鹿児島県

北平下海岸温泉 (穴之浜温泉)


酸性硫黄泉?

鹿児島県鹿児島郡三島村硫黄島
野湯? 海全部が露天風呂だぜイエェーイ!って感じ?
無料
24時間 (干潮時で波が穏やかな時のみ)

穴之浜温泉は鹿児島県の離島、硫黄島にある温泉です。
硫黄島についての詳細は別途まとめましたので、もし良かったらご覧下さい。

↓ 自分で言うのもなんですが、力作です!

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穴之浜温泉とかいて「けつのはまおんせん」と読みます。「あなのはまおんせん」ではないので注意。
ハッキリ言ってヘンな名前の温泉なのですが、これがまた凄いんです!

何が凄いかは、言葉で説明するより、見てしまうのが早いです。

↓ 平家城展望台からの光景

海岸線が青白く濁っているのが分かりますか?
この色が変わっているところ、全部温泉です!

「ちょっと何言ってるか分からない、これ、海じゃん!」って、まぁ、普通そうなりますよね?
その通りで、海でもあるんですけど、これは温泉なのです。
硫黄島のシンボル硫黄岳、今でも火山活動が盛んで常に噴気があがっているのですが、その周辺の海岸や海中からは、絶えずアチコチから温泉が湧出しています。
その大量に沸いている温泉と海水がブレンドされ、海と温泉の境目が曖昧なほどに、スケールがデカすぎる、史上最強の露天風呂が出来上がっているわけです。

これに入る事が出来たらどれだけ幸せか!?

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で、いきなりですが、面倒くさくて理屈っぽい話からはじめます。

実は、私はこの穴之浜温泉を、温泉めぐりを始めて間もない頃から知っていました。
何がキッカケで知ったかは忘れましたが、この海岸線が全部温泉と言うスケールのデカさに憧れたのです。
当時は、陸からのアクセスなど皆無で、まさに前人未到。入った事がある人なんて一握りですし、どうやったら行けるのか情報もありません。
そんなわけで、「あぁ、これ、行ける訳ないじゃん、見るだけで入るなんて絶対無理な奴だ」って断念して、記憶の片隅に追いやっていた、私にとっては夢を見るままで終わる筈の温泉でした。

でも、最近になって久しぶりに穴之浜温泉について調べてみたら、結構色んな人が入っているんですよね。
しかもですよ? 三島村が作成する観光MAPに穴之浜温泉が書かれている程です。

えっ!? いつから穴之浜温泉ってそんなチョロくなったの!?

正直驚きました。

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勿論、穴之浜温泉に行けるようになったと言うのは、喜ばしい事です。
でも、諸手を挙げて喜べない事情がひとつあります。
観光MAPにも書かれ、色んな人が入ってきたと報告している穴之浜温泉の場所は、私が知っていた場所ではないんですよね。


ここは、私が知る限りでは、北平下海岸温泉です。
穴之浜温泉は穴之浜温泉で別の場所にあります。

何を根拠に!? とか言われてしまいそうですけど、ネットで漁ると古いものだと昭和30~40年代の学術論文とかが出て来ますので、気になる方が調べてみてください。
論文の中では、本来の穴之浜温泉と北平下海岸温泉を別々の源泉として採取し、成分分析までしていたりします。
そもそもですが、北平下海岸温泉と穴之浜温泉は地下水脈自体が違うみたいです。

過去の文献を元に、各温泉の場所を整理すると、おおよそこんな感じになります。

(出展:国土地理院 航空写真)
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私と同じような疑問を感じている人は結構いるみたいで、穴之浜温泉を使わずに「平家城下温泉」という名前で入浴レポートを書いている人もいますね。

とは言っても、私が声高に「ここは穴之浜温泉じゃない!」と叫んだ所で、ナニ言ってんだコイツ?ですし、観光MAPを作っている三島村としても困っちゃうと思うんですよね。
それに、穴之浜自体はかなり範囲が広く、平家城展望台まで続いています。
「穴之浜の北端にある温泉だからここだって穴之浜温泉だ!」と言われたら、ぶっちゃけ、「あ、うん、ソウデスヨネ~・・・」って、返す言葉も無くなるわけで。

なので、当ホームページでは広義としての温泉地「穴之浜温泉」にある、狭義での「北平下海岸温泉」として紹介しております。

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さて、理屈っぽい前置きが終わったので・・・

北平下海岸温泉へのアプローチは、平家城展望台の駐車場の少し手前にあります。
車で進む事は出来ませんが、歩いてなら行けそうな小路です。
相変わらず山道を舐め腐ったような恰好をしている次女(6歳)。


途中にある気象庁の火山観測局までは緩やかな道です。
局なんて書かれていると有人施設のようにも聞こえますけど、無人で、機械がポツンと置かれているだけです。ソーラーパネルが目印。
火山観測局を左に見ながら、この先は獣道みたいな細道になります。

最初はある程度道になっていますけど、どんどん細くなり、最後は笹の葉を避けながら歩く事になります。

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しばらくすると岩場に出ました。
ここまで子供と一緒に歩いて、約10分です。

冒頭にも書きましたが、私が知っていた穴之浜温泉って、もっとトンデモナイ、命がけで行くような場所でした。
私の後ろに、ヒラヒラ&キラキラなスカートを履いて、笑顔でついてくる未就学児がいるのは、一体全体、どういう事でしょうか!?

