カルシウム・ナトリウム-硫酸 塩泉
成分表未確認
福島県郡山市逢瀬町休石29
024-957-2620
男女別内湯
300円
9:00 – 21:00
郡山から車でおよそ30分。静かな山の中にある素朴な鉱泉宿です。
宿の正面アプローチは、つい先日訪れた、宮城県の金山温泉「支倉旅館」と非常に良く似ています。
お宿に入り、入浴をお願いすると、「一回ですか?」と聞かれました。
お風呂に一回きり入るだけか、個室などを取って休憩しますかと言う意味のようです。
一回だと告げ、入浴料金の300円を支払いました。
どうも、この辺りでは、一日滞在して何度も出たり入ったりしながらゆっくり過ごす人が多いようですね。
このお宿は、とても静かで、まさにそんな事をするのにうってつけのような感じです。
お風呂は男女別で内湯のみです。鉱泉なので、お湯を沸かしています。
ただ、脱衣所に入った段階で、既にふんわりと硫黄の香りがしているではありませんか。
どんなお湯だかワクワクしますね。
浴室に入ると、なんと、光り輝く湯船がお出迎えしてくれました。
何のことは無い、外から差し込む光がお湯を照らしているだけなのですが、浴槽の青いタイルが眩しい程にキラキラと反射し、神々しいまでの美しさです。
お風呂には先客のおじいさんがひとり、光に照らされて、気持ち良さそうにお湯に浸かっておられます。
このおじいさん、神の化身か、山から降りてきた仙人か・・・そんな妄想まで飛び出してきてしまう程の美しい光景で、思わず息を呑んでしまいました。
さて、お湯。適温に調整されています。
所々に白い湯花が舞う物で、肌触りが少しツルツルして、柔らかい印象を受けます。
お湯からはそれほど強くは無い物の、はっきりと分かる硫黄臭がします。
湯口からは素手でギリギリ触れるか触れないか程度に熱いお湯が、少量ずつ注がれています。
本当であればもっと湯量が欲しいところですが、沸かしであると言う事を考えると、贅沢を言う事は出来ません。
循環などはされておらず、しっかり掛け流しですが、鮮度はまずまずと言った所です。
あまり多くの人が出入りすると、すぐに駄目になってしまいそうです。
湯口のお湯を口に含んでみた所、しっかりと硫黄味がしました。甘みと苦味が良い具合に混ざった、美味しい味です。
循環などに頼らず良いお湯を提供して下さるお宿の姿勢に頭が下がる思いです。
それにしても、この神々しさは、美しすぎますね!
お湯も悪くはありませんが、それ以上に、この宝石のような輝きにすっかり魅入ってしまいました。
もしコレが夜中に訪れていたりしたら、全然違う印象になっていたかも知れません。
意図せずでしたが、この時間このタイミングで訪れる事が出来た事を温泉の神様に感謝したいと思った一湯でした。
2008-3/9
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