市比野温泉鹿児島県

世界一温泉 (市比野温泉) ★4.5

単純温泉
56.8度 / ph9.4 / H6.10.28
Na+ = 76.1 / Cl- = 53.7 / SO4– = 19.8
HCO3- = 54.3 / CO3– = 11.7 / H2SiO3 = 55.7
成分総計 = 278.8mg

鹿児島県薩摩川内市樋脇町市比野1173-1
0996-38-1155
男女別内湯 ・ 露天風呂
500円
10:00 – 22:00

名前から怪しい、その名も「世界一温泉」です。
何がどう世界一なのかは分かりません。これはもう名乗ったもの勝ちです。
ネットでちょっと調べてみた限りでは、名前だけでなく、中身もかなりB級チックのようで、期待に膨らみます。

さて、その世界一温泉。まず、ナビでちゃんと出てくる事に驚きです。
ナビの案内どおりに走ると、途中から「世界一温泉」と書かれたのぼり旗が沢山でてきました。
一見するとただの旗ですが、なにせ、「世界一」ですからね。怪しさがプンプン伝わってきます。
案内通りに走ると、終に建物らしきもの発見。どうやら施設の裏手で、看板に大きく「世界一温泉」と書かれています。
建物に施設名が書かれているだけで、本来であればこれも不思議な光景ではありませんが、なんせ、「世界一」ですから、強い違和感を感じてしまうわけです。
その看板を横目に、駐車場がある方向へハンドルを切ると・・・

もう、車から降りる前だと言うのに、爆笑が止まりません。
なんか、凄いのです。これでもかと言う程の、石の置物の数!
五重の搭やら、七福神やら、可愛らしいものまで・・・とにかく、エントランス部分にはありとあらゆる石の置物が置かれ、溢れかえっています。
ここは園芸用品を扱うお店でもあるのでしょうか?はっきり言って、尋常な数ではありません。


たまに行く温泉で、面白い石の置物があって、それを見て喜ぶ事はありますが、ここはそんな所とは訳が違います。
有り難味が無い程の数で、中には草木に覆われ、自然回帰しつつある物まで!
これには驚きました。あまりに笑い過ぎてしまい、駐車場に車を停める際、アクセルとハンドルの操作を誤って壁に激突してしまうかと思ったくらいです。

さて、肝心のお風呂。受付は母屋で行い、お風呂は離れにあります。
脱衣所ですが、一見すると、普通のもの。ただ、細部を良く見てみると、違和感を感じるポスターが貼られていたりと、ここでもB級ワールドが炸裂しています。

浴室は、結構広い内湯と、小さいながらも露天がある、なかなか立派なものでした。
施設エントランス部分の置物に圧倒されていましたので、入った瞬間は、意外と普通で、ちょっと拍子抜けしてしまいます。

まずはお湯。無色透明で、無味無臭です。サバザバと掛け流されている様子で、鮮度は悪くありませんが、別に、特筆するような特徴を感じるものではありません。
一言で言うと、気持ちが良い単純泉です。勿論塩素臭はしません。
適温で、じっくりと入っている事が出来る、サッパリしたもの。浴後にベタつくような事も無く、温泉に入っているような感覚は乏しいですが、毎日入っても飽きる事が無さそうです。

細部をしっかり確認してみると、不思議な物が沢山出てきます。
まずは湯口。意外にもシンプルで、ちょっと期待はずれかな。竹のごくありふれたものです。ただ、その竹湯口の下には蛙の置物がありました。頭の上に竹湯口が乗っかる構図になっており、なんだかとても哀愁感が漂っています。
他にも、要所要所で不思議な石の置物があり、施設入り口の大バーゲンほどではありませんが、色々と見ていると楽しいです。
涼む為の場所でしょうか、ワニをかたどった石のベンチが置かれていました。
凝っていると言うべきか、あるから置いているだけと言うか・・・

と、これだけ書くと、「なんだ、お風呂自体は結構普通なのね?」と思われてしまいますが、実はまだあったのです。
世界一温泉のB級さを強烈にアピールする素晴らしいものが!

それがコレ、その名も電子風呂です。
まるで五右衛門風呂のような、ドラム缶状の湯船で、一人用サイズの物で、ステンレス製。
内側がピカピカと輝いており、それだけでも一種異様なのですが、それ以上に異様なのが、天井から吊るされ、お湯に刺さっている、電気のコードが一本。
「え?コレ感電するんじゃないの!?」と言うような代物で、どうやらこれが「電子風呂」の正体のようです。

死にはしないだろうと、恐る恐る入ってみたところ・・・
至って普通。普通のお風呂と何が違うのか、私が鈍いだけなのかも知れませんが、さっぱり分かりません。
銭湯なんかでたまに見かける、低周波でビリビリ来る物とも違います。
ただ目の前にコードがぶら下がっているだけです。
なんだか、騙されているような、怪しい人体実験に付き合わされているような、不思議な気分。
ふと、電子風呂の前にある張り紙を見たところ、「汗の出ない方は20分ほど浸かって下さい」とか書かれていました。
って、普通、20分も浸かっていれば、汗のひとつくらい掻く思われるのですが・・・

さて、私なりの結論です。
何をもって「世界一」とするかは、判断が難しいところですが、石像の数、怪しげな電子風呂など、B級な笑いを提供してくれた事においては、私が今まで入ってきたどこよりも優れていました。
ココを体験してしまうと、しばらくの間は、どんな置物を見ても笑えなくなってしまいそうです。


私の★での評価基準は、泉質とか諸々を考慮してのものですので、残念ながら高くはありませんが、もし「B級度合い」だけで評価したならば、★5つでは足りないほどです。
そう言う意味では、世界一と呼んでも良いのでは無いでしょうか?
B級温泉が好きな人であれば、万難を排してでも訪れる価値がある、途方も無くB級な一湯でした。

2007-10/7

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