下風呂温泉青森県

海峡の湯 (下風呂温泉) ★4.5

酸性-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
(源泉名:大湯1号泉)
56.5度 / ph2.17 / 自噴 / H24.12.17
H+ = 6.8 / Li+ = 1.2 / Na+ = 703.2 / K+ = 87.6
NH4+ = 5.2 / Mg+ = 43.7 / Ca+ = 172.9 / Al+ = 27
Mn+ = 5.2 / Fe++ = 18.1 / Fe+++ = 0.2
F- = 2.9 / Cl- = 1339 / Br- = 2.5 / I- = 0.7
S2O3- = 1.6 / HSO4- = 167.3 / SO4- = 734.7 / H2PO4- = O.9
H2SiO3 = 170.8 / HBO3 = 185.8 / CO2 = 584.2 / H2S = 0.8
成分総計 = 4266mg

酸性・含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
(源泉名:大湯2号泉)
58.7度 / ph2.31 / 自然湧出 / 2020.2.18
H+ = 4.7 / Li+ = 1.1 / Na+ = 814.8 / K+ = 107.3
NH4+ = 8.2 / Mg+ = 52.2 / Ca+ = 197.5 / Al+ = 13.6
Mn+ = 8.9 / Fe++ = 5.3 / Fe+++ = 0.1 /
F- = 1.9 / Cl- = 1538 / Br- = 3.3 / I- = 0.8
S2O3- = 1.5 / HSO4- = 98.7 / SO4- = 626.5 / H2PO4- = O.6
H2SiO3 = 149.1 / HBO3 = 216 / H2SO4 = 1.2
CO2 = 487.4 / H2S = 3.0
成分総計 = 4342mg

含硫黄-ナトリウム-塩化物泉
(源泉名:新湯1号泉・新湯2号泉・新湯3号泉及び新湯4号泉(混合泉))
78.8度 / ph7.4 / 自然湧出 / 毎分14L / H27.11.30
Li+ = 1.7 / Na+ = 1179 / K+ = 135 / NH4+ = 136.4
Mg+ = 70.8 / Ca+ = 274.7 / Mn+ = 9.3
F- = 3.4 / Cl- = 2402 / Br- = 3.6 / I- = 1.0
HS- = 2.8 / S2O3- = 8.7 / SO4- = 294 / HCO3- = 250.9
H2SiO3 = 128 / HBO3 = 378.7 / HAsO2 = 0.6
CO2 = 49.5 / H2S = 1.3
成分総計 = 5331mg

青森県下北郡風間浦村下風呂下風呂71−1
0175-33-2116
男女別内湯・サウナ・水風呂
大人 450円、中学生 100円、小学生 50円、未就学児無料
7:00 ~ 20:30(4月~10月)
8:00 ~ 20:30(11月~3月)

本州最北端にある温泉地として知られる下風呂温泉。
私が大好きな温泉地のひとつで、これまでに何度となく訪問し、立ち寄り入浴だけでなく各宿にも宿泊をしてきました。

そんな下風呂温泉にあったふたつの共同浴場、大湯新湯
それぞれに大湯源泉と新湯源泉、異なるお湯を引いている素朴な共同浴場で、これまた私が大好きだったのですが、老朽化が原因で惜しまれつつも取り壊しになってしまいました。
その代わりに建てられたのがこちら、海峡の湯と言う、立派な日帰り入浴施設です。

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最初に書いておきますが、私は共同浴場の取り壊しと新しく立派な入浴施設を建てると聞いた当初、その計画がどうも気に入りませんでした。
と言うのは、前述の大湯と新湯、老朽化で建て替えるにしても、今まであった場所にそのまま残して欲しいと言う気持ちが強かったんですよね。
なので、この海峡の湯が出来たと聞いても、イマイチ入りに行きたいって気にならなかったのです。
で、これも予め書いておきますが、実際に入ってみて、印象がガラッと変わりました。

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さて、その海峡の湯ですが、元々あった大湯と新湯の跡地ではなく、全然別の場所、長谷旅館があった場所に建っています。
長谷旅館は文豪の井上靖が小説「海峡」を執筆した宿とも知られており、一度だけ立ち寄り入浴をした事があります。
お湯も素晴らしかったので、今度は是非泊まってみたいと思っていたら、いつの間にか廃業してしまっていたんですよね。

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本州最北端の温泉地、下風呂と言う場所に似つかわしくない立派な建物です。
新しく出来たばかりと言う事もあって、とても綺麗。

入浴後にゆっくり出来る休憩スペースや、食堂なんかがあったりします。
以前の大湯と新湯を知っているだけに、この立派さはには驚きますね。

お風呂は勿論、男女別です。

ふと脱衣所の壁を見ると、成分表と共に、それぞれの源泉の簡単な特徴の説明書きがありました。
ふむふむ、、、 おや? 大湯2号源泉?
どうやら、かつては長谷旅館でのみ利用されていた大湯2号源泉が利用されているみたいですね。

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訪れたのは夕方、混みあう時間なのは間違いありませんけど、それにしても混んでいます。
脱衣所だけで5~6人、浴室に入ると10人以上の人でごった返していました。
一緒に訪れた下風呂在住のT-Kさん曰く、いつもこんな感じだそうです。

