アルカリ性単純温泉
山梨県東山梨郡三富村川浦
露天・内湯・貸切等多数
0553-39-2111
日帰り:1500円
数日前、会社の休憩時間で本屋に立ち寄ったところ、発売を今か今かと心待ちにしていた「自遊人一月号別冊温泉図鑑・冬」が店頭に並んでいました。
今号には、持参をすれば日本全国51箇所の温泉施設に無料で入浴出来るパスポートが付録としてついているのです!
たった680円の雑誌で、この豪華な付録は見逃せません。仮に一回の日帰り利用が500円だったとしても、二度利用すれば元が取れます。
(一箇所につき一度きりしか利用出来ませんが・・・)早速彼女の分と合わせて2冊購入。
なお、「自遊人」という雑誌は、大人の為の情報誌で、主に「食」とか「旅」とか「和」、時には「仏教建築美」であったりと、月ごとにシブめなテーマを扱っています。
たまに温泉の特集を組む事があるのですが、多くの温泉雑誌に見受けられる、旅館とツアーの広告ばかりというような事が無く、しっかり読み物として楽しめるのがとても嬉しい雑誌で、温泉好きにはオススメ出来ます。
さて、早速手に入れた温泉パスポートを眺めながら、「日帰りで行ける、なるべく近めの温泉はどこかな・・・?」と探していた所、山梨県に川浦温泉というのがある事に気付く。
泉質はアルカリ性単純温泉との事。
硫黄泉好きの私としては、単純温泉はただのお湯という感じで、あまり好かないのですが、パスポートを利用する分には無料なので、とりあえず行ってみる事にする。
自宅から一般道をひた走ることおよそ4時間。目的地の川浦温泉「山県館」は秩父往還の笛吹川沿いにありました。
周囲に娯楽施設が全く無いのですが、宿の建物だけは矢鱈と大きく立派です。
寂れた巨大リゾートホテルをイメージして旅館の入り口をくぐったのですが、思いの他立派で瀟洒な玄関に驚きました。こんな立派な施設をタダで利用してしまって良いのだろうかと戸惑いつつも、受付を済ませて中へ入る。
まず最初に、浴室の多さに戸惑う。下調べも無しにイキナリ行ったのですが、男女別入れ替えの大浴場や、混浴岩風呂、貸切風呂など沢山あります。
とりあえず貸切風呂を使う予定は無いので、大浴場に入る。私が行った時間帯は、「薬師の湯」が男性、「せせらぎの湯」が女性時間でした。
まず最初に驚いたのは、入り口です。通常、浴場の入り口を入ると、すぐに脱衣所があるものですが、この旅館の場合、まず畳の床の間があります。
一瞬「ここで服を脱ぐの?」と勘違いしそうになりましたが、脱衣所はその更に奥にありました。とても高級感溢れる清潔な造りに驚かされます。
脱衣所で服を脱ぎ、まずは内湯「薬師の湯」に入る。
かなり広々とした造りで、10人以上の大人が余裕で入れる大きさの湯船から勿体無い位にお湯が溢れています。単純温泉と聞いていましたが、ほんのり硫黄の臭いがします。
最初に頭と体を洗ったのですが、カランから出ているお湯も温泉でした。アルカリ性が強い泉質らしく、石鹸のヌルヌルがいつまでも持続します。
湯船にもちょっと浸かりましたが、ジャグジーになっていたりと、あまり温泉情緒を楽しめる造りになっていなかった為、すぐに出てしまいました。
次に入ったのは露天風呂「月見亭之湯」。脱衣所から見て右手側にある露天風呂です。
内湯から外に出ると、目の前に浴槽らしきモノがある。間違って片足を入れてしまったのですが、これは湯船ではなく「池」です。浴槽はその隣にちゃんとありました。
「あー、極楽極楽・・・」なんて思いながらお湯に浸かると・・・なんか痒い。体中痒い!
臭いを嗅いでみると、強烈な塩素臭がします。温水プールみたいな感じです。
うーん、これは堪らんという事で、一目散に退散する。やっぱ、大型旅館の風呂なんかこんなモンかな、と思い、もう一つの露天、「笛吹権三郎之湯」に入る。
こちらは、岩風呂風になっており、打たせ湯も2本あります。「月見亭之湯」に比べると広めで、雰囲気もとても良い。
一番心配だった塩素臭ですが、こちらの浴槽では感じませんでした。
温めでとても柔らかいお湯で、ゆっくりとくつろぐ事が出来ました。無色透明なお湯は内湯と同じく、かすかに硫黄の臭いがします。湯口には飲泉用のコップがあり、飲んでみると若干の硫黄味がする、とても飲みやすいお湯でした。
ここのお湯はとても新鮮なようで、いつまでもゆっくり浸かっていたくなる程に気持ち良い!
私の中にあった、「単純温泉=あったかい井戸水」なんてイメージが完全に覆される程に良いお湯でした。
強烈な泉質を好まず、ゆっくり温泉情緒を楽しみたい方なんかにオススメです。
その後、時間で男女交代になった為、「せせらぎの湯」や混浴の「岩風呂」を見学してから帰る。どの浴槽もとても清潔で、高級感溢れる造りでした。
一泊した場合の宿泊料金は18000円からとの事。安宿ばかり泊まり歩いている私にとっては躊躇する金額ですが、宿の綺麗さを考えれば納得です。
帰途、「年老いた婆ちゃんを連れてきてあげたいな・・・」なんて事を思いながら、良いお湯の余韻にひたりました。
2004-12/19
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