ナトリウム・カルシウム・硫酸 塩・塩化物泉
(遠刈田7号泉) 65.7度 / ph7.0
Na+ = 444.1 / K+ = 29 / Ca++ = 290.2 / Mg++ = 6.7
Cl- = 261.7 / SO4– = 897.8 / HCO3- = 356.9
H2SiO3 = 73.9 / CO2 = 477.5 / 成分総計 = 809.5mg
宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉仲町4
0224-34-2121
男女別内湯
500円
要確認 (冬季は玄関の扉が融けるまで閉鎖)
今まで何度と無く訪れている遠刈田温泉。しかし、共同浴場には入っておりますが、旅館の立ち寄りは殆どしていませんでした。
友人に「遠刈田だとどこが良い?」と聞いてみたところ、最初に言われたのが、このいろはや旅館さん。
何でも、以前までは宿泊も受け付けている普通のお宿だったそうですが、最近は立ち寄り入浴だけなのだそうです。
こう言う所には早めに入って置かないと後々後悔するかも知れません。と、言う事で、早速行ってみました。
場所は、神の湯の目の前と言う、じつに分かりやすいところにありました。
しかし、最初行ったは良い物の、玄関先に「本日休業」の看板が虚しく下げられており、無念の玉砕!
あぁ・・・、もしかして日帰り入浴すらやめてしまわれたのか・・・
落ち込みましたが、仕方がありません。暫く他をウロウロし、再び神の湯の前を通り過ぎた際に玄関先を見てみると・・・なんと、先ほどまであった「本日休業」の看板が無くなっているではありませんか!
もしかしたらさっきは訪れた時間が早すぎたのかも知れません。ラッキー!
と、言う事で、早速入浴をお願いしようと、中に入るべく、玄関の戸に手を掛ける・・・
ガラガラガラ、っと、行くはずが、行かない。扉が微動だにしません。え!?鍵でも掛かってる!?やっぱり今日はやっていないのかな?
でも、先ほどまであった「本日休業」が無くなっているので、きっと中には誰かがいてやっているはず。
多分戸が重いだけだろうと、頑張ってみるも、戸は微動だにしません。
うーん、困った。途方に暮れていると、中からご主人が出てきました。
ご主人、笑顔で、「あ~!戸が凍っちゃってね!」だそうです。結局一緒に力を合わせて戸を力ずくで開ける事に。
やっぱ、ひとりの力よりふたりの力ですね。やっと戸が開き、中に入る事が出来ました。
ご主人曰く、「冬は凍っちゃうから、戸が溶けてからじゃないと営業していないんだよ」との事です。
氷が解け次第営業開始なんて、初めて聞くパターンですね!思わず笑ってしまいました。
お風呂は男女別で、内湯のみです。
以前訪れた友人の話では、広い方が男湯で、狭いほうが女湯でしたが、この時は狭い方が男湯になっていました。
どちらも風情ある浴室で、朝の光が差し込んでお湯がキラキラと輝いています。
浴室全体が温泉成分で土色に変色しており、一部は析出によって千枚田のようになっていました。
実に美しい光景!思わず息を呑んでしまいました。
お湯は遠刈田の共有源泉です。適温で、先日からお湯が張られたままと思われ、鮮度は悪くありませんが、際立って良い訳でもありません。
じっとりと肌に浸透してくる感じの物で、しっかり温まります。
同じ日の早い時間に入った壽の湯に比べると、鮮度と温度のせいか、パンチが足りない気もしますが、キラキラと輝くお湯に身を沈めていると、不思議と時が経つのを忘れて癒されます。
析出でゴテゴテに固まった湯口からは、熱い源泉がチョロチョロと注がれています。
臭いは金気臭と芒硝臭、それに、臭素臭のような土類臭のような物が混じる、特徴的な物です。
鄙びた浴室に、他に利用者もおらず、独り占めで極上のひと時を堪能する事ができました。
使い勝手の良い神の湯、賑やかな壽の湯も良いですが、こうしてひとり静かにゆっくりと入る事が出来るいろはや旅館さんはとても貴重ですね。
凍った戸が開くようになってから営業開始と言うやる気の無さも気に入りました!
是非とも今後も頑張って営業を続けて欲しいと思った一湯です。
2008-2/16
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