ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉
(源泉名:湯ノ里4号井(甲))
48.8度 / ph6.6 / R4.11.2
Na+ = 705.6 / K+ = 109.1 / NH4+ = 0.8 / Mg+ = 53.6 / Ca+ = 119.3
Mn+ = 0.2 / Fe+ = 2.4
F- = 1.4 / Cl- = 887.4 / SO4- = 0.4 / HCO3- = 1051 / Br- = 2.3
S2O3- = 0.4 / CO3- = 0.3 / H2PO4- = 0.1
H2SiO3 = 57.3 / HBO3 = 19.5 / CO2 = 268.3
成分総計 = 3325mg
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉
(源泉名:湯ノ里2号井(丙))
62.9度 / ph7.0 / R4.11.2
Na+ = 731.5 / K+ = 115.2 / NH4+ = 1.1 / Mg+ = 56.3 / Ca+ = 124.6
Mn+ = 0.2 / Fe+ = 2.4
F- = 1.6 / Cl- = 947.4 / SO4- = 48.1 / HCO3- = 1103 / Br- = 2.4
S2O3- = 0.3 / CO3- = 0.8 / H2PO4- = 0.1
H2SiO3 = 57.3 / HBO3 = 20.2 / CO2 = 219.9
成分総計 = 3432mg
北海道上磯郡知内町湯ノ里284
01392-6-2341
男女別内湯・貸切風呂(要予約)
大人 800円、 小人 500円、 幼児 300円
7:00 ~ 20:30 (繁忙期は時間短縮、要確認)
前日宿泊した函館の湯の川温泉から車で1時間ちょっと、渡島半島の西側にひっそりと佇む温泉宿です。
ハッキリ言って、周囲には何もありません。
強いて言うならば、近くに青函トンネルの出口があり、トンネルを抜けて出て来る新幹線を眺める事が出来る事くらいでしょうか・・・?
鉄道好きには堪らない場所なのかも?
さて、そんな所にある温泉ですので、秘湯らしく日本秘湯を守る会の提灯がぶら下がっていました。
たまに「ここのどこが秘湯なの!?」と、思わずツッコミを入れたくなる所が参加している事がある同会ですが、ここは秘湯で間違いないと思います。
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入浴代は大人800円。北海道の温泉としては、ちょっとお高い印象。
ちょっと不思議なのが、11枚綴りの回数券が5000円な事です。
元々の入浴代が500円だったかどうかは知りませんけど、入浴代だけ値上げして回数券の料金は据え置きにしたのかな?
お風呂は3箇所あります。
上の湯と下の湯の2箇所と、混浴の露天風呂もあります。
露天風呂は以前は普通に入れたそうけど、今は予約制で貸切風呂になっているみたいですね。
入れるならば入りたかったですが、今回はパスして上の湯と下の湯の2箇所を利用しました。
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まず最初に入ったのは下の湯です。
全体の雰囲気がとても渋いのですが、何よりも目を引くのは床の析出アートです。
この手の析出アートは重炭酸土類泉でたまに見かけます。
すぐに思いつくもので、同じ北海道だとホロカ温泉、東北だと秋田の矢立赤湯、山陰だと島根の中村旅館(湯抱温泉)、遠く離れた九州であれば熊本の大洞窟の宿 湯楽亭(弓ヶ浜温泉)や鹿児島のテイエム牧場温泉、宮崎の城山温泉(廃業)などなど。
他に書き忘れている所沢山ありそうですが、視覚的に面白いので私は大好きです。
肝心のそのお湯ですが、所謂「土類系」と呼ばれる特徴そのものです。
ほんのり金気臭と炭酸臭。しっとりペタペタ系の肌触りがあり、お湯から上がっても温泉成分がべったりと体に纏わりついているような感じがします。
茶褐色で、僅かに濁っており、湯底は辛うじて見えない程度。
湯舟に張られたお湯は温めで、向かって左側にあるのは寝湯です。
入口にあった説明によると、下の湯の方が源泉から近い所にあり、体が温まるのだそうです。
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続いて上の湯。
下の湯と上の湯はフロントを挟んで真反対の場所にありますので、はしご湯をする場合は一度服を着て移動する必要があります。
途中で「女将の湯」なる暖簾を発見。
一瞬「あれ? この先は女湯か!?」と思いましたが、上の湯に「お」を書き加えて「女将の湯」なのでしょうね。
おもわずホッコリ。
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お風呂は直前に入った下の湯と同じで、足元は析出物で千枚田のようになっていました。
少しだけ違うのは、良く言えば素朴で昔ながら、悪く言えばボロっちい(私からしたらボロっちいは誉め言葉なんですけど)下の湯に比べて、こちらはなんか、照明がダウンライトだったりして、ちょっとお洒落です。
お湯は下の湯と同じ茶褐色で、こちらの方が強めに濁っています。
源泉は別源泉。成分の違いは計測誤差みたいなもので、ほとんど違いがありません。
一番大きな違いは源泉温度ですけど、結局適温に調整しちゃいますからね。
実際お湯に浸かった印象も、あまり違いは感じません。
ほとんど違いが無いながら、唯一感じるのは、先ほども書いた通り濁り方の違いなんですよね。
下の湯の方がフレッシュです。
上の湯は源泉温度が高い分、湯舟の大きさに対して新湯投入量が少ないですし、お湯が冷めるだけの間で空気に触れる時間が長いでしょうからね。
ここはここでとても良かったですし、敢えて比較するなんてちょっと無粋だとは思いますけど、個人的な好みだけで言えば、下の湯の方が好きかも?
でも、それはあくまで比較をしたからの話。
どちらかひとつだけで評価をしたら、どちらも「素晴らしい!」の一言で間違いありません!
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ちなみに、執筆するにあたりこちらのお宿を少しお調べしましたが、以前はもっとボロっちくて、だいぶお安く泊まれた湯治宿だったみたいです。
私が訪れた時は綺麗に手入れがされたお洒落宿になっていて、宿泊代も少しお高めでした。
比較的最近リニューアルされたのかも知れませんね。
個人的に、ボロっちくて安いお宿は大好きです。
でも、ボロっちいまま閉館してしまうお宿を沢山見てきましたので、手放しに絶賛出来ません。
ここ知内温泉は北海道でも最古となる800年の歴史を持つそうです。
余り立派で高級になりすぎても、縁遠い存在になってしまうので、それはチョット・・・ ですけど、常に新しく生まれ変わりながら、この先も途絶える事無く歴史を刻み続けて欲しいと思いました。
なかなか来れる場所ではありませんが、きっとまた来ます。
素敵な温泉でした!
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2023年 8月14日 - 初訪問・日帰り入浴
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