石川県

総湯 (加賀片山津温泉) ★3.5

ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
(源泉名:片山津2号)
72度 / pH6.6 / 動力揚湯 / 毎分400L / H18.1.10
Li+ = 2.6 / Na+ = 3418 / K+ = 111 / Ca+ = 2189
Mg+ = 3.2 / Sr+ = 45.1 / Ba+ = 0.4 / NH4+ = 1.0
Al+ = 0.5 / Mn+ = 0.4 / Fe+ = 0.1
F- = 1.6 / Cl- = 8959 / HCO3- = 25 / SO4- = 286.4
Br- = 22.4 / HS- = 0.3 / HAsO3- = 0.2
H2SiO3 = 89 / HBO2 = 55.4 / CO2 = 57.3 / H2S = 0.8
成分総計 = 15260mg

石川県加賀市片山津温泉65−2
0761-74-0550
男女別内湯
大人460円、12歳未満130円、6歳未満50円、3歳未満無料
6:00 ~ 22:00

石川県に行く機会があったら行きたいと思っていた加賀温泉郷。
加賀四湯とも呼ばれ、山代温泉、山中温泉、片山津温泉、粟津温泉の4ヵ所がそれなのですが、それぞれの温泉地に「総湯」があるのです。

総湯と聞いて、「?」となる人も多いと思いますが、主に北陸地方で呼ばれる共同浴場の事です。
ようは、東日本を中心にあちこちある「大湯」みたいなものでしょうね。
全国津々浦々にある共同浴場である事には違いが無いのですが、呼称の違いだけで雰囲気が違うように感じてしまうから不思議なものです。

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さて、念願だった加賀温泉郷の総湯、記念すべき第一湯は、片山津温泉の総湯です。
駐車場に車を停めて歩いて行くと・・・

あったあった、片山津温泉の総湯!
総湯って名前がついていても、それはそれ、要はよその温泉地でも見かけるような、所謂共同浴場ですので、まぁ、分かっていた事ではありますが、至って普通の外観をしています。

でも、総湯って名前がつくだけで、何だか物凄くモダンで、まるで近代美術館のような見た目に感じてしまう訳ですから、とっても不思議です。
建物の全面には、これは恐らくトタンと思われますが、向こうが透けて見える材質のものが貼り付けられており、実に年季が入っているのが分かります。
でも、総湯って名前がついていると、とてもオシャレに見えてしまうんですよね。

コンクリート打ちっぱなしのようにも見える土塀を左手に見ながら、ご高齢の方でも使いやすいスロープを上がると、昔懐かしい感じの「KAGA KATAYAMAZU CITY SPA」という看板がお出迎えです。
こういう昔ながらのアプローチは大好きです!

ちなみに建物は2階建てで、1階部分が男女別の浴室があり、エレベーターで2階にあがるとカフェスペースと言う名の簡易休憩所がありました。
外が丸見えの造りをしていますので、簡易休憩所からは眼下に広がる柴山潟を楽しむ事が出来ます。

まぁ、ここまで書きましたが、みなさま既にお気づきだとは思いますが、施設的な特徴はほとんどありません。至って普通の共同浴場です。
でも、総湯って名前がついているだけで、他とはかなり違って個性的に見ててしますんですよね。
ほんと、不思議、ふしぎ、フシギ・・・

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と、まぁ、気を取り直して温泉の話。

内湯には森の湯と潟の湯の2か所があり、日替わりで男女別に入れ替わります。
造りとしては同じなのですが、窓から見える眺望が樹々に囲まれた森なのか、眼前に広がる柴山潟なのかの違いですね。
この日は男湯が森の湯でした。

成分的にはかなり濃い塩化物泉です。
お湯に浸かった瞬間、ズシンと重たい入り心地。
お湯の温度も44度位でしょうか、普通よりもちょっと熱めで、体の真から温まって汗が搾り取られる感覚があります。
この日はゴールデンウィークの最中でしたので、気候的にも過ごしやすく、肌寒さは感じませんでしたが、寒い冬を過ごす北陸の人にはこれくらい熱いお湯の方が好まれるのかもしれません。

ただ、少しだけ残念なのは、バッチリ循環されていて、塩素消毒もされている事です。
多くの人が利用する共同浴場ですので、清潔に保つ事は重要ですから、これは仕方がないのかな?って気もしますが、成分表を見るとかなり濃厚なお湯なんですよね。

硫黄成分も合計1.1mg入っているそうなので、これだけ濃ければ硫黄臭を感じる筈なのですが、お湯から香るのはほんのり塩素臭・・・
建物は物凄く頑張っているので、お湯ももう少し頑張って欲しかったトコロです・・・

温泉の浴感は十分にありますし、決して悪いわけでは無いんですけどね。

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でもまぁ、この名前が総湯ってだけで物凄く立派なものに感じられる不思議な建物を見れたってだけで、私個人的には大満足でした。
世の中にはこんな共同浴場もあるんだなぁと、改めて温泉めぐりの楽しさを思い出させてくれた、素敵な一湯です。

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2016年 5月3日 ー 初訪問・日帰り入浴

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