重炭酸土類泉
鹿児島姶良郡牧園町下中津川滝
男女別内湯
100円
15:00 – 20:00 （不定時）
犬飼の滝の近くにある、その名も通り、犬飼温泉共同浴場です。
前から存在は知っていましたが、イマイチ場所が分からず、あまり真面目に探してもいなかったので、ずっと未湯のままでした。
今回は予め「行こう！」と決め、だいたいの場所を見当つけて、いざたどり着いてみると、なーんだと思えるほど、分かりやすい道端にありました。
しかもここ、以前和気湯を探している時、ココの目の前で車をUターンさせた事もあります。
なんで気付かなかったのかなぁ・・・
さて、その共同浴場。建物に掛けられた木製の看板が実に風情良いです。
中は男女別。無人で料金箱に入浴料を支払う仕組みになっています。
どうやら当番製で清掃などをされているようで、組合員の方の名札が壁に吊るされていました。実に鄙びており、いかにも、田舎の共同浴場と言う感じです。
ひとつ不思議に思ったのは、この共同浴場の周りには旅館とか一切無いのですよね。
関東なんかじゃ、温泉が沸けばすぐ旅館やセンター系の施設が建ってしまいますが、ココでは、完全に集落の人たちだけが使用する生活浴場って感じで使われています。
温泉とはまるで無縁のような田舎の集落に、ポツンとある共同浴場、実に渋いです。
浴室内部は更に渋いです。
右手側に湯船がひとつあり、あとは洗い場スペースがあるだけの、シンプルな物です。
温泉成分により、フロアや壁は赤茶く変色しています。浴室の一角には清掃用具なんかも置かれており、生活の雰囲気が強く漂っています。
セピア色をした浴室は、お年寄りが入ってこそ、趣を増すような、重厚感があります。
若者にはこの浴室は似合わない。そんな事すら感じてしまいます。
お湯はうっすら土色に濁る物です。ほぼ適温のお湯で、肌触りがペタペタする、金気臭と炭酸臭が香る物です。
この一帯にはこの手の鉄泉が多いので、泉質自体は、ある程度予想していた通りの印象です。
ただ、お湯の鮮度は絶品に良いです。当然ながら、こんな質素な共同浴場で循環がされている筈も無く、当然お湯は掛け流し。
湯口からの源泉は、定期的に湯量が増して、溢れるようにザバーっと勢い良く注がれます。
「湯水のごとく・・・」と言う言葉がありますが、まさにその通りで、ココまで湯量が多いと大地から湧き出るお湯に対する感謝を忘れてしまいそうです。
一言で言って、凄い湯量です。
こんなに素晴らしいお湯が、集落の共同浴場だけに使われているなんて・・・
改めて、鹿児島って凄いところだなぁと思ってしまいました。
ちなみに、ここで鹿児島101湯目です。
本当は100湯目に取っておくつもりだったのですけどね。
ココで節目を迎える事は出来ませんでしたが、その価値ある素晴らしい一湯でした！
2008-12/23
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