栃木県那須湯本温泉

民宿 南月 (那須湯本温泉) ★4.5

単純酸性硫黄温泉
(鹿の湯・行人の湯 混合泉)
53.7度 / ph2.4 / 2018.11.13
H+ = 4.0 / Na+ = 29.9 / K+ = 6.5 / Mg++ = 25.6 / Ca++ = 56.2
Al+ = 21.4 / Mn+ = 1.5 / Fe+ = 4.6 / Zn+ = 0.1
F- = 0.5 / Cl- = 69.1 / HSO4- = 66.2 / SO4- = 493.7 / HPO4- = 0.1
H2SO4 = 0.7 / H2SiO3 = 186.9 / HBO2 = 8.4 / H2S = 88.5
成分総計 = 1064mg

栃木県那須郡那須町湯本55−2
0287-76-2253
貸切内湯
日帰り入浴は要相談

私にとって、那須と言えば真っ先に思い浮かべるのは雲海閣です。
これまで何度も那須を訪れていますが、だいたい決まって雲海閣に泊まってしまうんですよね。
今回は、たまには違う所に泊まってみよう!と思って、南月さんにお邪魔してみました。

南月さんは那須湯本の民宿街にある小さなお宿です。
民宿街には地元の人しか入る事の出来ない、所謂ジモ専と呼ばれる共同浴場の滝の湯と河原の湯があります。施錠されているので組合員以外は入浴が出来ないのですが、民宿街に宿泊した場合に限り、民宿で鍵を借りて利用する事が出来ます。
ほとんどの民宿には温泉が引かれておらず、共同浴場のお風呂を借りる昔ながらの外湯スタイルを貫いているんですよね。草津温泉とかも昔は宿にはお湯が引かれておらず、外湯スタイルだったそうです。
そんな民宿街ですが、2軒だけ温泉が引かれています。
そのうちの一軒がここ、南月さんです。

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所謂民宿ですので、小ぢんまりとしていて素朴なお宿です。
きっと狭い部屋なのだろうと思っていたら、思った以上に広々としていました。
畳間ですが一部が板になっているので正確に枚数を数える事は出来ませんが、恐らく15畳はあると思われます。

窓からの景色で特筆するようなものはありませんが、角部屋なので風が良く通って気持ちが良いお部屋です。

まぁ、民宿ですから、広い部屋を見渡しても特別何がある訳でもありません。
冷蔵庫は廊下の共用を自由に使うスタイル。
ちゃんと清掃はされているようですが、それなりに年季の入った部屋ですので、綺麗な旅館に泊まり慣れた人からすると、少し物足りなさはあると思います。

ただ、宿泊料金を考えたら、これで充分です。
少なくとも、普段もっと年季の入った雲海閣に泊まっている私からしたら、十分以上に立派なお部屋です。

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お風呂は内湯がひとつあるのみで、貸切で利用します。
以前は岩風呂のような造りでしたが、どうやら最近リニューアルされたようで、一部が板張りになっていました。

お湯は雲海閣をはじめ、那須湯本の他のお宿と同じ、鹿の湯と行人の湯の混合泉です。
うっすらと白濁していて、透明度は10cmといったところでしょうか。
手を入れてみるとかなり熱めに感じましたが、湯舟に浸かってみたら44度くらいでした。どうやら体が冷えていたみたいです。

お湯自体は雲海閣で何度も入っている同じ源泉なので、特筆すべき違いはありません。
強い硫黄臭と、ピリッと来る肌触り。お湯から上がると肌がサラリと乾く爽快感のある気持ちが良いお湯です。
湯舟がこれだけ狭いので、鮮度は申し分ありません。

湯口からは熱い源泉が静かに注がれているのですが、その隣にはもう一本ホースがあって、桶に源泉が注がれていました。
素手で触るには少し熱いくらいの温度で、桶に注がれたお湯はそのまま洗い場に流れ去り捨てられています。きっと、供給されている全量を湯舟に投入すると熱くなりすぎるので、捨ててしまっているのでしょうね。
なんとモッタイナイ! その余ったお湯を私の家(都内)まで引いて欲しいです!!!

余談ですが、何度も入っているお湯なので普段あまり気にしていませんでしたが、成分表を見てびっくり。遊離硫化水素の値が88.5mgもあります。
あれ?鹿の湯+行人の湯の混合泉って、こんなに硫黄成分強かったっけ???

気になって自分のHPで雲海閣を見てみたところ、平成15年の分析表だと遊離硫化水素が28.8mgとなっています。それはそれで、十分に濃い数値なのですが、3倍なのでビックリしました!

まぁ、自然湧出している温泉ですので、その日によってコンディションは違いますし、計測時の誤差みたいなものかも知れませんけどね。
鹿の湯+行人の湯混合泉は入る度に泉温が違ったり、濃く感じたり薄く感じたりする日もあるので、絶好調の時の分析なのかも知れません。

↓ ちなみに夜はこんな感じです

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食事は部屋出しで、素朴ながらもボリュームたっぷりでした。
凝ったものや高価な食材はありませんが、ひとつひとつが普通に美味しくて、ペロリと平らげてしまいました。

朝食もシンプルながらも美味しかったです。
玉子は生卵ではなく温泉玉子でした。殻が灰色に変色していたので、もしかしたら鹿の湯で作っているのかな・・・!?

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広々としたお部屋、気持ちの良い温泉、ボリュームたっぷりで美味しい食事、そして、民宿宿泊者のみに許される外湯の鍵。
これだけ揃って、1泊2食付きが7000円ですから、文句のつけようがありません。

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帰り際、お宿のワンちゃんと遊びました。
マロちゃん、女の子、3歳。名前の由来は目の上の白い部分が麻呂の眉毛みたいだからだそうです。
パッと見でとても恰好良く、きっと血統証のある立派な犬種かと思いきや、拾ってきた子で雑種なのだそうです。
とても優しい子で、うちの子供たちが好き勝手撫でても嫌な顔せずに相手してくれました。

あともう一匹、ニャンコもいます。
この子も元野良。名前は聞いたけど失念。遠巻きに私たちの事を見ていて近付いては来ませんでした。
まぁ、猫ってそんなもんですよね。

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雲海閣さえなければ、きっと定宿になっていたであろう、とてもアットホームで素敵なお宿でした。
きっと今後も雲海閣に通う事になりますけど、たまには浮気してお邪魔したいと思います。
那須湯本の共同浴場に入りたい方には強くお勧めしたい素晴らしいお宿です!

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2021年 8月10日 ー 初訪問・宿泊

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