さて、そんなわけで、大盛況の海峡の湯。
脱衣所から入ってすぐの浴室には湯舟が3つあります。

脱衣所から入って正面、壁際にあるのは熱湯。
大湯源泉で、文字通りに熱いお湯が張られた湯舟です。
体感温度で約48度。ハッキリ言って、気持ち良く入る事の出来る温度ではありません。
私は意地でも入りましたが、感想は「とても熱かったです」としか・・・
ちなみに私が見ている限りでは、誰も入っていませんでした。

普通に利用するのであれば、脱衣所から入って左手側、窓際に2つ並んでいる湯舟です。
向かって左側が新湯源泉、右側が大湯1号源泉のお湯が張られています。

かつては共同浴場の大湯、もしくは新湯それぞれ別々にあって、一箇所のお風呂では入り比べる事の出来なかったお湯が、こうして肩を並べて並んでいる。
それがなんか、とても不思議に思えて仕方がありません。

お湯の印象は以前のものとあまり変わりありませんが、ザックリと言うと、新湯の方がシャキッとアッサリ系。ほんのり硫黄臭。
大湯はずっしろペタペタ系。以前入った際は大湯からもしっかりと硫黄臭がしていたのですが、私が入ったこの時は不思議と硫黄臭をあまり感じませんでした。
見た目だけで言えば、真っ白に濁っていて、強い硫黄臭がしても不思議はないのですけどね~

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で、私が特筆したいのは、脱衣所から入ってすぐの浴室とは別に、扉を挟んでもう一箇所、隣にある浴室です。
何で別部屋にしたのかはよく分かりませんけど、その離れた浴室には湯舟がふたつ。
そのうちの小さい方は水風呂で、これはこれで暑い時期には有難いのですが、素晴らしいのは大きい方の湯舟です。
こちらにはかつてあった長谷旅館で利用されていた大湯2号源泉が張られています。

その大湯2号源泉のお湯ですが、新湯源泉はもちろん、大湯1号とも違う、なんとも濃いお湯なんですよね。
一言で言うと、硫黄臭が強いです。
ふんわりなんてものじゃなく、ハッキリと強い硫黄臭があります。
湯口から注がれるお湯の臭いを嗅ぐと、硫黄臭と中にある苦味すら香ってくるほどです。

ふと、ずいぶんと以前に入った長谷旅館の事を思い出しました。
そういえばあの時も、大湯1号源泉とはまるで違う濃い硫黄臭にびっくりしたんですよね。
長谷旅館が廃業してしまって、もう二度と入る事が出来なくなってしまったと思っていたお湯と、こんな所で再開出来るなんて!!!!

不思議な事に、ひっきりなしにお客さんが出入りしているのに、皆さん手前の大湯1号か新湯のお湯に浸かっていて、この大湯2号の方には来ないんですよね。
たまに来たと思ったら、何故か子供だったり・・・
ナンデダロ? 地元の人達にはこのお湯は人気が無いのかな?

お陰でと言うのもなんですが、大湯2号源泉をじっくりと堪能する事が出来ました。

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なお、2階部分は展示スペースになっていました。
井上靖をはじめ、下風呂温泉に所縁のある著名人の紹介などがあったりします。

その中のひとつに、井上靖ゆかりの客室として、長谷旅館のお部屋が再現された一角がありました。

これはこれで素晴らしいですが、長谷旅館に泊まって、実物で見たかったなぁ~・・・

でも、こうして思い出として残してあるだけでも素晴らしい事だと思います。

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当初、大湯と新湯を取り壊し、新しく立派な入浴施設をつくると聞いた時は、反対出来るような立場で無い事は承知ですが、気持ちの上では大反対でした。
でも、実際訪問して見て思った事は、かつては「大湯派」「新湯派」なんて言って(別に喧嘩をしている訳ではない)別々の共同浴場に通っていた人たちが、一緒の浴室で和気藹々と入っているのです。
それに加えて、長谷旅館で使われていた大湯2号源泉まで楽しめる。
さらにですが、私は利用しませんでしたが下風呂の海の幸を楽しめる食堂があって、下風呂の歴史を伝える展示スペースまでもあるのです。
「これ建てるのに一体いくら掛けたのよ!?」なんて声が聞こえてくるような気もしますが、これはこれで、素晴らしいものだと思います。

もちろん、元々あった大湯と新湯の共同浴場は思い出深いものがありますし、取り壊されて駐車場になってしまった跡地を見て、胸が締め付けられました。
海峡の湯は、大湯と新湯の代わりなどではなく、あくまで別物です。
その意識は、私の中では今後ずっと引きずって行くでしょう。

でも、それはそれとして、この海峡の湯の価値を貶めるものではありません。
良いモノは良い! それだけは間違いありません!
この先ゆっくりと時間を掛けて、下風呂温泉で愛され、人々の思い出に残るような温泉に育っていくのでしょうね。

下風呂に新しく出来たランドマーク的な温泉、これからも下風呂へは足を運ぶと思いますので、この先何度もお世話になります!

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2023年 8月11日 - 初訪問・日帰り入浴
2023年 8月15日 - 再訪・日帰り入浴

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