北海道

素朴な湯小屋 (?温泉)

含芒硝食塩泉

北海道島牧郡島牧村
貸切? 内湯 × 1

島牧村の某所にある湯小屋です。
偶然通りがかった・・・ みたいな場所には無いので、探さないと見つからないような場所にあります。
また、見つけたところで施錠されているので入る事は出来ません。

今回は湯小屋を管理されている方から許可を貰い、鍵をお借りして入浴しました。

とても素朴な湯小屋です。
入ってすぐが脱衣所、薄い壁を隔てたその先が浴室。脱衣所と浴室の間にはドアはありません。

浴室にはシンプルに湯舟がひとつあるだけです。
カランやシャワー等はありません。
共同浴場っぽい造りと言えば、そうかもしれませんけど、共同浴場として利用するにしても手狭。
この日は気の合う仲間3人で利用しましたが、3人もいたらちょっと窮屈さを感じる位です。

そもそもこの湯小屋、一般開放されているものでもありませんから、これくらいの広さで充分なのかもしれませんね。
独りで楽しむ分には十分以上の広さがあります。

湯小屋には電気が通っていないので、日中でも少し薄暗いです。
それがまた、なんともマニア心をくすぐる素晴らしい風情を醸し出しているのですが、温泉マニアでもなんでもない普通の人がこのお風呂を見たら、ちょっと不気味に感じてしまうかも!?
まぁ、千客万来で開放されている温泉ではありませんので、マニア以外の人がここに来るなんて事も無さそうですけど。

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肝心のお湯ですが、無色透明で、湯花と言うよりも湯垢と言って良いのかな? 白いモヤモヤが大量に舞っています。
湯口からは絶えず新湯が投入されており、湯舟の大きさに対する湯量も十分以上なので、お湯そのものはとても綺麗です。
ただ、恐らくですが利用者が少ないせいでしょうね。誰も入らない時間が長すぎるせいか、浴槽内のお湯が撹拌されず、どうしても湯垢(と言っても、温泉成分によるもので、不潔なものではない)が溜まってしまうのかもですね。

お湯は温めで35度位で、入っていても温まりませんけど、体が冷える事もありません。
肌触りは少しツルツル感があります。
とにかく柔らかいお湯って感じで、温いお陰で体への負担も少なく、幾らでもゆっくり長湯が出来ます。


湯口をよく観察すると、ダルマストーブみたいになってるんですよね。
なんでも寒い時期は、ここに薪などをくべて、お湯を暖めて投入するらしいです。
浴室入ってすぐの所に置かれた雑誌類は薪を燃やす為の着火剤なのかな?
目立つような形でゴルゴ13がありましたが、ゴルゴも燃やされてしまうのでしょうか・・・?

(´・ω・`)

浴後に所有者の方とお話をしましたが、この温泉は地下680メートルの所から湧いているそうです。
1メートル掘るのに1万円掛かったのだとか・・・
単純計算すると680万円。イメージ的には高級車1台分かぁ。

懐事情は人それぞれですけど、決して非現実的な金額ではありませんね。
でも、マイ温泉のために680万円、う~ん、私であればその資金で色んな所の温泉めぐりをしたいと思っちゃうかなぁ~・・・

なんにせよ、快く入浴をお許し下さった所有者の方には感謝しかありません。
貴重な温泉を本当にありがとうございました!!!

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ついでなので、この湯小屋に入った後に向かった、この日のお宿も紹介。
湯小屋があったのと同じ島牧村にある旅館たかださんです。

実はここ、非温泉。
私が非温泉に泊まると言うのは珍しい事なのですが、このお宿は金華湯からも近いんですよね。
この日は無事に金華湯に入って帰って来る事が出来ましたが、天気次第では1日遅らせてアタックする可能性もあったので、島牧村から離れたく無かったのです。

日本海に面した集落の一角にある小さなお宿です。
集落と書きましたが、すぐ近くには島牧の村役場があるので、ここが島牧村の中心部です。
面積だけで言えばかなり広いですが、小さな村なんだなぁと言うのが良く分かります。

そんな中にあるたかだ旅館さん、旅行客だけでなく工事関係者なんかも利用するみたいです。
前日までは何組か泊まっていたそうですが、ちょうどみんな引き払ってしまったので、この日は私とOさん、札幌から駆けつけてくれたGさんの3人だけで、仲間だけでの貸し切り状態でした。

なんと、気を利かせてくれて、一人一部屋で用意してくれていました。
別に、同部屋でも良かったのに、有難いです!

