくり浸かっていると徐々に体が慣らされ、出るのが辛いほどに幸せな気分になれます。
もうね・・・お湯に入った瞬間に、チェックイン直後で夕食もまだだと言うのに、「次、いつ来ようか・・・」と、真剣に考えてしまいましたよ。
もう、お勧めとかそんなレベルでは無く、「温泉好きなら必ず入れ!」と、強い口調で断言しても良いと思われる程に素敵なお湯でした。
一緒に行ったツレ曰く、滞在中は始終幸せそうにニヤニヤしていたそうです。
夕食後、少し休憩してから東の湯に立て篭もり、風呂場の消灯時間10時まで3時間近くぶっ通しで入り続けていました。
体が冷えたら42度のお湯で温め、また26度と31度を行ったり来たりする。これがまた全然疲れず、いつまででも温泉に浸かっていられそうな心地よさです。
お風呂が24時間利用出来ないのは、少し残念な気もしましたが、かえってこれで良かったです。
もし24時間入浴可だったら、部屋には戻らず、浴室で夜を明かしてしまっていたかも知れません。
翌朝も朝食前、チェックアウトギリギリいっぱいまで入浴し、帰る際はどうしようもなく後ろ髪引かれました。
これほど「帰りたくない!」と思った温泉は初めてかもしれません。
浴室を出る際は、再訪を誓い、湯船に向かって最敬礼して出てきました。
他にお客さんが居なかったから良いですが、傍から見たら変な人ですよね・・・(笑)
あ、一応、「西の湯」もコメントしておきましょうか・・・
こちらには、夕食の後に入りました。
何と言うか・・・とっても良いお風呂なんですけどね。
東の湯を知ってしまった後に入ると、悲しいほどに「どーでも良い」と言うのが正直な感想です。
あまりの落差に、西の湯が可哀相で仕方が無く、なんだか切なくなってしまいます。
浴室は木造の雰囲気ある湯小屋になっており、浴槽は2つ。
大きな浴槽には天然水を沸かしたお湯が張られており、ジェットバスで循環されています。
小さな湯船には、26度の渋御殿湯源泉が掛け流されていて、これはこれで気持ちが良かったですが・・・
うーん。東の湯を差し置いて、あえて西の湯に入る理由が見当たらないです。
しいて言えば、東の湯にはシャワーやカランが無いので、洗髪する際には重宝するって事位でしょうか。
あと、硫黄臭が苦手な人には嬉しいかも・・・ですが。
足元自噴が無いのは仕方が無いとしても、せめて渋御殿湯を沸かした浴槽があれば、もっと魅力的になると思うんですけどね。
繰り返しになってしまいますが、日帰りだと西の湯にしか入れません。
宿泊と、部屋付き日帰り休憩プランのみ、東の湯も利用出来ます。
西の湯だけ入っても、渋御殿湯の魅力を1/10も体験できませんので、ここは是非宿泊して欲しい所ですね。
安易に「最高」とか言う言葉を使いたくないのですが・・・
「最高に気持ち良い温泉でした!」
2005-9/3
暑い時期になると温めの温泉に浸かりたくなりますよね。
そんな時に思い出すのが、鹿児島にある霧島湯之谷山荘だったり、新潟にある駒の湯山荘だったりと、ぬる湯の名湯は数多くありますが、その中のひとつがここ、渋御殿湯です。
毎年夏が来ると「あ~、渋御殿湯に行きたいなぁ」と思い続けて、気付いたら随分と年月が過ぎていました。
今回はゴールデンウィークにどこへ行こうと某ネット予約サイトを眺めていたら偶然発見。
別に暑い季節では無いのですが、そういえば再訪出来て無かったなぁと言う事で、急遽予約を入れて再訪する事となりました。
この日は午後から生憎の雨ですが、温泉に浸かる分には天気なんてなんのその。
玄関先で蛇の赤ちゃんがお出迎え。
女将さんに「入口のところに蛇がいますよ」と伝えると、女将さんは慣れた手つきでチリトリを使い蛇をポイっと外に投げ捨てました。
考えてみたら、ここって山奥なんですよね。蛇なんて当たり前にいるのでしょうね。
久しぶりに訪れた渋御殿湯、前回訪問時の記憶がほとんど無くて、「あれ? こんなエントランスだったかな?」って感じすらします。
館内の至る所に剥製が置かれていました。
帳場にいたグラサン姿でバスケットボールを持っているタヌキがカッコよすぎます。
他にも、今にも動き出しそうなリスなんかも、見ていて楽しい。
ちょっと欲しくなってしまって、うちにも置かないかと聞いてみましたが、紅鮭に速攻で却下されました。
分かってはいた事ですけど、お宿としてはちょっと古めです。
旅行雑誌で特集されるような温泉宿に憧れちゃうような人にはオススメ出来ません。
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でも、ここの売りはなんと言っても、温泉です。
東の湯と西の湯があり、私のお目当ては東の湯です。
ちなみにこの東の湯は、前回訪問時から変わらず、立ち寄り入浴では入る事が出来ません。(東の湯に日帰りで入りたければ2000円の個室休憩から可)
東の湯には2本の源泉、渋御殿湯と渋長寿湯が引かれています。
浴室入って左手前が渋御殿湯(源泉温度27度)の沸かし湯。
ほぼ中央にあるのが渋長寿湯、右奥にあるのが渋御殿湯です。
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特筆すべきは、こちらの渋長寿湯。
初訪問時のレポートにも書いていますけど、足元自噴で気泡がブクブクと上がっているんですよね!
