北海道

二股らぢうむ温泉旅館 (二股らぢうむ温泉) ★5.0

ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉
(源泉名:二股温泉 1A・B・2・3・4・5・6・7号の混合)
44.3度 / ph7.1 / 動力揚湯 / 毎分400L / R1.9.9
Na+ = 1805 / K+ = 627.6 / NH4+ = 2.3 / Mg+ = 148.4
Ca+ = 609.7 / Al+ = 0.2 / Mn+ = 3.0 / Fe+ = 4.8
F- = 0.5 / Cl- = 3930 / I- = 3.5 / SO4- = 93.6
HCO3- = 1514 / CO3- = 1.4 / NO3- = 0.8
H2SiO3 = 84.2 / HBO3 = 207.6 / CO2 = 157.5
成分総計 = 9190mg

北海道山越郡長万部町大峯32
01377-2-4383
男女別内湯、混浴内湯・混浴露天風呂・混浴プール?
大人 1100円、子供 500円
7:00 ~ 18:00

昔から名前を聞いた事があって、一度は行ってみたいと思っていた所がこちら、二股ラヂウム温泉です。
昔からっていつから?って話ですが、それこそ趣味で温泉めぐりをする以前からです。
電車の中吊りだったか、雑誌の広告だったか、ハッキリと覚えてはいませんけど、万病に効く奇跡の温泉みたいに紹介されていたんですよね。
へ~、そんな所があるのかぁ、みたいに思っていました。

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ということで、満を持して、やっと訪れる事が出来た二股らぢうむ温泉。
だいぶ山の中に入った、まさに秘湯って感じの場所にあります。
でも、建物の外観は思っていたような山小屋風では無く、何と言うか・・・ 普通ですね。
建物だけ見ても秘湯感は一切感じません。
外観で唯一秘湯っぽさを感じたのは、一枚板に書かれた看板だけかな?

内部は飾り気とか全く無い、いかにも湯治宿って感じです。

ちょっと面白いのが、入口にある券売機です。
日帰り入浴で券売機を利用するのは普通ですけど、宿泊の場合でも券売機なんですよね。
同じ宿泊でも、料金が細かく分かれているので、どのボタンを押せば良いのかサッパリ分かりません。
ちなみに私の時は、受付の女将さん?に現金を渡したら、女将さんが券売機で購入してお釣りを渡してくれました。

さて、早速お風呂、、、 と言いたい所ですが、到着が予定よりも遅くなってしまったので、急いで荷物を部屋に置いてからの夕食です。

今回利用させて頂いたお部屋は2階の一番奥。
長い廊下を歩いた先にあるのですが、なんか、廊下が凄く暗いです。
節電の為なのかな? 廊下だけでなく、館内は全体的に薄暗いんですよね。
私はこういう雰囲気って、好きとは言わないまでも、結構楽しめてしまうのでアリなのですが、駄目な人はきっと駄目なんでしょうね~

部屋はシンプルかつ質素ですが、必要にして十分です。
冷蔵庫無し、北海道と言う場所柄でしょうけど、冷房もありません。
布団の上げ下げはセルフです。

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食事は食堂で他のお客さんと一緒に頂きます。
提供時間が17:30からの1時間と短いので注意。
慌てて食堂に飛び込んで、何をどうすれば良いか分からない私を見て、先客のひとりが「そこでご飯と味噌汁をついで、このテーブルに座ると良いよ」と親切に教えてくれました。
常連さんかな? もしくは、湯治で長い事滞在されている方かも知れません。
普通の旅館には無いような、アットホーム感があります。

食事の中身ですが、事前に聞いていた通り、かなり質素です。
温泉旅館で食べる夕食だと思うと「何だコリャ!?」ですけど、湯治場の夕食だと思えば、まぁ、こんなモンでしょうね。

なお、券売機の金額を見る限りでは、夕食は850円だそうです。
ごはんと味噌汁のおかわり自由の定食が、たったの850円!
そう考えたら、悪く無いどころか、とってもリーズナブルです。
味は見た目通りです。可もなく不可も無く。

食堂内の様子は、食べる為だけの場所って感じなので、お酒を飲みながらゆっくりする雰囲気はありません。
ゆっくり飲みたいのであれば、途中のコンビニなどでオツマミを買って、部屋に籠っていた方が良さそうですね。

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で、お腹も満たされたし、いよいよ温泉です。
長い廊下と階段を降りた先にあります。

この廊下も電気が消えていて薄暗いのです。
本当にこの先で合っているのかな?って、ちょっと不安になりますが、人感センサーがついているので、歩いていると勝手に電気が点きます。
自分が歩く先に電気が灯るって、なんだか不思議な気分です。

いずれにせよ、誰もいないのに電気つけっぱなしは無駄ですからね、とってもエコです。

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まず最初に入ったのは、男湯です。
男湯の入口に、何故か「アイドリングを絶対にやらないで下さい!」と張り紙がされています。
何故ここでこの張り紙?って思わなくもありませんが、旅館の入口にでもアイドリング禁止の張り紙があったんですよね。

多少のCO2なんて、周辺の樹々が吸収してくれるであろう、大自然に囲まれた旅館が、色々と環境配慮しているというのに・・・
深夜でも煌々と電気がついている、都会から来た私としては、ちょっと胸が痛みます。

