酸性-カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原817
男女別内湯・露天・貸切風呂
0460-4-8125
日帰り料金 : 1000円
前日訪れた「きのくにや」の隣にある「松坂屋」を目指して車を走らせていると、箱根峠に差し掛かった辺りで雪が降り始める。
箱根で雪見露天風呂なんて、何て優雅だろうか・・・
そんな事を考えてみたのだが、ふと、松坂屋は内湯だけだったのを思い出し、急遽露天のある宿、「冨士荘」に連絡をし、日帰りを受け付けて貰えるかどうかを確認してみた。
電話に出た男性スタッフは「超」が付くほどとても親切に対応してくれたが、残念ながら露天は貸切専用で既に使用されており、3時間程待たないと入れないらしい。
「内湯でよろしければ・・・」と案内され、内心ちょっとガッカリする。
しかし、ここで「じゃあいいや」と断ってしまうのも申し訳無く、結局冨士荘に向かう事となった。
冨士荘は、仙石原の中心地に程近い所にある、瀟洒でこじんまりとした旅館です。
狭い玄関ですが、京風の庭園みたいなアレンジがされており、とても雰囲気が良い。
日帰り入浴とは無縁な高級旅館の佇まいで、本当にココで良かったのだろうかと心配になる。
玄関に入ると、すぐに宿の女将さんが出てた。その女将さんに直接入浴料を払い、浴場の場所の案内を受ける。浴室は細い廊下の先にありました。
まず脱衣所。棚には4人分の籠が用意されている。あまり広くはなく、3人もいればかなり手狭に感じるスペースですが、櫛やドライヤー、整髪料など、一通りのものが揃っています。
自販機もあったのですが、酒類しか置いておらず、車を運転して帰らなければならない私には利用出来ない。
浴室は脱衣所の大きさに見合った、こじんまりと落ち着いたものです。カランが3人分、檜の桶と椅子も3人分用意されています。
浴槽は畳1畳を一回り大きくした位の大きさで、2人入れるけど入ったら足を伸ばせないかな、という感じの大きさです。お湯は最初青白く濁っていたのですが、入ると底に溜まっていた湯花が一斉
に舞い、透明度5cm程の真っ白なお湯になりました。浴槽のお湯はぬるめで、湯口からはかなり熱めの源泉がチョロチョロとかけ流されています。
見た目の派手な濁り方に比べると、臭いは意外と淡白で、淡い硫黄臭とカルシウム系特の臭いがします。飲んだ感じは、強い酸味と、その割には僅かな硫黄っぽさや他の成分を感じるもので、以前入った仙石原の「南甫園」と同じ印象を受けました。
(後で脱衣所の成分表を確認した所、箱根温泉供給株式会社の大沸谷源泉で、想像した通り「南甫園」と同じお湯でした。)
ちなみにこのお風呂ですが、てっきり本当に「内湯」だけかと思いましたが、ちゃっかり露天もありました。写真奥に小さく写っている四角い浴槽が露天風呂です。
一旦手前の内湯浴槽に入ってからでなければ行けない所にあます。恐らく当初は内湯から見える中庭みたいになっていたのを、後からお風呂に改造したのでしょう。
見た目が井戸のような湯船には、無色透明のお湯が張られています。掛け湯をした時点で感じる塩素臭に少々萎えるが、とりあえず入ってみる。
中は結構深く、80cmくらいあるかも知れません。湯船の底には白い布に包まれた備長炭があるのですが、効果の程は不明。少なくとも備長炭が多少入っている程度では塩素臭を消せないようです。
特に温泉らしい浴感もありませんので、恐らく水道水か湧き水を利用したお風呂と思われます。
「温泉」に拘る私としては、あまりあっても無くてもどうでも良い湯船なのですが、オマケ的な露天の存在と、備長炭のサービスに、その旅館の「優しさ」というか、「おもてなし」みたいなものを感じました。
また、期待していなかった雪見風呂も楽しむ事が出来、ちょっと嬉しくなりました。
なお、「冨士荘」には、他に貸切露天が2種類あるそうです。
残念ながら今回は入浴できませんでしたが、内湯(+オマケ露天)だけでも充分満足出来ます。
大人の隠れ家的なお洒落な旅館で、宿泊したらさぞかし楽しかろうと思います。
一泊1万5千円からと、箱根価格だけあって決して安くはありませんが、ちょっと特別な時などには利用してみたい宿でした。
2005-1/23
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