静岡県

フレンドキャッスル (湯ヶ野温泉) ★4.0

ナトリウム-塩化物泉

静岡県賀茂郡河津町下佐ケ野351-2
0558-35-7539
男女別内湯
500円
9:00 – 22:00

遡ること1年ちょっと前の話。私の友人であり、このHPの掲示板監視員を勤めているakioさんが、「ずがに」なる食い物を食べたいと言って来ました。
ズガニ?なんだソリャ・・・?
聞けば、沢蟹の一種で、伊豆の一部地域で名物なのだとか。
うん、よく分からんけど、行こう。どこで食うかはakioさんに任せる!
と、言うことで、やってきたのが、ドライブイン友城と書かれたココ、フレンドキャッスルです。友城だからフレンドキャッスルなのね?
なんか、看板からしてかなりB級ムードが漂っています。

出てきたズガニなる食べ物、不味くはないけど、旨いかと言われても返答に困る代物。沢蟹らしいですが、こんな巨大な沢蟹はじめてみました。


珍味だな、こりゃ。分かる人には分かる味。これで日本酒飲めば旨いかも?
で、無事にズガニを食べて、店を出ようとした時、お店の玄関先に、温泉があるような事が書いてあるではありませんか!女将さんに恐る恐る聞いてみると、アッケラカンと「ありますよ」との事。


しかも立ち寄り入浴出来るそうで、1回500円との事です。う~ん、気になるなぁ。
でも、akioさんは非温泉マニアです。まして、有名綺麗所ならばともかく、ドライブインの温泉なんか、まったく興味無し。私の隣で早く行こうよと言うオーラを放っています。
結局、泣く泣く入浴を断念。また来れば良いさ・・・

そして帰宅後、どんな温泉なのだろうかと調べてみるも、ネットで入浴レポートが全然あがって来ないのです。
う~ん、なおさら気になる。akioさんを引っ叩いてでも、入っておけば良かった。
しかし、後悔先立たず、いつの日かきっと立ち寄ろうと堅く胸に誓いました。

そして月日は流れ・・・

この日、青森からTODI-Kさんが南下してくるとの事で、伊豆での湯めぐりをする事になりました。
行きたい所は数あれど、私はとにかく、このフレンドキャッスルが気になるのです!
半ば強引に行程に組み込み、立ち寄って見る事にしました。

さて、久しぶりに訪れたフレンドキャッスル。たった1年ちょっとで何かが変わる筈もなく、以前と同じ佇まいで私たちを出迎えてくれました。
お風呂に入れるか確認をしたところ、大丈夫との事です。昼食もついでに取ろうとなり、オーダーを済ませて、20分後にあがりますと伝えてから、お風呂へと向かいました。
浴室は食堂から階段を降りた先にあります。ちなみにここ、てっきりドライブインかと思いきや、宿泊施設も兼ねているようで、浴室へ行く途中に客室が並んでいました。

たどり着いた浴室は、内湯が2箇所。男女別の暖簾は下がっていません。どうやら貸切で使う物なのだろうと解釈。
中を覗いてみると・・・おぉ!?なかなか小ぶりで私の好みにあった浴室ではありませんか!


でも、湯船に張ったお湯を見ると、不自然に対流しています。うーん、見た瞬間に分かってしまう、循環湯船です。
事前情報が無かったので仕方が無いとは言え、ココに来たいと希望したのは私です。TODI-Kさんを始め、みんなに申し訳ない。
でも、来てしまった物はしょうがないと、2箇所に分かれてとりあえず入浴する事にしました。

お湯は無色透明です。見た目から分かるとおりに、循環がされています。光の加減と湯船のせいか、僅かに黄味がかって見えなくもありませんが、多分気のせいでしょう。
幸いな事に、塩素臭はしません。少しつるつるする肌触りがあるものの、それほど大きな特徴は無し。悪いお湯ではないものの、一言で「まぁ、こんなものかな」と片付けてしまいたくなるような、普通のお湯です。
仄かに潮臭のような香りを感じます。
湯船の一角には蛇口があります。これを捻ると、熱いお湯が出てくる訳ですが、このお湯は全く特徴を感じません。
成分表が無いので、この熱いお湯が沸かされている物なのか、源泉そのままの温度なのか、はたまた水道水なのか、さっぱり分かりません。
後で食事の時に女将さんに聞いてみよう。

