霧島温泉郷鹿児島県

新燃荘(霧島新湯温泉) ★4.5

酸性硫黄泉

鹿児島県姶良郡牧園町高千穂3968
男女別内湯・混浴露天・家族風呂など
0995-78-2255
日帰り料金 : 500円

-霧島新湯温泉-

霧島温泉郷の更に奥へ行った所にある、標高930メートルの山の中に湧く白濁硫黄泉の温泉。現在ここには国民宿舎
「霧島新燃荘」があるのみ。

11月12日、熊本の山川温泉を後にした私達は、鹿児島の彼女の実家に帰宅する途中、一件の温泉宿で日帰り入浴をする事にしました。
「霧島新湯温泉新燃荘」です。

山川温泉から一般道をひた走る事約6時間。宮崎県のえびの高原側から鹿児島県境にたどり着く頃には、既に日が落ちていました。
ナビの案内する通り走っていると、気が付い時には周囲に電灯一本と無い山道。
そういえば暫く対向車も見ていません。途中、鹿に遭遇したり、得体の知れない動物が路上前方を横切る度に「あれ何?タヌキ?ネコ?」なんて話をしつつ、「こんな所でトラブル起こしたら助け呼ぶの大変だな・・・」などと少し不安に感じながら走っていると、突然辺りが強烈な硫黄の臭いに包まれました。
「いよいよ温泉が近づいてきた!」と、今まで感じていた不安が期待に変わた直後、「目的地周辺です。運転お疲れ様でした・・・」と、突然ナビが案内を終了してしまいました。
思わず「えぇぇぇ・・・!?」と戸惑う私。それもその筈、ここは両側が木々に囲まれた一本道。
温泉どころか、電灯すら見当たらない何も無い場所です。ナビの画面を見ても、温泉施設らしき絵がありません。
仕方が無いので、車をそのまま走らせていると、前方に丁字路がありました。適当に「こっちかな・・・?」と左折したところ、暗闇に「国民宿舎新燃荘」と書かれた看板発見!
看板の指示する通り、車がすれ違うのも困難と思われる真っ暗な道を進むと、やっと建物らしき影と数台の駐車車両がある場所につきました。
今回の九州旅行最後の温泉地、霧島新湯温泉「新燃荘」に到着です。

それにしてもこの旅館、とにかく「暗い」の一言です。駐車場を照らす明かりすらありません。
建物もかなりの年代物で、全体的に薄ぼんやりしています。
受け付けをしようと中に入ると、玄関も営業しているんだかしていないんだか分からないくらい暗い。奥にいた旅館の人を呼び、受け付けを済ませて玄関向かいの温泉へと向かいました。

温泉は玄関からちょっと階段を降りたところにあります。階段を降りてまず最初に目に入ったのが露天風呂!かなり広めで気持ちよさそうです。
「へ~、気持ちよさそうだね~・・・」なんて話しながら、風呂を見渡すと、既に数人の方が入浴中でした。誰も入っていないものだと思っていたのでビックリしました。暗くて全く気が付きませんでした・・・

ここには男女別の内湯と、先ほど来るときに見た混浴の露天風呂があります。
まずは内湯に併設されている脱衣所で服を脱ぐ。ふと目の前を見ると、「このお湯に30分以上浸かっていると死ぬ・・・」みたいな事が書かれていて驚く。
後から聞いた話によると、あまりに硫化水素が強く、過去に長湯をして亡くなられた方もいるんだとか。
とりあえずそんな脅し文句にビクビクしながら内湯に入ると、温めで、硫黄臭が強烈なとっても良いお湯でした。
白濁したお湯はまるでミルクのよう。湯もとっても柔らかく、思わず、「こんな気持ちの良いお湯の中ならば死んでも本望」、なんて良からぬ事を考えてしまいます。
次に露天風呂。真っ暗な中、満天の星を見ながら入る露天は最高です。お湯は内湯と同じ強烈な白濁硫黄泉で、内湯よりも更に温め。
混浴なのですが、暗くて何も見えない事もあり、夜中ならば女性でも気後れせずに入ることが出来そうです。
30分の戒めも忘れ、45分位入ってしまいました。死なないで良かった・・・

