山梨県

旅館 霊水 不動湯 (不動湯温泉) ★4.5

単純泉?

山梨県富士吉田市大明見4401
0555-23-9239
男女別内湯
大人 1000円、小人 700円 / 16時以降は 大人 600円、小人 500円
8:00 ~ 21:00
水曜定休

道志みちでのツーリング湯めぐりをするにあたり、山中湖周辺でどこか無いか探していて、気になったのがこちらです。
その名も、霊水 不動湯。もう、なんと言うか、名前を聞いた瞬間に良さそうなのがビンビン伝わってきます。
と言う事で、どんな所かも良く分からないまま、スマホでナビをセットして、走りました。

何も考えず、ナビの指示通り走っていたのですが、宿が近付くにつれてどんどん道が細くなります。
バイクだったのであまり気になりませんでしたが、車だったら結構気を遣う細道ですね。
最後は傾斜が急な上り坂になり、その途中に今回の目的地、不動湯がありました。
私が訪れた時は、駐車場で平坦な所は先客の車で埋まっていて、空いているスペースはかなりの急傾斜。こういう時バイクだと困りますね。停めるのに難儀しました。

街中からはあまり離れていない場所ですが、なんだかとっても秘湯感溢れる場所です。
館内に入って、どういう仕組みだろうとキョロキョロしていたら、女将さん?が出て来られました。初めてである旨を伝えると、こちらの券売機でお支払い下さいとの事。
券売機を見ると、通常料金は1000円で、16時以降は600円と書かれています。
ちなみにこの時、15時40分。あと20分遅く来ていれば400円も安かったんですね!
なんだかちょっと損をした気分ですが、ま、仕方がありません。

それにしても、案内してくれた女将さん、とても丁寧です。
手前に療養泉と言うのがあるのですが、これは療養目的の人専用だそうで、私のような一般客は入れないそうです。
奥にある一般用をご利用下さいとの事でした。

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さて、その一般浴槽。
勿論ですが男女別。内湯のみのシンプルなものです。
入った瞬間にため息が出ました。

なんと言うか、よくあるタイル湯舟がある小さなお風呂なのですが、私好みなんですよね。
床、湯舟の縁、湯底、壁面、よくあるタイル張りなのですが、全部色が違うんです。
語彙力が無いのでなんと表現すれば良いのか困りますが・・・ 素朴な造りで、これと言った飾り気が無く、凝った意匠もありませんが、美しい浴室です。

窓の外に映る緑も綺麗なんですよね。
窓を開けて外を見たら、まぁ、特になんて事も無い、普通の裏庭みたいな景色でしたけど・・・

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湯舟は2槽に分かれています。
まずは入って左側は温水浴槽。源泉温度が低いため、加温した上で循環がされています。
温度は約43度、少し高めに設定された適温です。

これと言った浴感の無いお湯です。ツルツルする肌触りも、ズシンと来るようなパンチも無い、サラリとした優しいお湯。
循環されていますが塩素臭は一切ありません。
よく嗅いでみると、僅かに芒硝系の温泉臭を感じますが、これは気のせいかな?

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もうひとつの、入って右側の小さな湯舟は冷水浴槽です。
水風呂とまではいきませんが、かなりの温めで、30度は無さそうです。
ずっと浸かっていると、体温が奪われていくのが分かります。
源泉温度は更に低いため、これでも加温をしているらしく、浴槽内は循環されています。

お湯の印象は、温度以外で温水浴槽の物と違いを感じません。
ただ、これはこれで気持ちが良いですね!
温水と冷水を行き来すれば、疲れ知らずで湯浴みを楽しめます。

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さて、そんなで温水と冷水を行き来していたら、お宿のご主人が服を着たまま入ってきました。
ん? ナンダナンダ!? と思って、見ていたら、冷水浴槽にあった蛇口を弄って、お湯を全開にして帰って行かれたんですよね。

2箇所ある湯口はどちらもほぼ全開。
凄い勢いでお湯が注がれています。

折角湯口全開なのだからと、試しに冷水風呂に入ってみたのですが・・・

おおおぉ!?
なんだこの気持ち良さは!?

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右側が元々新湯の冷水を注いでいた湯口。この冷水湯口の湯量も増えています。
それ以上なのが、さっきまでは全閉だった湯口。こちらからは素手で触るには熱すぎるお湯が物凄い勢いで注がれています。

浴槽内は相変わらず循環されている様子です。
でも、そんなのお構い無しっていう物凄い勢いで新湯が大量投入されていて、物凄い勢いで湯舟からお湯が溢れています。

思わず動画で撮ってしまいました。

さっきまで冷たかった湯舟が、少しずつ暖かくなっているのが分かります。
これはたまらないです。出るに出れない奴です。

たまに温水浴槽にも入りましたが、基本的にずっと冷水風呂に浸かりっぱなしです。
しかも、他に誰もいなくて、独泉状態。誰の目も気にせず、体をだら~んと伸ばして入る事が出来ます。
あまりの気持ち良さに、もう今日はここを最後にして帰宅しようかと思った程です。

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そんな状態で30分位湯浴みを楽しんでいたら、先ほどのご主人が戻って来て、湯口を元の状態に戻しました。
あ、これ、ずっとこのままって訳じゃないのね?

話に聞くと、朝に一度、夕方にもう一度、お湯を足しに来るそうです。
どうやら私はたまたまそのタイミングで入る事が出来たみたいですね。
それが無くても気持ちが良いお湯だったのですが、この源泉大量投入には参りました。素晴らしすぎです!

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帰り際、どんな成分なのかなぁと思いながら館内を探してみましたが、いわゆるよくある温泉成分表はありませんでした。
泉質は単純泉で、かなり成分的にかなり薄く不純物が無い事が誇らしげに紹介されています。

で、ここでちょっと疑問・・・

ん? 不純物が無くて、冷泉ですか?

それって、ただの湧き水であって、温泉には該当しないのでは!?

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どうやら、後で色々と調べてみたのですが、私が感じた疑問はその通りでした。
実際のところ、温泉法上では「温泉」に該当しないみたいですね。

私が温水浴槽で感じた芒硝臭にも似た成分臭は何だったんだろう?
冷水浴槽のお湯だって、物凄く気持ちが良かったんだけどなぁ~・・・

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ただ、実際に浸かってみた限りでは、物凄く気持ちが良いお湯であった事には違いがありません。
不動湯自体は歴史のある旅館です。
元々温泉として営業していたけど、後から出来た温泉法のせいで堂々と「温泉」って名乗れなくなってしまったみたいですね。

でもまぁ、私が入った限りの感想では、ヘタな所よりもよっぽど「温泉」していました。
と言う事で、当ホームページとしては、温泉として紹介します。

温泉好きな方が行って後悔させない事を保証しますよ!
自信をもってオススメできる、素晴らしい温泉。特に夏の暑い時期であれば、いつまでも出れなくなってしまう程に気持ちが良い名湯です!

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2023年 6月24日 - 初訪問・日帰り入浴

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