いわき湯本温泉福島県

喜楽苑 (白鳥山温泉) ★3.0

含硫黄-ナトリウム-塩化物・ 硫酸塩温泉
(常磐湯本温泉 湯元温泉源泉)
59度 / ph8.1 / H12.11.29
Na+ = 523 / K+ = 16.2 / Ca++ = 59.8 / Sr++ = 0.8
Cl- = 556.6 / F- = 5.3 / Br- = 2.1 / HS- = 9.5
SO4– = 390.3 / HCO3- = 106.9 / CO3– = 6
HPO4– = 1.9 / H2SiO3 = 45 / HBO2 = 15.2
H2S = 0.8 / 成分総計 = 1743mg

福島県いわき市常磐白鳥町勝丘119
0246-43-2227
男女別内湯 ・ 露天風呂
1500円
8:30 – 15:30

いわき湯本温泉から車で5分程の所にあるお宿です。
つい先日春木屋さんを利用したのですが、その春木屋さんのお隣にある、日本秘湯を守る会の会員宿です。
一応小高い丘の上にありますが、すぐ近所には畑があったり、住宅街があったり、高速のICからも近いです。何でここが秘湯なのだろう?
ちなみに、春木屋さんは「白鳥温泉」を名乗っておりますが、この喜楽苑さんでは、それに山がつき、「白鳥山温泉」となっております。
何が違うのかは良く分かりませんが、2つの宿に敬意を表し、当HPではそれぞれが名乗る温泉地名で紹介したいと思います。
(私は温泉地での入浴カウントはしていませんので、あまり関係無い話なのですケド^^;)

その喜楽苑さん。この日はいわき湯本で開催されているフラオンパクの湯めぐり企画で利用させて頂きました。
1500円の入浴手形を買うと、3箇所に入れます。一箇所500円。他所の温泉地の手形に比べると、ちょっと高いです。
でも、普段立ち寄り入浴が出来ない施設にも入れたりするので、これはこれで、魅力的な企画なのです。
この喜楽苑さんは、普段でも立ち寄り出来るようですが、通常だと1500円もします。
受付でご主人にも「500円なんて金額で入れてあげるんだから、ウチは赤字だよ!」とボヤかれてしまいました。
利益が少なくなるのは当然にしても、私がお風呂に入る事で、500円以上のコストが発生するのでしょうか?ちょっと不明ですが、利用させて頂ける事に対しては、素直に感謝したいです。

さて、この白鳥山温泉、いわき湯本の源泉を引湯していますが、それとは別に、鉱泉があるのです。
是非鉱泉にも入ろうと思って、ご主人に鉱泉のお風呂の場所を聞いてみたのですが、立ち寄りだと温泉しか駄目と言われてしまいました。
う~ん、いわき湯本のお湯であれば、どこでも入る事が出来るので、鉱泉の方に価値があるんだけどなぁ。まあ、そういう決まりごとであれば、仕方が無いです。

と、言う事で、お風呂。温泉に入ろうと館内を歩いていたら、素でを迷ってしまい、入ってはいけない鉱泉を発見してしまいました。スミマセン、ワザとじゃありません。
折角だから見学だけ。無色透明で、循環されています。塩素臭はしません。手を入れてみましたが、それだけだとお湯の特徴が分かりません。
蛇口があり、これを捻るとどうやら源泉が出るようです。出してみた所、僅かに温泉臭を感じるお湯です。
口に含むと少しだけ酸味がある気がします。多分春木屋さんと同じか同系列の源泉でしょう。成分表などは発見出来ませんでした。
本当はじっくり観察したかったのですが、ご主人に見つかると怒られてしまいそうなので、早々に退散。う~ん、目の前でお預けなんて、ちょっと残念。

気を取り直して温泉を引いているお風呂へ移動。男女別の内湯と、混浴の露天があります。
内湯と露天は離れているので、裸で行き来する事は出来ません。
他に利用者がいなかったので、まずは露天から利用させて頂きました。

露天は、建物の廊下から階段を降りた所にありました。混浴ですが、脱衣所は男性用と女性用で分かれています。
ただ、湯船自体はさほど大きくないので、女性にとっては利用し辛いつくりです。
湯船はコンクリートと岩で組まれており、何とも手作り感が溢れる物です。
掛け湯すると、お湯が全部湯船に逆流します。
一部が洞窟状になっており、また、緑に囲まれたロケーションも手伝って、なかなか良い風情が出来上がっていました。

さて、肝心のお湯。ほんのり緑がかった透明のお湯です。いわき湯本からの引き湯との事で、僅かに硫黄臭を感じます。
ただ、いわき湯本本来のお湯からは程遠く、単純硫黄泉かと思う程に、浴感や臭いが薄く感じます。

湯船に浸かって最初に気付いたのは、浴槽内でお湯が物凄い勢いでかき回されており、お尻が落ち着かない事です。
どうやら循環がされているようで、循環口から強い勢いでお湯が注がれており、まるで流れるプール状態です。これはちょっと落ち着かないです。
仕方が無いので、浴槽内のお湯が流れにくい、洞窟の中に避難。
でも、ココはココで・・・今度はお湯が流れずに溜まってしまったのか、お湯の表面にゴミが浮き、その上泡だっていて、不衛生な状態になっていました。
コレはちょっと・・・
その洞窟の一部が湯口にもなっており、そこから源泉が注がれているようでしたが、あまり良い気分はせずに、早々に上がってしまいました。
見た目の雰囲気は結構良いので、もう少し作りこみが良ければと、少し残念。

内湯は、ちゃんと男女別に分かれています。
入って左側に湯船、右手前に洗い場と言う、シンプルな造りをしていました。
湯船に張られたお湯は、僅かに緑色を帯びた透明な物です。暫く誰も入っていなかったのか、お湯の表面は鏡のように静かになっており、湯船からあふれ出たお湯が洗い場に流れ去っています。
一見すると掛け流しです。

湯温は適温です。露天のような不純物は無く、また、流れるプールのような強烈な水流もありませんので、落ち着いて入ることが出来ます。
お湯からは僅かな硫黄臭を感じ、これはこれで、悪くはありません。
ただ、少し残念な事に、こちらのお湯も、浴槽の中で循環がされていました。
所謂、循環併用の一部放流式と言う奴らしいです。(ややこしい)

いわき湯本のお湯を知っている立場から評価すると、個性がかなり失われてしまっていると言わざるを得ません。
いわき湯本のお湯は、もっと濃く、ガツンと入り応えのある力強いものなのですが、このお湯はアメリカンで、アッサリしていて癖を感じません。
好意的な表現をすれば、入りやすいお湯です。でも、正直私には物足りないです。
幸いにして塩素臭などはしません。また、湯口からは強い硫黄臭を放つ源泉も
注がれていますので、源泉そのものの特徴を確認する事が出来るのが救いでした。

正直な感想、いわき湯本のお湯を純粋に楽しみたいのであれば、湯本駅周辺で立ち寄りをした方が、幸せになれると思います。
貴重な鉱泉には、立ち寄りでは入る事が出来ません。
泊まりであれば、食事や接遇など、トータルで楽しむ事が出来るかも知れないと思いました。

2010-1/22

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