大分県

奥湯の郷 (奥湯の郷温泉) ★4.5

ナトリウム-塩化物泉
(奥湯の郷) 96度 / ph8.9 / 掘削自噴 / H15.10.7
Na+ = 517 / K+ = 46.6 / Ca++ = 17.7 / Li+ = 1.7
Sr+++ = 0.9 / Al+++ = 0.5 / Cl- = 688
F- = 7.2 / HS- = 0.4 / SO4– = 222 / CO3– = 48
HAsO2 = 1 / H3SiO3 = 223 / HBO3 = 26.3
成分総計 = 1801mg

大分県由布市湯布院町川西2044
0977-84-2789
男女別内湯 ・ 露天風呂
500円
営業時間 要相談

今まで何度か訪れている大分県、訪問した温泉施設数を見ると、なんと100箇所を越えているのです。数だけ見れば、さぞ色んな所に入ったのだろうと思いきや、実はその殆どが別府だったりします。
あろう事か、全国的にも有名な温泉密集地の湯布院には行った事が無いのです。湯布院に行ったことも無い癖に、何が温泉マニアでしょう・・・
何とかしなければと密かに思い続ける日々。でも、東京から大分なんて、なかなか行く事が出来ません。
そしてやってきた2010年のゴールデンウィーク。4月29日から5月5日まで休みを取る事が出来たので、紅鮭実家の鹿児島に帰省するついでに、湯布院へ行く事にしました。

待ちに待った4月28日の水曜日、仕事を終えた私は、帰宅するなり、愛車コペンで高速を西へ西へとひた走り・・・翌日29日の昼過ぎに湯布院ICへ到着。距離にしておよそ1250km、所要時間は16時間程です。
え?車で行ったの?しかもコペンで?うん、そんな声が聞こえてきそうですが、はい、その通りです。紅鮭と交代運転をしながら一晩中走り、陸路で大分入りしました。
実は前の年もコペンで鹿児島に帰省しています。何故か!?鹿児島をオープンドライブしたいからと答えればカッコいいですが、実際の所は、節約の為です。
飛行機で帰ると、2人分の飛行機代に加えて、現地でのレンタカー代もかかりますからね。
去年から始まった高速道路休日1000円を利用すれば、ほぼガソリン代だけで鹿児島まで帰省出来るのです。2人合わせても、片道15000円くらいしか掛からないのです。
難点はやっぱり疲れることです。しかもコペンは狭い上にリクライニング出来ませんからね。もし今車に乗り換えなければならないとしたら、反動でレガシィとか長距離が楽そうなのを選びそうです。
まぁ、コペンには愛着あるので、壊れるまで乗り続けるつもりでおりますけれども・・・

さて、そんなんでたどり着いた湯布院IC、最初に向かったのは共同浴場が沢山ある由布院ではなく、インターから車で15分程の所にある、奥湯の郷温泉です。
この奥湯の郷温泉、青いお湯が有名で、温泉チャンピオンの郡司勇さんが、濁り湯番付で西の横綱に認定したと聞きます。
青いお湯と言えば、以前鉄輪の神和苑で見た事がありますが、その神々しい色は何年経っても記憶に色濃く残っています。
横綱と言われるからには、きっと凄いのだろうと、かなりの期待がありました。

たどり着いた奥湯の郷温泉は、数軒の民家が寄り添う集落のような、閑静な一角にありました。
山奥の一軒宿を想像していたので、少し意外な気がします。
お宿の駐車場に車を停めて、玄関に向かう途中に、郡司さんの事が書かれた案内看板を発見。
流石郡司さん、影響力がある方だなぁと、感心です。
立ち寄り入浴をお願いすると、快くOKとの事です。お風呂は離れにあり、同じ造りの物が2つ並んでいます。
元々は男女別に分かれていたのだろうと思いますが、好きなほうを貸し切って使ってくださいと言われました。ちなみに、案内をして下さった女性、お湯を定期的
に確認しているそうで、「一番青いのは右側の内湯ですが、露天が透明です」「左側は両方とも程よく青いですよ」と、的確にアドバイスして下さりました。

とりあえず、右側の浴室を拝見。
脱衣所の先に内湯、その更に先に露天があると言う、比較的オーソドックスな造りをしています。早速内湯のお湯を拝見すると・・・おぉ!?確かに青い!
写真などで見る絶好調の時の青に比べると、少し色が薄く感じますが、誰が見てもはっきりと分かる、とても綺麗な青色です。
お湯は湯底が霞む程度に濁っていますが、しっかり透明感が残っており、よくある青白濁と違う事は一目瞭然です。
露天はと言うと・・・案内された通り、こちらは無色透明。話によると、昨日までは青かったそうですが、今日見たら色が抜けていたとの事。
同じ源泉でも、青くなったり、透明になったり、繊細なお湯だと言うのが視覚的にも見て取れます。

続いて左側の浴室。右側とは左右対称で同じ造りをしています。
こちらの内湯も、しっかり青いです。色の濃さだけで比べると、右側の内湯の方に、僅かに軍配があがります。ただ、こちらもとても綺麗です。
露天のお湯も、僅かに青味がかって見えます。透明度が高く、ピュアな青透明湯で、神秘的な美しさです。とりあえず私たちは、この左側の浴室を利用させて頂くことにしました。

さて、その神秘的なお湯の浴感。最初に浸かったのは内湯の方。
肌触りは少しツルツルしますが、さほど特筆するほどでもありません。シットリと肌に馴染む感触も気持ちが良いですが、至って普通です。
鉄輪の神和苑でも感じた事ですが、見た目のインパクト程には、個性が強くない浴感です。
お湯の臭いは、僅かに薬臭。何と言うか、石膏のような、アブラのような、薬品のような・・・
少し独特の臭いがします。色のせいかも知れませんが、絵の具を溶かしたような、溶剤系の臭いも感じます。塩素臭に近い気がしないでもありません。
う~ん、かなり判断に困る臭いですが、私には自然が作り出す臭いには思えません。ひょっとしたら塩素投入がされているかも知れません。正直なところ、あまり好きな臭いでは無いです。

露天の方はと言うと、肌触り等の感触は同じですが、お湯の臭いが自然な感じです。
僅かに温泉臭と、メタ珪酸が多いお湯に感じる、独特な薬臭。同じ薬臭ですが、内湯の溶剤系の臭いと違い、不自然な感じがしません。
湯口からは熱いお湯が注がれており、その臭いを嗅ぐと、僅かな硫黄臭を感じます。口に含むと、僅かながら、硫黄の甘い味があります。お湯的には、私は断然露天が好きです。

加えて、上から覗き込むと薄く感じる青色も、お湯に浸かって低い視線から見ると、より一層色が濃く感じるのです。
これだけ青く見えたのならば、僅かな色の濃さの為に臭いに違和感を感じる内湯に戻る必要はありません。気付けば1時近く、不思議で神秘的なお湯をじっくりと楽しんでしまいました。

帰り際、案内してくださった女性従業員の方に挨拶をすると、「もっと青く濁る事もあるんだけれどねぇ」とのお話。うーん、気になる。でも、十分に堪能する事が出来たので、私個人的には大満足です。
いつかまた再訪し、その時はもっと濃い青色を確認出来ればなぁと思いました。ああ

2010-4/29

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