大分県明礬温泉

豊前屋旅館 (明礬温泉) ★4.5

単純酸性・硫黄泉
(トビ温泉) 使用位置:65度 / ph7.2 / S63.6.30
Na+ = 7.1 / Mg++ = 3.9 / Ca++ = 9.1
SO4– = 118 / H2SiO3 = 41.6 / H2S = 1.8
成分総計 = 200mg

大分県別府市明礬2組
0977-66-0537
男女別内湯
300円
営業時間 要相談

別府八湯のひとつ、明礬温泉にあるお宿です。
湯温の低下で閉鎖中の共同浴場、「地蔵泉」の目の前にあります。実は私はこの地蔵泉に入っていないのです。
多分駄目だろうと確認に行ってみたところ、案の定NG。折角来たのだからと、門を叩いてみたところ、中から女将さんが出てこられ、快く立ち寄り入浴を了承して下さいました。

中は気取らず飾らず、所謂テレビなんかで紹介される「和風な旅館」とはかけ離れた感じですが、こぢんまりとしていて落ち着けそうな造りをしたお宿です。
お風呂は廊下を少し歩いた先にあり、女将さんが丁寧にご案内して下さいました。
男女別でしょうか、左右に分かれていますが、「男湯」「女湯」と分かるような暖簾などはありません。
私が訪れた際は、お湯の張替えのタイミングで、左側の浴室のお湯が適温で、右側が熱くなっていました。
今は誰も利用していないので、両方とも貸し切って自由に使って良いよとの事です。お言葉に甘え、まずは適温の方に入ってみることにしました。

お湯は少し緑色を帯びた白濁のもので、透明度15cm程に濁っています。
強い硫黄臭が鼻先をくすぐる気持ちが良い物で、同じ明礬でも鶴寿泉などより断然に濃く感じます。
別府のお湯は薄いと言うイメージが強かったので、これほどまでに濃厚なのは少々驚きました。
肌触りはシットリ系。濃い硫黄成分を肌で感じることが出来るような、とても素晴らしい物です。
湯口からは熱いお湯が静かに注がれており、湯船の大きさに対する新湯投入量は決して多いとは言えませんが、利用者があまりいないせいもあってか、とても鮮度が良く感じます。全身で硫黄の成分をたっぷり吸収しながら入浴する事が出来て実に気持ちが
良い!

次に熱いほう。浴室同士が扉で繋がっているので、裸のまま行き来が可能です。
こちらも左右対称で同じような造りをしています。
お湯の表面には湯花が膜のようにうっすらと浮いており、見るからに濃いお湯である事がわかります。
同じ源泉が使用されているため、お湯から受ける印象は同じ様なものです。
ただ、温度が高いせいもあり、浴感はこちらの方が強いです。
長湯は出来ませんが、熱い湯船でじっとしていると、体が硫黄と熱いお湯の刺激を受けてビリビリと嬉しい悲鳴を上げます。
適温も良いけどこっちはこっちで気持ちが良い~!
なんとなくですが、私が大好きな那須雲海閣の熱湯と適温湯を思い出してしまいました。

今回は立ち寄りでしたので長期戦にはなりませんでしたが、宿泊であれば、確実に1時間以上この場から立ち去ることが出来ない、じっくり楽しみたいタイプのお湯です。
地蔵泉に入ることが出来なかった代わりに急遽寄ってみたところですが、思わぬ素晴らしさに満足度も非常に高く、大変に気に入りました。

浴後、女将さんの案内で、玄関先にある源泉升を見せて頂きました。
山の上の方から引いているそうで、地蔵泉の物とは異なるのだそうです。
とても熱く、全部を浴槽に注ぐと熱すぎて入れなくなってしまうのだそうで、大半はそのまま捨ててしまっています。モッタイナイー!
ぜひ泊まって時間を気にせずお湯を堪能してみたいと思うと同時に、地蔵泉もこんな感じで良いお湯なのかなぁと、早く復活して欲しい願望が更に強くなってしまいました。

明礬って良いところなのだなと、改めて肌で感じることが出来た、素晴らしい一湯でした。

2007-10/9

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