北海道

祝梅温泉 (祝梅温泉) ★4

最終入湯日 : 2008-7/21

アルカリ性単純温泉?

北海道千歳市祝梅2142
300円

千歳市にある温泉です。この祝梅温泉、廃墟系だとか、入り口にボーリングのピンが倒れているだとか、度々話題にあがるB級施設で、とても気になっていたのです。
しかし、いかんせん、場所は北海道。おいそれと行けるような場所ではありません。
いつか行こうと期待していた矢先、なんと、火事で浴室が全焼してしまったとの訃報が飛び込んできました。
あぁ、何てことでしょう!また未湯のまま廃業してしまった温泉がひとつ。安部城の悪夢が蘇ります。しかしまあ、無いものは無いで仕方が無いです。
諦めようと、忘れかけていたのも束の間。復活の知らせが飛び込んできました。なんとラッキー!
と言う事で、行くのを楽しみにしていたのですが、その朗報を聞いて数ヵ月後、再び燃えてしまったと言う知らせが・・・
あぁ、今度こそもう駄目だ。縁が無いとはこう言う事を言うのだなぁ。悲しみを堪えていると、なんと、再び復活したと言う知らせが!
なんだかよく分からないけど、行こう! と、いう事になり、2度も諦めた温泉に奇跡的に入る事が出来ました。

そんなこんなで、念願叶ってたどり着いた祝 梅温泉。北海道在住の友人に運転して貰い、事無くたどり着くことが出来ましたが、ハッキリ言って普通に探したのではたどり着けないような、何も無い場所にあります。
途中に看板など無く、廃材置き場のような所に「←祝梅」と書かれた小さな看板がひとつ。かつては施設脇に横たわっていたと言う巨大なボーリングピンが、その小さな看板の脇にしっかり建てて置かれていました。
このボーリングピンは祝梅のトレードマークなのかな?ピンに対する、施設主のただならぬ拘りを感じます。

施設は、周囲に廃材が沢山詰まれた、およそ温泉施設があるとは思えないような、不思議な場所にあります。こういう言い方をするのもなんですが、これだけ色々とあれば、火事が発生しても不思議はありません。
2度目の火災は、浴室部分まで及ばなかったのが幸いですが、建物の半分が焼けてしまったようで、今でもその面影が生々しく残っていました。

内部は少し薄暗い感じですが、中に入ると、管理者のおばあちゃんがいます。
「どうぞどうぞ」と、とても感じ良く、外見からして少しビビッていた私にとっては、その優しい対応が何よりもの救いでした。
それにしても、手作り感があふれる建物です。男性用と女性用の入り口扉が違うんですね。
ご主人が自分で建てられたのでしょうか・・・

お風呂は内湯のみです。外観からの期待を裏 切らない、実に手作り感溢れる、素朴な物。
最初の火災で建物が全焼してから再建され、まだ間もない筈なのですが、既に50年以上経っているのでは無いかと言うような年季を感じます。
湯船についている手すりがベッドヘッドでした。このベッドヘッドも、まさか片足を温泉に突っ込むセカンドライフが待っていようとは、夢にも思わなかった事でしょうね。

さて、お湯。ウーロン茶色をした典型的なモール泉と言う印象です。ツルツルしていて柔らかい物。お湯は40度程度で温めです。思わずお湯に浸かってまどろみたくなってしまいます。
鮮度はあまり宜しくないのですが、良いお湯です。ほんのりモール臭と鉱物臭がして、甘い硫黄臭も僅かながら感じます。新鮮であるに越したことはありませんが、ココは不思議な風情を楽しみながら入りたい所なので、あまり気になりません。

源泉温度が低い為、どうやら沸かされている模様。お湯も溜まりきっていません。
もう少したふたふな状態で入りたく、ホースのついた源泉の蛇口を捻ると、冷たい源泉が出て来て来ました。
少々冷たいのを我慢してかぶってみたところ、冷たいけど気持ち良い!
ツルツルする感じが湯船の物と比較にならず、甘い硫黄臭がとても強く感じます。
源泉浴槽とかあったら、夏場はさぞかし気持ちが良いでしょうね。

B級な風情も良いけど、お湯も侮れないと思いました。今回はタイミングが悪く、少しお湯がなまっていた感じが否めませんが、是非もう一度再訪してベターな状態のお湯を味わってみたいものです。

何はともあれ、来ることが出来て本当に良かった一湯です。
今後もめげずに頑張っていって欲しいと思いました。

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