アルカリ性単純温泉
(山梨県企業局 石和温泉管理事務所給湯口)
43.7度 / ph8.8 / H14.7.31
Na+ = 108.2 / Li+ = 0.1 / K+ = 1.8 / Ca+ = 10.2 / Mg+ = 0.1
Cl- = 110.2 / F- = 1.1 / SO4– = 55.5 / Br- = 0.3 / I- = 0.1
OH- = 0.1 / HCO3- = 21.9 / HPO4- = 0.3 / CO3– = 18.4
HSiO3- = 51.7 / BO2- = 5.6 / HAsO3 = 0.4
成分総計 = 386mg
山梨県笛吹市石和町山崎132−28
055-270-0040
浴室 × 3箇所 (貸切利用)
日帰り入浴のみ不可
リトルカブで行く山梨湯めぐりツーリングの宿泊先に選んだのがこちら、石和温泉にある璃洛と言うお宿です。
どこに泊まろうかと思いながらネットの予約サイトを眺めていたら見つけました。
なんでも、4月にオープンしたばかりなのだそうです。
他にも候補地はありましたが、新しい所は気になるって事で、予約を入れて行ってみる事にしました。
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スマホのナビを頼りに走ったので、迷う事はありませんでしたが、小さな看板があるだけで、ぱっと見て分かり難いお宿です。
外観はどこぞのお金持ち宅か、看板があるから「料亭かな?」って雰囲気。予備知識無しにこれを旅館だと思える人は余程な嗅覚の持ち主だと思います。
本当にここで合っているのか不安になる門を開けて中に入ると、これまたビックリの和風なアプローチです。
建物の中もお洒落で、とても立派なエントランスです。
さぞかしお高い宿だと思うでしょ?
なんとここ、1泊朝食のみで、5,500円(税込み)なのです。
とてもそんな安い金額で泊れる宿には見えません。
もっとも、オープンした直後ですので、これからどんどん認知されていき、金額が適正になっていく可能性はありますけどね。
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通されたお部屋は、専用の内風呂がついている「桐の間」です。
この日は平日と言う事もあってか、私以外に宿泊者がいなかったそうで、お宿のご厚意でお風呂付きのお部屋が用意されていました。
1泊たったの5,500円だけの客なのに、サービスが良すぎて、申し訳なくなってしまいます。
オープン直後のお宿だけあって、お部屋はとても綺麗。
壁にテレビが掛かっていますが、どうやら地上波は見る事が出来ないネット専用モニターのようです。
今時って感じですね!
YouTubeやNetflixが見れるのですが、年配の人だとかなり戸惑いそう・・・
部屋からの眺望は無く、その代わりにベランダに出る事が出来ます。
でも、ベランダのすぐ隣は民家。そして何故か、ベランダは部屋の隣にある共同キッチンとも繋がっています。
部屋と言いベランダといい、どことなく造りが旅館っぽく無いと言うか、個人宅みたいな間取りなんですよね。
話を聞いてみると、以前は資産家が持っていた別荘だったそうで、それを現オーナーが買い取りリフォームして旅館にしたそうです。
なるほど納得です。
これはこれで、面白い造りだと思うので、個人的にはアリです!
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とは言え、別荘にしても立派過ぎる建物です。
何よりも凄いのは、なんとこのお宿、私が泊まった部屋についている専用風呂の他にも、お風呂が3箇所あります。
4ヵ所もお風呂がある別荘って、凄すぎません!? (その前に、手入れが大変だろうなぁって心配もしたくなりますけど)
前オーナーはよっぽどのお金持ちだったのでしょうね。
浴室に向かう途中、和風庭園を模したような一角がありました。
私もこんな立派な家に住めるようになりたいです!
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3箇所あるお風呂のうち、最初に利用したのがここ、岩風呂です。
男女別ではなく、貸し切りでの利用となります。
本来であれば、予約を取るなどして他のお客さんと譲り合っての利用となりますが、この日の宿泊者は私だけでしたので、好きな時に好きなお風呂に入れます。
個人の別荘だったと考えると、贅沢過ぎる広さです。
ほんと、どんな大金持ちが所有していたんでしょうね!?