源泉温度は32度で、かなり温めで体が冷えますが、所謂水風呂とは違ってすぐに出たくなる程の低温ではありません。
天然ジャグジーで硫黄臭に包まれていると、無上の幸せを感じます。
浴槽真下が湧出箇所なので、鮮度は抜群。少しじっとしていると体中が泡だらけになります。
はっきり言って、最高です。素晴らしいの一言!
なお、この渋長寿湯の天然ジャグジーは男湯側だけで、女湯側は気泡のブクブクが無いそうです。
時間帯で入れ替えるなどして、女性にもこの気泡ブクブクを楽しんで貰えたら良いのですけどね~
でも、紅鮭曰く、女性側は湯花がこんもりと沈殿していて泥湯みたいになっていたそうです。
それはそれで、ちょっと羨ましいぞぉ~!?
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渋長寿湯のインパクトが強すぎるので、少し影が薄いですけど、渋御殿湯のお湯もなかなかです。
源泉温度は27度ですが、もう少し冷たく感じるので、長時間は浸かれませんが、このお湯もなかなか濃いです。
硫黄臭だけで言えば、こちらの方が少し強めで、粉雪のような湯花が無数に舞っています。
飲泉用のコップが備え付けられているので、湯口のお湯を口に含むと、口中一杯に広がる苦い硫黄味と、僅かに炭酸を感じます。
あまり沢山飲みたいとは思いませんが、体の中から温泉を感じる事が出来るので、私は結構好き。
渋長寿湯と渋御殿湯のふたつの源泉、どちらも温いので、体が冷えたら加温浴槽に戻って体温回復させ、再びまた源泉浴槽に飛び込む。
この繰り返しをしていると、あっと言う間に時間が無くなります。
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この渋御殿湯には、西の湯と言うお風呂もあります。
折角来たので、そちらにも入っておきました。
前回のレポートでは、若気の至りとでも言うのでしょうか、言葉を選ばずに好き勝手書いていますが・・・
今回の印象も、うん、まぁ、変わらずかな?
もしこのお風呂しか無いお宿であれば、悪くないどころか、素晴らしいの一言です。
湯屋の雰囲気も良いですし、冷たい渋御殿湯に浸かって、天然水を加温したジャグジーで体を暖める交互入浴、良いじゃないですか!?
でも、そんな西の湯の良さを全て上書きしてしまう東の湯がありますからね・・・
前回訪問時にも感じた事ですが、ちょっと可哀想な湯屋です。
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ちなみに食事はこんな感じです。
夕食、朝食ともに1階にある食堂で頂きます。
食事は質素そのものです。
まぁ、山の中と言う場所であったり、宿泊代を考えたら、こんなもんでしょうね。
そもそも、温泉が目当て、もしくは山登りの拠点としての利用が多い旅館でしょうから、これで充分だと思います。
「カレと一緒に温泉de浴衣デート♡ 信州グルメを堪能しchao♪」みたいなのを期待して来ちゃった人がいたとしたら、質素過ぎる食事を目の前にして固まってしまいそうですね。
事前調査不足を悔やんで下さいとしか言いよう無いです・・・ (;^ω^)
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加温浴槽がある影響か知りませんが、お風呂は10時に消灯されてしまうので、早寝して、早朝から温泉を堪能しました。
お湯の印象は夜中入るのと変わりませんけど、朝の陽が差し込み、お湯が神秘的に輝いて見えます。
美しく輝く極上の温泉。
ここは天国でしょうか?
チェックアウトまでの短い間ですが、少しでも長い事お湯に浸かりたいですからね。
時間を気にして別れを惜しむような入浴をしました。
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折角だから動画も撮ってみました ↓
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やっと再訪する事が出来た渋御殿湯。
改めてその良さを実感する事が出来ました。
世の中には誉め言葉が沢山ありますが、あまり連発すると安っぽくなってしまって嫌なんですよね。
でも、本レポートをあえて一言で締め括るとしたら、この一言に尽きます。
極上の一湯でした!
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2022年 5月2日 - 再訪・宿泊(2食付き)
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