千葉県

鷺沼温泉(鷺沼温泉) ★3.0

ラジウム鉱泉?

千葉県習志野市鷺沼1-14-15
男女別内湯
047-452-2523
入浴料 : 385円

国道14号線沿いにある温泉銭湯です。
一応大通りに看板が出ているものの、建物はそこから中に入った路地裏にあり、普通の人は気にしながら歩いていないと見落としてしまう、目立たない場所にあります。
尤も、かなり古い外観と怪しい場所にある事から、仮に看板に気が付いたとしても、いきなり飛び込みで利用するには結構な勇気が必要かと思われます。

建物ですが、歴史を感じる・・・というより寧ろ、ただ単に古いという印象を否めないバラック小屋です。
入り口用に引き戸が2枚あり、それぞれに「男湯」、「女湯」と、スプレーペイントで手書きで書かれています。
脇には鍵つきの下駄箱が用意されているのですが、何故かみんな靴を足元に脱ぎ散らかしていました。

中に入るといきなり脱衣所で、入ってすぐの所に男性用と女性用の脱衣所を挟むような形で番台があります。
見ようと思えば、番台越しに女性用脱衣所の一部が見えそうな気がしないでもない、とても古い造りをしています。
この番台に座っている御婆ちゃんに入浴料385円を払い、中にあがります。

脱衣所は、天井が高く、面積的にも広いのですが、とてもゴチャゴチャしていて実際よりも狭く感じます。
全体的に、昭和30年頃を連想させる、とてもレトロな造りをしています。
脱衣所内には、韓国か朝鮮の物と思われるポスターやらカレンダーが張られています。
チマ・チョゴリを着た女性だったり、風景だったりするのですが、それらのどれもがとても古臭く、室内のレトロさを更に強調しています。
番台の御婆ちゃんは在日朝鮮/韓国人なのかも知れませんね。
ハングル語で電話をしていました。

さて、早速服を脱ごうと思い、壁の棚に目をやったのですが、そこには常連が置いていったと思われる洗面道具が所狭しと並べられており、私の洋服を置けるスペースがありません。
足元を見ると、今お風呂に入っている人が脱いだと思われる服が詰まった籠が散乱していました。
そこで、転がっている籠のうち、空の物を見つけて自分の上着を入れると、居合わせた常連らしきオジサンに「他人のを勝手に使っちゃ駄目だよ!」「そこにある新しいのを使いな!」と怒られる。
指された指の先を見ると、番台の脇に籠が積み上げられていました。
他人の台所で調理をするような、何とも言えない居心地の悪さを感じつつ、とりあえず新しい籠に自分の洋服を詰め、浴室内に入る。

脱衣所ほどのインパクトは無いものの、浴室もなかなかレトロチックです。
壁には東海道五十三次のようなペンキ絵が書かれています。
15人分程のカランがあったので、早速壁側のカランに腰を下ろして蛇口をひねる。
アレ?お湯どころか水すら出ない。たまたま壊れているのかと思い、隣のカランに移動してみたけど、ここもお湯が出ない。
どうやら、カランは全て全滅らしいです。浴室の真中にあるカランにはシャワーが取り付けられているのですが、そのシャワーだけが生きていました。
ここでも使い勝手の違い右往左往してしまい、何だかとっても落ち着かない・・・

浴槽は向かって左右に2つあり、どちらも紅茶を濃くしたような黒湯で満たされています。
左側には「熱湯」「水で薄めるな!」みたいな事が書かれています。
手を入れて温度を確認すると、結構熱めで、およそ46度位でしょうか。
バテると帰りの車の運転がシンドイので、右側の温いほうに入る。しかし、温めとはいえ、そこそこ熱く、温度計で確認すると44度ありました。
湯船の傍に「ラジウム鉱泉」「血行を良くする」と書かれていましたが、これだけ熱ければ、沸かした真水でも血行が良くなりそうな気もします。

お湯に入った印象ですが、見た目程にクセがありません。
黒湯特有のヌルヌル感を感じましたが、黒湯にしては「こんなモンかな?」程度で、少し拍子抜けします。塩素っぽい感じはしませんでした。
二つの浴槽の真ん中には蛇口があり、ひねると源泉が出て来ます。
その蛇口のすぐ脇には飲泉用のコップがありました。どうやら飲めるらしいです。
とりあえず口に含んでみたところ、若干の甘みを感じる程度で、基本的には無味無臭。
見た目を気にしなければ飲みやすいかも?

お湯そのものにはあまり印象がありませんでしたが、とにかくその「古さ」が非常に色濃く印象に残った温泉銭湯でした。
正直、何度も足を運ぼうと思わせる場所ではありません。
しかし、この不思議な雰囲気は、他ではなかなか味わう事が出来ないと思いますので、興味を持たれた方は是非とも入ってみてください。
入り口の雰囲気で引き返したくなりますが、折角来て引き返すなんて、そんなの、モッタイナイモッタイナイ・・・

2005-3/6

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