鹿児島県

本村温泉 (本村温泉) ☆4.0

単純温泉
(源泉名:口永良部1号) 35.2度 / ph6.5 / H29.4.12
Na+ = 29.1 / K+ = 5.9 / NH4+ = 0.1 / Mg+ = 15.8
Ca+ = 29.3 / Mn+ = 0.3 / Fe+ = 3.3
F- = 0.3 / Cl- = 46.4 / SO4- = 11.6 / HCO3- = 157.2
H2SiO = 152.3 / CO2 = 34.6
成分総計 = 486.2mg

鹿児島県熊毛郡屋久島町口永良部島572番地
0997-49-2934
男女別内湯
大人350円、高校生・大学生200円、小・中学生150円、幼児無料
16:30 ~ 19:30 (定休日:月曜日)

口永良部島に来て、まず最初に入ったのは、西ノ湯。
港から車でおよそ10分位離れた場所にある海岸沿いにある温泉です。
で、二か所目に入ったのはこちら、本村温泉。
港から歩いて行ける程の場所にあります。

本村温泉 → 西ノ湯で入った方が、その後の行程が楽だったのですが、事前情報だとここ本村温泉は16時からとあります。
フェリーが港に到着したのは15時頃だったので、先に西ノ湯から入って、16時ピッタリに本村温泉に来ました。

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余談ですが、口永良部島の住所で調べても「本村」と言う地名は出てきません。港のある周辺も、この日私が泊まる民宿がある湯向温泉の近くも、住所にすると屋久島町口永良部島〇〇番地なんですよね。
でも、昔から呼ばれている地名はちゃんとあり、この本村温泉がある港周辺は本村集落と言うそうで、島民の方と話をしていても「本村」と言う地名が出てきます。

更に余談ですけど、本村集落のすぐ隣には前田と向江浜、少し離れた所に新村、岩屋泊、田代、湯泊、永迫など、かつて口永良部島には多くの集落があったそうです。
今では人口減少によって、人が住まなくなってしまった集落もあるみたいですね。

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話を戻して、16時ピッタリに到着した本村温泉。
外観写真を撮りながら、ふと見ると「準備中」と書かれた札が下がっています。
きっと、時間丁度に来たから札を裏返すのが間に合っていないのだろうと思い、入ってみたら、管理人の人に「まだお湯を張っている最中です。営業時間は半からですよ。」と言われてしまいました。

屋久島町のホームページでも16時からって書いてあったんだけどなぁ~
でも、入口にある張り紙には、ちゃんと営業時間が「夕方 4:30」と書かれています。
いつの間にか営業時間が変更されていたのでしょうか?

でも、管理人の人は凄く良い方で、「良かったら奥の部屋で待っていて下さい」と、休憩室に案内してくれました。

浴後に涼む為であろう休憩室は、クーラーが効いていていました。
マッサージチェアを始め、バランスボールや漫画本などもあり、とても快適です。
島民の方にとっては、ゆっくり団欒出来る貴重なスペースなのかも知れませんね。

程なくすると、管理人の方が見えられて、準備が出来たのでどうぞと案内してくれました。
この時の時刻は16時15分。実際の営業開始よりも15分早く入れて頂けました。

お風呂は男女別で、内湯のみです。
脱衣所に張られた成分表によると、単純温泉との事。
成分総計も486mgと、数値だけで見ると決して濃いお湯ではありません。

でも、張られているお湯を見ると、アレレ・・・?
うぐいす色に濁ったお湯で、かなり濃そうです。

実際に入ってみた感触は、ハッキリと分かる含鉄泉です。
お湯からは強い金気臭と、金気臭以外にも少し複雑な臭いが混じります。
よくよく成分表を見てみると、第二鉄が3.3mg、マグネシウムが15.8mgも含まれているんですよね!
そりゃ濃いわけです!
それなのに、総計が少ないばかりに、成分表に記される泉質名は単純温泉。
う~ん、なんだかなぁ・・・

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以前は2槽あったであろう湯舟ですが、張られているのは片方だけ。
ここに限らず、片方が未利用になっている湯舟は割と見かける光景です。

お湯の張られた湯舟からあふれ出したお湯は、空っぽの湯舟に捨てられて排水口から流れ去っていきます。
別にたいしたカラクリではありませんけど、ちょっと面白いですね。

蛇口が2箇所あり、片方は恐らく加温されたであろう源泉。かなり強い金気臭が漂うお湯が出てきます。
もう片方は冷水で、温泉っぽさはありません。恐らく温度調整用でしょう。
私が入った際は一滴も注がれていませんでしたので、必要に応じて注ぎ足しているみたいですね。

見た目と臭いが濃いお湯ですけど、肌触りはサラサラ。
塩分が少ないので、ベタベタする感じもありません。
屋久島に来てから、温泉に入る度に汗だくになる事が多かったので、このサッパリした浴感はとても気持ちが良いです。

ふとガラス窓越しに外を見たら、以前は使われていたであろう、お湯の張られていない露天風呂がありました。


このサッパリしたお湯を風にあたりながら入ったら、さぞかし気持ちが良かっただろうになぁ~・・・
内湯の未利用湯舟と、この未利用露天風呂。折角あるのに、なんともモッタイナイ気がしますけど、口永良部島の人口減少に伴い、ここ本村温泉を利用する人の数も減っているのかも知れませんね。維持していくのが大変なのかも知れません。

貴重な温泉に入る事が出来た事が、素直に嬉しいのはありますが、人口が減り続けている離島の難しさも少し垣間見たような気がしました。

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口永良部島には、きっとまた来ると思います。
その時また改めて、ゆっくりと入ってみたいと思った、素敵な一湯でした。

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2022年 8月17日 - 初訪問・日帰り入浴

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