何だかどうでも良くなりつつありましたが、急いで出ても、料理の都合があるし、予定通りに20分浸かろうと、まったり入浴。

暫くすると、隣の浴室で入浴していたNさんがこちらにやってきました。
じゃ、そろそろあがろうかと思い、脱衣所で服を着始めていたところ、Nさんが「湯口見ました?」「変わった所に湯口がありますね」と言うではありませんか。
そしてそのNさん、おもむろに窓を開けると、窓の外にあったパイプに、別のL字パイプを差込み、コックを捻ると・・・

なんと、ザバザバとお湯が注がれ始めました。おぉおお!ナンダソリャ!?
全く気付きませんでした!

思わず着替えをする手が止まってしまいました。とりあえず面白いから写真撮影。
凄い勢いでお湯が注がれており、何だか実に豪快です。試しに注がれるお湯を触れてみると、35度くらいの温めの物です。しかも、金気と潮が崩れたような温泉臭を感じます。
コレ、結構良いお湯ですよっ!?

改めて湯口を確認。これだけの湯量ならば、Nさんが差し込んだL字パイプが無くても、お湯は湯船に到達するだろうと確信。とりあえずL字パイプを外してみると・・・
ウヒャア!なんと、福島の微温湯温泉よろしく、お湯が水平方向に噴き出したではありませんか!!!
これには一同大爆笑!気がついたら、途中まで着かけた服を脱ぎ、湯船に飛び込んでいました。

2度目に浸かった湯船は、先ほどまでのつまらない循環風呂ではありません。
ただでさえ小さな湯船だというのに、この勢いで新湯が投入されたとなれば、多少の循環など誤差みたいな物です。
四方に飛び散るお湯のせいで、顔面が水浸しです。

それでも快適に浸かれるポジションを探そうと、浴槽内で場所を探していた私ですが、G氏が何を思ったか、お湯を顔面で浴び始めました。
コラ、何をする。そんな事をしたらさらにお湯が飛び散るではないか!
そして、そんなアホなG氏を、嬉しそうに写真に収めるTODI-K氏。うん、この人もアホだ。
暫く成り行きを見守っていると、G氏の後ろにN氏が並び、2人でお湯を顔面キャッチしはじめました。う~ん、何で私の周りにはアホばかりなのでしょう。

一人己の不遇を嘆いていたら、TODI-K氏が、「ジャケも加われ!」と、命令してきました。
え、なにそれこわい。

・・・で、結局、いい大人3人、顔面でお湯を浴びて大はしゃぎ。ワーイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワーイ

何だろうねぇ~・・・

とりあえず、akioさんに感謝。んで、窓の外湯口を発見したN氏に感謝。顔面でお湯を浴びて場を盛り上げてくれたG氏と、一行の中で唯一の真人間の私にアホをやれと指示してくれたTODI-K氏にも感謝。
そして何より、こんな面白いお風呂(多分使い方間違えているが・・・)を用意してくれていた宿主に感謝。

つまり、感謝感謝なのですなぁ。

世にも珍しい窓の外湯口と、実に愉快な仲間達のお陰で、最初はハズレかと思ったお風呂が、記憶に残る素晴らしい温泉になりました。
窓の外湯口が無ければ、Jake的評価は★3つです。でも、窓の外湯口と、実に愉快な仲間たちのお陰で、評価は★4つ!

もし私のレポを見て、行って見ようと思った酔狂な方がいましたら、是非気の置けない湯めぐり仲間とご一緒にどうぞ。そして、水平投入式の湯口を堪能してみて下さい。
独りで行ってしまうと・・・ちょっと寂しいかも、です。^^;

あ、そうそう、ここのお湯は、少し先にある湯ヶ野温泉からの引き湯だそうです、はい。

2010-2/6

コメント