含石膏弱食塩泉
南津軽郡碇ヶ関村西碇ヶ関山1-467
男女別内湯
0172-46-2533
古遠部温泉は、温泉好きの間でもかなり有名な秘湯です。
お恥ずかしながら、私は宿泊の3~4ヶ月前に知りました。
GWに宿泊をしたのですが、宿の予約を入れたのは、その2ヶ月ほど前。
「5月2日に予約をしたいのですが・・・」
「ありますよ。山の中の湯治宿で、周りには何もありません。それでも良いですか?」
「勿論結構です。お願いします。」
と、言ったようなやり取りをしたのを覚えています。
「山の中で周りに何もない湯治宿」
なんて言われると、余計にワクワクしてくるのは、私だけでしょうか?
いよいよ宿泊当日。途中、八甲田山の「谷地温泉」やら「蔦温泉」に寄り道をしていて時間がかかってしまい、到着は夕食時刻の5時を過ぎた、5時20分頃になってしまいました。
他のお客さんは既に夕食を始められているみたいで、私達も急いで食堂へ向かう。
「流石に料理は冷えてるかな・・・?」と、少し覚悟していましたが、ちゃんと作りたてを用意して貰え、とても美味しく晩御飯を頂くことが出来ました。
なお、この日の献立は、地の山菜などを使った天麩羅、川魚、きりたんぽ鍋、などです。
旅館で食べる食事にはこだわらないので、あまりちゃんと覚えていませんが、どれも出来たてで暖かく、質素でしたがとても美味しかったです。
さて、食後は勿論お風呂・・・
しかし、実は宿の風呂に入らず、いきなり外出して「湯ノ沢温泉郷」の3軒に日帰り入浴をして参りました。(秋元温泉、湯の沢山荘、なりや旅館)
実にヒドイ話だと思いますが、スケジュール的に仕方が無かったのです。。。
事前に外出許可は取っており、9時過ぎには宿に戻りました。
湯ノ沢温泉の濃いお湯で体力を消耗しきった私。暫くの間休憩してから、体に鞭を打つようにして、古遠部温泉の内湯に向かいました。
正直、「シンドイな~!」と思いつつ、「ここまで来て入浴しないまま寝る訳にはいくまい」と、自分に言い聞かせながらの入浴です。
浴場は男女別の内湯が一つあるだけです。
露天や家族風呂など、そんな気の利いたものはありません。
浴室に入ってまず最初に目に飛び込んでくるのは、物凄い勢いでお湯が溢れている湯船です。そこらじゅう水浸し、ならぬ、お湯浸しになっており、洗い場は深さ3cm程の小川になっていました。
さっきまで疲れていた私ですが、その光景を見た瞬間に疲れが吹き飛んでしまいました。
試しに、湯船に入ってみる。湯船からは、私が入った分だけお湯が溢れる。
次に、湯船から出てみる。当然、私がいなくなった分だけ湯船の湯量が減るので、一時的に湯船からお湯が溢れなくなります。
普通の温泉だと、仮に湯量豊富で「気持ちの良い掛け流し」と評される所でも、私ひとり分のお湯を補う為には、1分とか2分とか、多少の時間を要します。
しかし、ここ古遠部温泉では、僅か10秒程度で、湯船から再びお湯が溢れだしました。
信じられない光景です。嬉しさのあまり、思わず何度も出たり入ったりしてしまいました。(我ながらガキですな・・・^^;)
お湯は鉄分と炭酸を多量に含む、含石膏弱食塩泉です。
臭いは鉄臭。飲むと、鉄と炭酸の混じった味がしました。僅かながら塩分も感じます。
お湯にじっと入っていると、体中の毛に泡が付きます。
ただ、他の方のレポートだと「すぐに泡だらけ」と紹介されている所も多くありますが、私の時は、「じっとしていると泡が付く」程度でした。
湯上りは汗がさっと引く、とても気持ち良いお湯で、さっきまでの疲れが嘘のように吹き飛んでしまいました。
湯船42.5度、湯口44度で、温い温泉ではないのですが、炭酸成分のせいか、湯上りはヒンヤリと涼しく、入っていてもあまり疲れを感じません。
結局、寝る前に2度、朝1度入浴をし、短い時間でしたが、思う存分に古遠部のお湯を堪能する事が出来ました。
なお、ここにはカランやシャワーは無く、シャンプー等の備え付けもありません。
所謂、湯治専門の浴室で、テレビに出てくるような温泉旅館をイメージして入ると、ガッカリする事請け合いです。
その代わりと言ってはなんですが、湯口脇には飲泉用のコップが置いてありました。
温泉好きには堪りませんね~!
あぁ、ここに宿泊できて良かった・・・
と、しみじみ思うことが出来る、とても良い温泉でした。
あ、蛇足ですが、ここの旅館は、神経質な方や潔癖症な方の場合、日帰り入浴で
済ませた方が無難かも知れません。
簡単な理由は以下の通り。
・部屋に鍵がかからない
・天井裏にネズミが走ってる
・虫たちと相部屋
・ミシミシ言う、ウグイス張り仕様な床
・ボットン便所
以上でございます。。。
ただし、日帰り入浴を受け付けている時間帯は、いつ行っても混んでいるので、あまりゆっくり堪能出来ないかも知れません。
<2005-5/2 初訪問時のレポート>
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