アルカリ性単純温泉
長野県小県郡青木村沓掛428-3
男女別内湯
150円
9:00 – 21:00
沓掛温泉は、別所や田沢温泉の程近く、豊かな緑に囲まれた静かな所に沸く温泉です。
この沓掛温泉は平安時代に開湯し、長い歴史があります。かつては多くの旅館が立ち並んでいたそうですが、今ではひっそりと数軒の宿を残すのみとなりました。
今回私が利用してきた「小倉乃湯」は沓掛温泉の中心地にある共同浴場で、これまたひっそりと建ってます。
意識していないと、気づかずに通り過ぎてしまうかも知れないところです。
さて、この小倉乃湯ですが、入浴料が150円と、嬉しい共同浴場プライスになっています。
建物内には、休憩所や食堂など無く、お風呂だけという、これまた共同浴場らしい造りです。
浴室内には湯船が2つ。入って手前にある広い方には39度の源泉がそのまま掛け流されており、かなり温め。奥の小さな湯船には、加温されたお湯が掛け流されており、こちらは適温です。
どちらも透明であまり特徴が無いお湯ですが、所々白い湯花が浮いていました。
肌触りは少しツルツルで、癖が無いのでゆっくり入っていられそうな優しいお湯です。
面白いと思ったのが、お湯の臭いで、手前の源泉浴槽ではほとんど臭いがしなかったのですが、奥の加温された方に行くと、弱いながらも確かに分かる硫黄臭がありました。
これは温泉に限らず、食べ物でもそうなのですが、熱を加えた方が、水分が湯気となって空気中に分散する為、匂いが強くなるんですかねぇ。
少し勉強になったような気がします。
静かな山間にある、温めのお湯。
夏場なんかにゆっくり寛ぐと良いかも知れません。
蛇足ですが、共同浴場脇にも浴槽のようなお湯が張られた一角があり、洗濯場になっていました。
「選択料50円、漬菜洗料200円・・・」
なるほど、温泉で洗った野菜は美味しそうだなぁ、と思ってみていると、その中に気になる一文が。
「洗車料200円」
洗車?洗車ってやっぱり、車の!?
うーん。「温泉で車洗うって、車にとって悪いのでは?」という疑問もあるのですが、それ以前に、浴槽に車を横付けして洗車している光景を想像すると可笑しくてなりません。
とりあえず、洗車している光景を想像して短い小説を書いてみました。
初夏、外は割れんばかりの蝉の鳴き声。旅館に入り、浴衣を着て冷たいビールを飲み干すと、旅の疲れが少し癒えたような気がする。ふと時計を見るとまだ4時過ぎだ。夕食までの時間をどうやって潰そうか。
「そうだ。外湯に行って汗を流すか。」
私は宿から借りた下駄を履き、寂れた温泉街を歩く。共同浴場はもうすぐそこ・・・って、「うわっ!なんか、汗だくになって車のシャンプーしてる人いるし!」「ア、車に水をザバザバかけてる!オイ、泡がコッチまで跳ねるよ!あああ!足元水浸し!」
・・・うーん。風情台無し。
2005-9/18
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