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まぁ、気を取り直して、お風呂です。

入って正面に湯舟、右手側に洗い場がありました。
洗い場は汲み置き方式。
なんか良いですよね、素朴で。

そんな洗い場を脇目に、湯舟の方に目をやってみたら、ん? なんか表面に湯花が浮いて膜状になっています。

この膜状になる湯花は、滅多に無いですけど、他所の温泉でもたまに見かける事があります。
他所の温泉にある湯膜状の湯花は、手で擦ると溶けて無くなるのですが、ここのはいつまでも溶けません。
ずっとジャリジャリしているんですよね。なんだか不思議なお湯です。

脱衣所から向かって、左側は適温、右側は温めです。
お湯の底にはジャリジャリ湯花が沈殿していて、中でも大量に舞っています。
それらが溶けずに浮遊しているので、入っているとなんか、くすぐったいような感覚に襲われます。
肌をさするとその湯花がジャリジャリするんですよね。
この肌触りはかなり珍しいです。と言うか、例えば本物の砂利の混じる野湯等は別物として、ここまでジャリジャリする泉質の温泉って、他にどこかあったかな?
ぱっと思いつきません。

お湯からは僅かに潮臭ににた成分臭。
湯口で嗅ぐとハッキリわかる金気臭がするのですが、浴槽内のお湯からは金気臭をほとんど感じないから不思議です。
当然ですが塩素臭はありません。
湯口のお湯を口に含んでみた所、はっきりわかる塩分と金気味。

湯舟の縁が温泉の析出によって模様が出来ていました。
不思議な魅力のある気持ちの良いお湯です。

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続いて混浴風呂へ。
脱衣所は男女別ですが、男性用脱衣所の中に「女」と書かれた暖簾があります。
一瞬、間違って女性用の脱衣所に入ってしまったのかと、焦りました。

女性用の脱衣所は別にちゃんと入口があり、服を脱いだ女性はこの暖簾の奥から出て来て、男女同じ階段を降り浴室に行く造りです。

薄暗い階段を降りて行くと、まず最初に辿り着くのは、広々とした内湯です。
階段から降りて、左手前と奥に湯舟がありました。

張られているお湯は一緒で、湯使いによる温度の違いだけです。
階段から降りて手前の湯舟は通常浴槽で、湯口側が熱めで44度位、その隣が適温の42度程でした。
ここのお湯もジャリジャリ系。
湯舟の底が深いので立った状態で半身浴出来ます。

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階段から降りて奥の湯舟は温めで、浅いので寝湯のような入り方が出来ます。
湯量が少ないので、鮮度と言う点では劣りますが、これはこれで体への負担少なく入る事が出来るので気持ちが良いです。

湯口付近にミニ温泉ドームが出来ていました。
ジャリジャリする温泉成分が固まった結果なのでしょうね。

ふと湯舟の脇を見るとホースが2本。
一本はですが、もう一本が炭酸水とあります。
試しに口に含んでみたところ、僅かな塩味と、ハッキリと分かる炭酸を感じました。
これはこれで別源泉なのでしょうね!
温度は低いですが冷水って程では無いので、炭酸泉の水風呂があったら気持ち良さそうです。
湯量が足りなくて作れないのかな?

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続いてプール風呂と露天風呂。

う~ん、電気が点いてないので、内湯から漏れる光だけが頼りです。
徹底されたエコっぷりですね!
真っ暗でほとんど何も見えません。

暗闇の中で広々としたプールは、ちょっと、悲しい気分になります。
露天は逆に、真っ暗闇の中で入るのも新鮮で、心落ち着いて気持ちが良かったです。

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折角なので、早朝にもう一度入りました。
夜中のうちに入る人が少なかったせいでしょうか、階段から降りて手前の湯舟に盛大な膜が張っていました。

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昨晩は全容が見れなかった温泉プールと露天もリベンジです。

プールは、しっかり深いので泳ぐ事も出来ますが、歩行浴などが目的なのでしょうね。
湯治場として、リハビリなどに利用されているのかもしれません。

昨晩は暗がりで何も見えなかった露天ですが、朝来てみたら絶景でした!
温泉成分が固まった石灰華ドームが目の前に広がっています。

湯舟に張られたお湯は温めで、ゆっくりとお湯に浸かりながら、目の前に広がる雄大な光景を眺める事が出来ます。

手前は通常浴槽、奥は寝湯で浅く造られていました。
この景色を見ながらぬるいお湯に浸かっていたら、時間が幾らあっても足りなくなりますね。

出来れば時間なんて気にせずゆっくり入っていたかったのですが、この日は早朝にチェックアウトして金華湯アタックを予定していたので、後ろ髪を引かれながらこの場を後にしました。

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念願叶って訪れる事が出来た、二股らぢうむ温泉。
万病に効くのかどうかはともかくとして、物凄く特徴的で珍しいお湯でした。

今回は夕方ギリギリの時間に訪れ、朝は5時過ぎに出発してしまいましたので、ずいぶんと慌ただしい滞在でした。
とても良いお湯でしたので、本当であればもう少しゆっくりと寛ぎたかったところです。

機会を見つけて是非ともまた再訪したい、素晴らしい一湯でした!

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2023年 9月1日 - 初訪問・宿泊(夕食のみ)

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