・・・ま、良いけど。

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それにしても、目の前に広がる景色は絶景です!
平家城展望台から見下ろす海岸も美しかったですが、目前に広がる海岸はそれ以上の迫力があります!

温泉が目的でなくても、この海岸を見る為だけでも崖を降りる価値あります!

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で、肝心の温泉。
ウタン浜温泉の時と同じように、岩場辺りまでくると辺りから硫黄臭がします。
とりあえず、波の影響を受けにくく穏やかな所の海水を触ってみたら、体感ですけど水温は25度位です。
いくら南国鹿児島とはいえ、真冬の海水が25度って、普通ありえません!

これは温泉なのかな?
入れるかな?
深く考えても時間の無駄ですし、とりあえず入ってみました!

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浸かってみた印象、うん、冷たいです。
でも、真冬の海なのに、凍えるような事はありません。
海から押し寄せる波は冷たいですが、海岸側から流れて来る海水?はちょっとだけ生暖かいんですよね。
どこで沸いているかの特定は出来ませんでしたが、どこかで沸いているのは間違いが無さそうです。

お湯? 海水? の印象ですが、ほんのり硫黄臭がします。
ただ、ウタン浜温泉に比べると硫黄臭は少し控えめ。
絶えず波が来るので、意図せず口の中に水飛沫が入る事があるのですが、海水によるものと思われる塩分の他にも、しっかりと酸味を感じます。
酸性度がかなり高いお湯だと言う事が分かりますね!

と言うか、私が服を脱いで入っているのを見て、次女も入ってきました。
う~ん、この娘には怖い物とか無いのだろうか?

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一通り水遊び(入浴)が済んだので、さて帰ろうと思って岩場を移動していると、視界の先に湯気が出ている箇所を発見しました。
その場所に行ってみると、岩の隙間から源泉が湧出しているではありませんか!
触ってみたらかなり熱くて、50度以上ありそうです。
舐めてみたらかなりの酸味。東温泉と同じような、苦味やエグ味もある、複雑怪奇な味がしました。

なにはともあれ、もう一度服を脱いで入ってみる事に!

お湯(海水?)そのものの印象は、さっき入ったのとあまり変わりませんが、こっちの方が少し暖かいです。体感で35度位かな?
幾ら浸かっていても温まる事はありませんが、寒さを感じる事もありません。
最初に入った箇所よりもこちらの方が温泉が濃いです。
ここもウタン浜温泉よりは少しだけ弱いですが、ハッキリと分かる硫黄臭があります。
海水と混ざっていてもなお酸性度が高く、波しぶきが目に入ると沁みて痛いです。
私が確認出来た以上に、かなりの量が沸いているんでしょうね。

難点は、こっちの方が波が荒くて、波が来る度に体が持って行かれます。
何とか落ち着ける所を見つけてバランスを取りますが、これがなかなか大変!

↓ 動画

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一通り 遊んで 入浴して満足したので、引き上げる事にしました。
時間と共に波が満ちて来て、少し危険も感じたので・・・
この時は干潮を狙って来ましたが、それでも潮位が高くて120cm程はありました。
もっと潮が引いているタイミングであれば、源泉の湧出も確認しやすくて、快適な入浴が出来たかもしれませんね。

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長い事憧れていた穴之浜温泉。
遂に入る事が出来ました!

・・・いやちょっとマテ、これは穴之浜温泉じゃないよね?
入ったと言って良いのだろうか?

冒頭でも書いた事ですが、帰り際ずっと「でもここって穴之浜温泉じゃないんだよなぁ~」なんて事を思いながら、モヤモヤしていました。

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でも、振り返って見た景色は、誰がなんと言おうと絶景そのもの!
私が憧れていた、海が丸ごと天然温泉です。日本一、もしかしたら世界一広い露天風呂が広がっています。
ここが穴之浜温泉なのかそうではないのか、この雄大な光景を目の前にしたら、些細な事なのかもしれません。
私は穴之浜温泉という名前に憧れていたわけではありません。
話に聞いて夢にまで見ていた、物凄いスケールの温泉に入った事には間違いありませんからね。

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正真正銘、誰がなんと言おうとも間違いのない「穴之浜温泉」にも、いつか入る事は出来るのかな?
昭和硫黄島の温泉にも入りたいし、硫黄島には他にも幾つか入りたい温泉を残しています。
もちろん、何度も入った東温泉にもまた入りたいですし。

硫黄島には絶対にまた再訪します。
その時は、穴之浜温泉の穴之浜温泉にもトライしてみたいですね!

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2023年 1月4日 - 初訪問・日帰り入浴

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