素朴な和室ですが、一人で利用する分には十分すぎる広さです。
トイレは共同で、冷蔵庫も廊下にあるもので共有。
部屋には鍵が掛かりませんので、貴重品の管理には気を遣いそうですね。

部屋からは永豊漁港を一望出来る絶景ロケーション。

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宿泊代は1泊2食付きで、7500円です。
私が温泉めぐりを始めた頃は、珍しくない金額でしたが、何かと値上がりしている昨今でこの金額は破格ですね。
工事関係者も泊るお宿と聞いていたので、食事については「どうせスーパーの総菜盛り合わせみたいなものだろう」と、一切期待していませんでしたが、その期待はとても良い意味で裏切られました。

品数だけで言えば普通なんですけど、一品一品がとても美味しいのです。
焼き魚は赤魚と言うらしいです。この辺りで獲れるらしく、骨があって少し食べにくいけど、味がしっかりしていて美味しい!
しかも、お刺身の盛り合わせもあって、これが鮮度抜群で美味しいのです!

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しばらく食べていたら、女将さんが「夕日綺麗だよ!」と教えてくれました。
食事中なんだけどなぁ~ なんて思いつつ、折角なので外に出て夕日を眺めて来たのですが、これがまた美しい!

日本海側に面した島牧村ですので、夕日が自慢なのかも知れませんね。
形には残りませんが、良いお土産を貰ったような気分です。

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夕日を一通り楽しんで戻ってきたら、お皿がひとつ追加されていました。
なんとアワビではありませんか!!!
思わず、この宿を予約してくれたGさんに「ここ、幾らでした? 本当に7500円で合ってるの?」なんて聞いてしまった程です。
間違いなく7500円でしたけどね、まさかアワビまで出て来るなんて、コスパ最強すぎます!

しかもこのお宿はお酒持ち込み自由、と言うか、お酒は各自持参してくださいってスタイルなのです。
新鮮なお刺身とアワビ、沢山持ってきたお酒が進んで進んで仕方が無いです!
こんなに美味しい物を破格の金額で出してくれて、せめてお酒で利益出してくれれば良いのになんて、要らない心配までしてしまうわけで。

途中から女将さんと叔父さん、若女将の3人も隣のテーブルで食べ始めました。
島牧村の事など色々なお話を聞きながら、持ってきたお酒をどうぞなんてすすめていたら、いつの間にか酒盛りみたいな展開に。
6時頃に始めた食事ですが、気付いたら10時になっていました。

とってもアットホームなお宿です!

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せっかくなのでお風呂も紹介。
冒頭にも書いた通り、非温泉です。
でも、浴室自体はユニットバスなんだけど湯舟だけは檜風呂になっていて、浴室内には檜の香りが充満しています。

お湯は水道水の沸かしですが、この辺りの水道は湧き水らしくて、不快な塩素臭などは一切せず、とても気持ちが良いんですよね。
もちろんこれは温泉ではありません。
分かった上で書きますけど、とても気持ちが良いお湯でした!

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このお宿にはまた再訪したいなぁ~
今回は紅鮭と子供達を置いて私一人で北海道に来てしまったので、次回は是非家族でお邪魔したいです。
素晴らしいお宿でした!

・・・あ、この記事は某湯小屋についてでしたよね。

湯小屋の温泉も素晴らしかったです!

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2023年 9月2日 - 初訪問・日帰り入浴

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