青森県

でわの湯 湯の沢山荘(湯ノ沢温泉) ★4.5

最終入湯日 : 2005-5/2

含土類石膏食塩泉

青森県南津軽郡碇ヶ関村湯ノ沢
男女別内湯 ・ 貸切家族風呂
0172-45-2531
入浴 : 大浴場 300円 / 貸切 1000円 (1時間)

「でわの湯湯の沢山荘」は、「湯ノ沢温泉郷」の一番手前にある施設です。
「秋元温泉」の次に入浴しました。

まず、玄関を開けて中に入ると、ご主人と思われる方が出迎えてくれました。
日帰りで入浴だけしたいと告げると、とてもニコニコしながら、「どうぞどうぞ~!」と、嬉しそうに迎え入れてくれました。

このご主人、とても気さくな人で、色々と話をしてくれます。
しかし、東北訛りが非常に強く、私も彼女も、殆ど聞き取れません。
とりあえず、入浴料が2人で1000円というところまでは理解出来ました。
「アレ?下調べでは1人300円かと思ったけど・・・?」
と、少し疑問に思いつつ、千円札をご主人に手渡す。

主人にここを利用するのは初めてだと伝えると、風呂場の方まで案内をしてくれました。
浴場へ向かう途中、ご主人は、「熱いのは苦手?だったら、1番はよしたほうが良い。」「2番はさっき人が入ってた。2番でも良いね?」みたいな事を仰っている。
しかし、私には何の話だかイマイチよく分からない。
「とりあえずお任せします。」
と言い、そのままご主人の後を付いていくと、ご主人は大浴場を通過してしまいました。
慌てて、「あれ?お風呂ココですよね?」と聞く私。「そこは大浴場だよー」とご主人。
一瞬、「???」となる。「あのぉ~・・・、ドコに連れて行くつもりだったんですか!?」
しかし、暫くして、やっと状況に気がつきました。

どうやらご主人、貸切風呂に案内しようとしていたらしいです。1番とか2番というのは、貸切風呂の番号だったみたいです。
「貸切でなくても良いです」「大浴場に入りたいのです」と伝えると、ご主人、相変わらずニコニコしながら、「あー、大浴場は1人300円だから600円。」「お釣り無いから、帰り際に払って。」と言って、先ほど渡した千円札を返してくれました。
東北訛りが強く、何を言っているのか良く分からない事が多々あるご主人ですが、とても純朴で、良い人らしい事は確かです。

さて、肝心のお風呂ですが、内湯のみで湯船が一つと、カランが数人分ある、広くも狭くも無い浴室です。湯船には少し赤錆色がかった薄白濁のお湯が張られています。
お湯は44度で、少し熱め。僅かな硫黄臭と、土類の臭いがする、とても塩分が濃いお湯で、実際の温度よりも熱く感じました。
飲んだ印象は、舌にピリピリ来るような強い塩分と、僅かな土&鉄味。若干の苦味もあります。
ここの前に入った「秋元温泉」程の個性は感じませんでしたが、とても濃くて良いお湯です。
特筆すべきは、析出物の多さ。恐らく板張りだったと思われる浴室の床には、温泉成分がビッシリとこびり付き、まるで陶器のようになっています。
自然に造られたと思われる千枚田のような模様は、見ていて何となく心が安らぎます。

成分が非常に濃いうえ、熱めなお湯の為、湯船にはあまり長時間入っていられませんでしたが、新潟から来られたという温泉好きのオジサンと一緒になり、暫く話し込んでしまいました。
聞けばこのオジサン、私と同じように、ゴールデンウィークに温泉めぐりをされているとの事です。
「昨日はどこに入った」「あそこのお湯は良かった」などと、二人で意気投合して話をしているうちに、気がついたら結構な時間が過ぎてしまいました。

風呂上り、宿のご主人に2人分の入浴料600円をちゃんと支払い、宿を後にしたのですが、新潟のオジサン、私ともっと話しをしたそうにしながら、玄関までお見送りしてくれました。
「おやすみなさい」「またどこかでご一緒出来れば良いですね」と言いながら、分かれる。

お湯の良さもさることながら、ご主人と言い、新潟のオジサンと言い、良い人と出会うことが出来、心身ともに癒されました。

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