大分県

かわにし温泉 (川西温泉) ★4.0

アルカリ性単純温泉
(農村交流センター) 47.8度 / H7.6.19
Na+ = 201 / K+ = 20.3 / Ca++ = 9.5
Cl- = 22 / SO4– = 248 / HCO3- = 268
HsSiO3 = 114.1 / HBO2 = 1.6

大分県由布市湯布院町川西1358-1
男女別内湯
100円
8:00 – 22:00

湯平温泉と由布院温泉を結ぶ国道210号線沿いにある共同浴場です。
100円で入れると聞き、その値段の魅力から、とりあえず立ち寄ってみたいと行程に入れていました。
国道沿いに看板があるので、少し注意深く走っていれば、難なくたどり着く事ができます。
すぐ隣が産地直売所になっており、そこと共同で使用出来る駐車場を利用する事が出来ます。100円の共同浴場なんて聞くと、民家の並びだったり路地裏みたいな
所だったりを想像するのですが、この川西温泉はとても使い勝手が良いです。
湯小屋は直販所の裏手、少し高台になっている場所にありました。

入り口には色あせたピカチュウの絵が描かれており、その下に、子供の字で「ピカチュウは温泉に入れません!」と書かれています。うーん、なんともシュール。
先客がピカチュウだったら、確実に電気風呂な訳で、かなり嫌ですね。

さて、その湯小屋。入り口が少しユニークです。昔の遊園地なんかにありそうな回転式のゲートがあります。
ゲートには100円玉の投入口があり、そこにお金を入れて、ゲートを回して入る仕組みのようです。

で、早速中に入ろうと、100円玉を入れるが・・・途中で100円玉が引っかかっているのか、ゲートが開きません。返却レバーを引くと、釣銭のように排出される100円玉。
再度100円玉を投入し、何度も試すも、ゲートは堅く閉ざされビクとも動きません。

まさか、今日はお休みなのでしょうか。暫く途方に暮れていたら、お風呂から上がって出てくるオバちゃんを発見。
慌てて捕まえ、助けを求めると、おばちゃん、100円玉を入れて、ゲートをガンガンと引っ叩き始めました。
ヲイヲイ・・・
呆気に取られて見ていたら、さっきまで引っかかっていた100円玉がカランと音を立てて中に入り、無事ゲートが開きました。ほっと一安心。

ついでにこのゲート、入り口が何とも狭いのです。もう少し入り口を広く作った方が良いような気もしますが、開くのにヒト手間掛かる事も含めて、何ともB級チックです。
私個人としては、こう言うイベントは結構好きです。

やっと入ることが出来た湯小屋。どんな鄙びた物だろうかと期待して脱衣所に入ると、最初に目に飛び込んだのは、洗面台の前に備え付けられた、とても大きな鏡です。
この鏡自体は、旅館などでは普通に見かけられるもので、特別珍しい物ではないのですが、100円の共同浴場で見かけるとは思いませんでした。
大きな鏡以外にも、脱衣所全体を見渡して、とても綺麗で新しい印象を受けます。
そして浴室。こちらも脱衣所同様、とても立派な造りで驚きました。
これが100円!?

入り口だけ見ると、確かに100円温泉らしい風格(?)が備わっているのですが、内部はまるで想像と違います。もっと、こう、埃っぽいと言うか、ボロっちいのを期待しちゃうんですけどねぇ・・・
まぁ、悪い訳ではなく、むしろ、この金額でこんなに良いお風呂と、かなりプラスな話ではあるのですが、私からすると、正直複雑な心境だったりします。

さて、肝心のお湯は、無色透明の物です。湯口からお湯が滔々と注がれています。
一目瞭然で分かる掛け流しに、思わず頬がゆるみます。100円温泉のお湯は、やっぱりこうでなくてはいけません。
掛け湯をしてから、湯船に体を沈めると、ちょうど私の体一人分のお湯が湯船から溢れ出ます。貧乏性の私は、思わず「今溢れたお湯だけでも100円以上の価値があったかも知れない!?」とか考えてしまいます。
お湯の温度は42度。お湯の香りは、ごく僅かな温泉臭。肌触りは少しツルツルし、お湯から上がるとシットリした感触が残ります。
前日から精力的に湯めぐりして、少し疲れ気味だった私ですが、このお湯に浸かっていると、不思議と疲れ
が取れます。

特徴がある個性的なお湯も好きですが、肌に馴染むような柔らかいお湯も良いですね。
それにしても、こんなに安くて良い温泉なのに、私が滞在した20分くらいの間、誰も入って来ないのが驚きです。
私が利用した時間のせいもあると思いますが、それに加えて、この周辺には他にも安くて良い温泉があると言う事なのでしょうね。
何とも贅沢な話に、羨ましくなってしまいました。

独特な雰囲気とコストパフォーマンスの良さは、一見に値すると思います。
是非とも湯めぐりの行程に加えて欲しいと思った一湯でした。

2010-4/30

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