ナトリウム-塩化物泉
(湯ノ平中鶴2号) 81.9度 / ph8.4 / 掘削動力 / H21.2.19
Na+ = 559 / K+ = 25.7 / Ca++ = 19.9 / Mg++ = 1.6
Li+ = 1.4 / Sr+++ = 1 / Cl- = 663 / F- = 1.8
Br- = 1.8 / HS- = 0.3 / SO4– = 95.1 / HCO3- = 303
CO3– = 12 / HsSiO3 = 178 / HBO2 = 18.3
成分総計 = 1882mg
大分県由布市湯布院町湯平
男女別内湯
200円(湯平宿泊者は100円)
6:00 – 22:00
湯平温泉に5箇所ある共同浴場のひとつです。共同浴場「金の湯」と同じく、湯平温泉街の脇を流れる花合野川の対岸にあります。
温泉街から行くには橋を渡るのですが、砂湯温泉の浴舎はその橋の眼下すぐに見つける事が出来ます。水面スレスレに建っており、見方によっては、屋形船のように見えなくもありません。
実はこの砂湯温泉、以前は中央温泉とも呼ばれており、湯平でも最も渋い造りとして知られ、私が湯平で特に入りたいと思っていた所です。
どうやら他の共同浴場と同じく、改装されてしまっており、写真などで何度と無く見ていた鄙びた建物ではなくなっていました。
以前は壁面に大きく「中央温泉」と書かれていたのですが、それが無くなっています。正直、かなりガッカリしました。
ただ、立地条件そのものは以前のままで、比較さえしなければ、これはこれで実に素晴らしい共同浴場です。
入浴代は、僅かに100円です。管理人さんは常駐していないため、入り口の料金箱にお金を投入してから中に入ります。
小ぢんまりとした共同浴場ですが、ちゃんと男女別に分かれているので、とても有難いです。浴室は脱衣所と内湯が一体型で、想像した通りに、かなりコンパクトな造りをしていました。
さて、そのお風呂。正方形の湯船がひとつあるだけで、シャワーすらありません。
ある意味において、理想的な共同浴場です。湯口からはお湯が注がれており、循環などされる事無く、ちゃんと掛け流されています。お湯は無色透明で、44度で少し熱めの適温です。
湯船に身を沈めると、浴槽の淵からザバーっとお湯が溢れて、何とも幸せな気分に浸る事が出来ます。
お湯からはほんのり金気臭と潮臭が漂います。湯平で入った他のお湯に比べると、少し特徴が薄い気がしないでもありません。でも、これはこれで、紛れも無く良いお湯です。
お湯から上がると、肌がサラリと乾き、ベタベタする感触が残りません。前日からの湯めぐりで私の皮膚から脂分が抜けたせいかも知れませんが、浴後感がとても良い印象です。
先客におじいちゃんが一人いました。こんなに狭いお風呂ですので、挨拶をすれば、自然に会話が始まります。おじいちゃんはこの地元の方だそうで、毎日この砂湯温泉を利用しているのだそうです。
日常生活に温泉があるなんて、私からすると羨ましい限りです。
そのおじいちゃん曰く、この河原は、掘れば幾らでもお湯が沸くのだそうで、子供の頃は良く自作の湯船を作って遊んだのだそうです。
砂湯温泉のお湯は、改装前はその河原から沸く独自源泉を引いており、飲むことも出来たのだとか。今使用されている源泉は湯平で引き湯されている湯ノ平中鶴2号泉です。
う~ん、やっぱりその頃に入りたかったなぁ・・・
改装後は、どこか他所から引湯するようになった為、飲めなくなってしまったと、残念がっていました。
もう少し早く訪問するべきだったと、少しだけ後悔。
ただ、比較をせずにこれ単体と考えたならば、良い所であった事に間違いはありません。
帰り際、お風呂へ降りる階段の途中にある、「中央温泉」と書かれた昔の面影を眺めながら、良い思い出だけを持ち帰ろうと思い、その場を後にしました。
次に湯平を訪れる機会があったら、欠かさずに立ち寄りたいと思った一湯でした。
2010-4/30
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