鹿児島県

旅館 くりや食堂 (成川温泉) ★1.5

含塩化土類 弱食塩泉
(山川温泉) 67.5度 / ph7.2 / S44.5.1
Na+ = 1641 / K+ = 311.5 / Mg++ = 219.4 / Ca++ = 291.6
Mn++ = 1.25 / Cl- = 3670 / Br- = 4.995 / HCO3- = 115.9
H2SiO3 = 738.7 / CO2 = 15.56 / 成分総計 = 7111mg

鹿児島県指宿市山川成川7350
0993-34-0214
男女別内湯
立寄不可

東北や北海道の友人と一緒に巡る九州湯めぐりの宿として利用しました。
結論からいきなり先に言ってしまうと、「二度と利用しない宿」です。

当初、ココ以外にも色々と宿泊場所の案がありましたが、「折角鹿児島に来るのだから、最後くらいは鹿児島の美味しい物を食べて帰って貰おう」と言う事で、ココに決定。
事前にネット等で見た限りでは、居酒屋のような食堂に客間をつけた程度の、こぢんまりとしていてなかなか雰囲気良さそうな所です。加えて、一泊約1700円と言う、驚異的に安いお宿で、どんなものかとの興味も沸いて来ます。
とりあえず空室の確認をしてみると一番安い所が埋まってしまっていると告げられ、このお宿では一番高い?約2800円のお部屋なら空いているとの事。
「東北や北海道の人と一緒に泊まります。食堂で食べたいのですが、鹿児島の特産品などを作って貰えるのですか?」「多少遅い時間に食べ始めたいのですが」と聞いたところ、「基本的にはメニューからですが、希望があればある食材の中から色々とお造りできますよ」「ラストオーダーまでに注文してくれれば大丈夫ですよ」との回答。
一番高い部屋とはいえ、それでも2800円で、安い。美味しい物を食べる事が出来るならば安いくらいだと言う事で、期待もあって予約しました。

お宿にたどり着いてみると、リニューアルされているのか、かなり立派。事前に調べた感じのものとは大違いの、まるで大型国民宿舎のような佇まいです。
なんかイメージと違うなぁ。でも、まぁ、いいや。美味しい鹿児島料理に期待!
中に入ると、小学生がウヨウヨ。200人近く収容出来る程に広い大食堂に溢れんばかりの子供たち。みんな仲良く、セルフサービスで料理を運んでいます。ゲンナリするほど実に賑やか。
まぁ、これは仕方が無い。安い部屋の予約が埋まったのは彼らの為だなと納得。
料金は前金で、食堂の会計レジで宿泊代も支払います。鍵を渡され、とりあえず部屋に荷物を詰め込む。子供たちと一緒だと落ち着かないので、一旦外に出て湯めぐりをして、子供たちが居なくなった時間を見計らい、ラストオーダー30分前に食堂に戻る。さぁ、待ちに待った夕食だ!

さて、オバちゃんが席に案内してくれたのだが、そこは大宴会の一団の真横で、どうも落ち着かない。
空いている席を見つけて「コッチでも良い?」と聞くと、冷たく「駄目です」「ココに座ってください」と、指示される。「えー、空いているから良いじゃん」と言ったら、これから朝食の準備なのだとか。
仕方なしに宴会の隣に座ったのだが、ウルサイ。でも、ココは大人の対応で、我慢我慢。しかし、先ほどの小学生一団の朝食だと思うが、この時点で全員分を並びはじめている事に驚いた。
生なのか茹でてあるのか分からないが、タマゴも置かれている。
この時期の鹿児島はまだまだ暑い。大丈夫なのだろうか・・・?

席につくと、息をつく間もなく、先ほどのオバちゃんがやってきた。「ご注文どうぞ」との事。まだメニューも見ていないので何を頼むか決まっていない。
「どれにしようかな?」と、迷っていると、オバちゃん、持っているペンで伝票をコツコツと叩いて苛立つそぶりを見せながら、「間もなくラストオーダーだから早く決めてください」と言ってきた。
実に態度が悪い。「どれがおすすめ?」とか聞ける雰囲気が無い。邪魔だから早く食って帰れと言うオーラがみなぎっている。

それ以前の対応の悪さもあり、一同ムッとする。仲間の一人が、「ラストオーダーまでまだ30分くらいあるでしょ?」「決まったら呼びます」と言い、追い払う。この時点でテンションが下がる。
折角鹿児島の美味しい物を食べようと思っていた気分は消し飛び、どうでも良くなる。
結局みんな、この場所でゆっくり食べるような気分になれず、テキトーに注文して腹を満たす事にした。私が頼んだのは看板メニューの「かつおのタタキ定食」。出てきたのは、まぁ、タタキには違い無いが、写真のメニューとは全く異なる外観の物。見た目は悪いが味は悪くない。
量はとても多かった。

食後、温泉に浸かって気分を治そうと、大浴場に行ってみる。夜中は清掃するとかで、24時間入れないので注意が必要。
結構広い浴室に、30人ちかく入れる大きな浴槽。恐らくこれもリニューアルの際に建て替えられているのだろう。ネットで見た昔の面影は無い。
入ろうと掛け湯してみたところ、温い。35度くらいでしょうか。小学生の一団が大量加水して、そのうえ水を出しっぱなしで出て行った模様。
湯船に体を沈めてみて、さらに驚いた。35度なのはお湯の表面だけで、底の部分はまるでプールのように冷たい。
暑い鹿児島、ある意味汗を流すのに気持ちが良いが、これはもはや温泉の温度ではない。酷すぎる。湯口からは熱湯が注がれていたのだが、
広い湯船、温まるまでどれだけ時間がかかるかも分からず、とっとと出てきてしまった。
とりあえず湯口でお湯を確認した限りでは、潮臭と微金気臭がする濃そうな物でしたが・・・

で、お部屋に戻る。一言で表現するなら、合宿所です。畳部屋に、無愛想な白い壁。テレビやちゃぶ台などは一応あるのだが、入居する前の学生寮みたいな感じで、とても無機質。
高い方の部屋でコレだとするなら、1900円の安い部屋はどんなモンだか見てみたい気分。
合宿の小学生が詰み込まれるくらいだから、これよりもっと酷いと言うのだろうか。
驚いた事に、テレビは勿論、冷房も料金制。100円で2時間なのだそうだ。扇風機が壁にぶら下がっていたが、これだけでは蒸し暑い鹿児島の夜を過ごす事が出来ず、結局100円を大量に投入する羽目になってしまった。

まぁ、金額を考えれば、部屋はこんな物と割り切るべきだと思うが、色々と立て続いてしまった後だったので、ガッカリ度合いが非常に高い。
唯一評価出来るのは、部屋の防音効果の高さ。ひとつの部屋に集まって友人と飲んだのだが、トイレなどで部屋の外に出た際、中の音がまるで聞こえなかった。
さすが、大騒ぎをする小学生の合宿を受け入れるだけの事はあります。

金額相応と言えばそれまで。
ただ、お宿のせいばかりとは言えないが、小学生の合宿、水風呂、クーラー有料の部屋、そして食堂での酷い対応で、褒めるところが「壁の厚さ」しか無い結果の、残念すぎるお宿でした。
加えて、これは個人的な事情だけど、はるばる東北や北海道から来た友人を招待する宿として、なんでココを選んでしまったのかと、自身の選択の甘さも反省。
「酷い宿だった!」と、後日振り返って怒りと共に盛り上がる事が出来ると言う、ネガティブな収穫しかありませんでした。

2007-10/7

コメント