静かな山の中にある、静かな温泉。
最初はあまりの暗さに驚きましたが、なれるとその暗さが何とも言えず心地よいです。
日帰り入浴は21時まで受け付けているとの事。鹿児島県に住む人の事が堪らなく羨ましく感じました。
宿泊は素泊まりから受け付けており、お値段も3000程度からと非常に安い。
次回は是非とも宿泊で利用したいです。

2004年 11月12日 - 初訪問時のレポート

2008年1月13日 - 再訪・宿泊

前回訪れたのが2004年の10月ですので、それから3年少々経ってからの再訪です。
今回は宿泊しました。

お湯は記憶の通り、白濁のとても濃い硫黄泉です。
まずは内湯。ガツンと入り応えある熱めのお湯でした。45度くらいかな?
湯口は岩山状になっており、高い所から熱いお湯が滴り落ちています。


硫黄臭がビシビシと香る力強いお湯に大満足!
翌朝一番で内湯に入ってみたところ、湯花が底に沈殿していてお湯が澄んでいました。

ちなみに、前回堪能出来た、混浴の露天風呂。こちらはなんと水風呂になっていました。
なんでも、上流で源泉の採掘をしているそうで、その間は湯量が低下するのでお湯を注いでいないのだとか。
しかし、お湯の供給を止めているのに、何で青白濁のお湯(冷たい)が張られているのだろうか・・・?その答えは、お湯の表面にありました。
なんと、ポコポコと気泡が上がっているのが分かります。それも複数個所から!

この露天風呂、実は足元自噴なんですね。以前立ち寄った時に湯底から気泡が上がっているのに気づいていましたが、当時はそれがどんな価値のある事か分からず、あまり気にもとめていませんでした。
ただ、足元から湧出している量だけでは浴槽全体の湯温を保てず、別に源泉を注がないといけないのが残念。
ちなみにですが、浴槽内に限らず、お宿の周辺ではアチコチからお湯が自噴しているみたいです。
宿の前を流れる川を見下ろしてみると、細かい気泡がポコポコ上がっている箇所が複数ありました。さすが霧島!凄いの一言です。

・・・で、これが前回も入った内湯と露天。宿泊棟母屋内には、これ以外にも宿泊者のみが入る事の出来る(と、思われる)お風呂が幾つかあるのです。
まずは男女別の内湯。共同浴場のように、湯船がひとつあるだけのものです。
お湯は勿論白濁の硫黄泉。掲げられている成分表を見ると、一応別源泉になっています。
しっかり硫黄臭漂う良いお湯ですが、少し温めで、41度くらいでしょうか。お湯に浸かったまま長時間ゆっくり出来ます。
何となくパンチ不足な気がしないでもありませんが、まったりとしたい時には良いですね。
湯口が少し面白い形状で、一段高い所に汲み置いて満遍なく注がれる仕組みになっていました。
湯量豊富で素晴らしいです。

続いて貸切風呂。2箇所あり、空いていれば中から鍵を掛けて無料で利用出来ます。
ココのつくりが面白い!切り株をくりぬいて作った1人サイズの物で、勿論源泉掛け流し。お湯に浸かると、盛大にオーバーフローします。
お湯は宿泊棟内男女別内湯の物と同じ、少し温めの物です。浴槽の大きさに対する新湯投入量はなかなかの物で、恐らく30分も時間があれば空っぽの湯船にお湯が満たされるのではと思います。
ただ、湯船が小さいのは嬉しいですが、2人同時に入るのは難しく、2人で入ってしまうとどちらか片方がお湯の外で待たなければならなくなります。
鹿児島とはいえ、標高高い霧島の1月は寒く、ちょっと辛かった・・・

ただ、一点難点もありまして、実はここ、温泉は24時間では無く、夜の10時までなのですね。多分、事故があったせいもあると思いますが、せめて12時くらいまでは利用出来ると嬉しいのですが・・・
夜中寝る前に入ってからと言うのが出来ないのは残念。

しかし、硫黄臭に包まれながらの目覚めは最高です。
泊まれて大満足でした!

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