湯舟は2槽に分かれています。
浴槽を正面に見て、右手前は水風呂、奥は通常浴槽です。
通常浴槽のお湯は少し温めの適温。宿の部屋にあった案内によると、加温したうえで塩素循環だそうで、それだけ聞くとあまり良い湯使いとは思えません。
でも、実際に入ってみると、塩素臭はせず、少しだけツルツル感のある気持ちが良いお湯です。
ちょっと不思議だったのが、湯底の一部から気泡がプクプクと上がって来るんですよね。
まるで足元自噴なのですが、石和の共同源泉が引湯されているので、足元自噴である筈も無く・・・
この気泡が出てくるポイントでお湯に浸かっていると、足元自噴気分を味わえます。
なんだか気持ちが良いぞぉ~!?
これは一体何だったのか、お宿の人に聞いてみればよかったです。
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次に入ったのは、石風呂。
入った瞬間、目に飛び込んで来るのは、湯底に桔梗のタイル絵が施された丸湯舟。
「おぉ! 山梨と言えば桔梗だよね!」と思いながら、ふと気付く。
あれ? 武田家の家紋って桔梗じゃないよね?
何で桔梗=山梨みたいな連想しちゃったんだろう・・・?
そして更に気付く。「あ、信玄餅のせいだ!」
前オーナーは信玄餅で有名な桔梗屋さんと関わりのある方なのでしょうか・・・?
まぁ、そんな事は置いておいて、気持ちの良いお風呂です。
部屋にあった案内によると、掛け流しとありましたが、浴槽内に集湯口があって、どうも循環されているように見えます。
ただ、湯口から注がれている程度にはオーバーフローもしています。
お湯そのものはとても気持ちが良いです。
ごく僅かに温泉臭。ツルツルあり。この日は私しか宿泊客いませんから、鮮度も抜群です!
湯使いには少し疑問がありますが、3箇所あるお風呂の中で私が一番気に入ったのがここです。
何だかんだで、朝風呂でもここでゆっくりしてしまいました。
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寝る前、最後に入ったのはこちら、檜風呂です。
3箇所ある中で一番小ぢんまりとした湯舟がちょこんとあるお風呂。
使用されている源泉は石和の共同源泉なので、基本的に印象は同じなのですが、湯舟が小さいので鮮度は一番よく感じます。
私が確認した限りでは循環口も無く、ちゃんと掛け流しにされている様子。
お湯からは僅かに薬品臭にも似た温泉臭。
恐らくですが、これは消毒によるものではなく、源泉の特徴と思われます。
同じような薬品臭がするお湯と言えば、山形の上山温泉にもあるのですが、それと似たような感じがあります。
しっかりと感じる温泉の特徴に加えて、浴室が狭い為に少し湯気蒸しており、一度お湯に浸かると汗がドッと出て引かなくなります。
これはこれで気持ちが良い!
チェックアウト前にお宿の人が蒸し風呂にしようかと思っていると言っていましたが、今のままでも十分蒸し風呂ですので、変に手を加えずこのままである事を望みます。
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オマケ、部屋風呂もしっかり堪能しました!
そのまま家庭用のお風呂ですから、風情とかは一切ありません。
でも、お湯は当然かけ流しで、鮮度は最高!
ちょっと使い方が良く分からないところあって、どうやれば一番コンディション良く楽しめるのかが分かりませんでしたが、お湯からは独特な薬品臭を感じる事が出来て、とても気持ちが良かったです。
あと、朝ごはん。
なんと言うか、とってもシンプル。
まぁ、頂けるだけ有難いって事で・・・
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オープンしたばかりの施設で、スタッフの方も手探り状態。
まるで高級料亭のような佇まいでありながら、ゲストハウスのような雰囲気で、オゾンカプセルがあったり、昼間はカフェをやっていたり・・・
あくまで現時点での話ですが、悪い言い方をすると「何がしたいのか良く分からないお宿」です。
でも、これから良くしていこうって試行錯誤されている様子がとても初々しくて、応援したくなるお宿です。
それに、働いている方達の人柄が素晴らしいんです!
きっと、東京からカブに乗って独りでやってきた私を見て、変なオッサンだと思ったでしょうね・・・ (;^ω^)
でも、そんな変なオッサン相手でも、スタッフの方達皆さんとても気さくで、感じ良くて、素直に「また来たい!」って思える、素敵なお宿でした。
次回は嫁と子供も一緒に再訪したい、これからが楽しみなお宿です。
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2022年 5月19日 - 初訪問・宿泊(朝食付き)
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