長崎県

脇浜共同浴場 おたっしゃん湯 (小浜温泉) ★4.5

ナトリウム-塩化物泉
(小浜温泉) 99度 / S55.2.25
Na+ = 2788 / K+ = 303.2 / Ca++ = 192.6 / Mg++ = 194
Sr+ = 2.2 / MH4+ = 4.9 / Mn++ = 1 / Li+ = 5
Cl- = 4886 / Br- = 16.6 / F- = 1 / HCO3– = 167.6
SO4– = 410 / CO3– = 26.9 / H2SiO3 = 192
HBO2 = 54.8 / CO2 = 18.5 / 成分総計 = 9246mg

非常に古い成分表(昭和33 年)がありました。
源泉名が同じなので、浜の湯に掲示されていた物を掲載します。

長崎県雲仙市小浜町南本町7
0957-74-3402
男女別内湯
150円
6:00 – 21:00

小浜温泉でも、特に行ってみたいと思っていたのが、ココ、脇浜共同浴場です。
住宅街と温泉旅館が立ち並ぶ一角にひっそりと佇んでいました。

もう、たどり着いた瞬間から、テンションが上がってしまいました。
外観からしてとても渋いです!建物の外観は年季の入って黒ずんでおり、屋根の一部に緑が這っています。
入口は男女に分かれていますが、それを見分けるのは、まるで表札のように小さな「男湯」「女湯」の表示だけです。
いやぁ・・・この玄関を開けたらどんな世界なのだろうと、期待せざるを得ません。

で、中に入ると、やっぱり期待を裏切らぬ素晴らしい光景が広がっています。
番台は男女の仕切りにある、クラシックな造りです。玄関から入って右側に脱衣棚があるのですが、これが、年季が入っていて素晴らしいです。
戸が中途半端に開いているのも、妙な風格が漂っています。たまたま18番の戸が半開きだったので、ココに服を詰める事にしました。
服を脱ぎながら、「十八番、オハコだな。いょっ!脇浜温泉!待ってました!なんつって。うへへ・・・」と、意味不明な幸せな気分を味わってみたりして。

浴室に入り、改めて感動!いやぁ、実に渋い造りをしています。
正面にドーンと大きな湯船があり、その湯船は2つに分かれています。
透明なお湯が張られているのですが、湯底のタイルに色が塗られており、手前がエメラルドグリーン、奥がコバルトブルーになっています。
そのままでも風格がある浴室に、色彩が加わって、素晴らしい風情です。

お湯は無色透明。ごく僅かに濁って見えます。
湯口は2つの湯口の間にあります。源泉温度が高いため、熱い源泉と同時に水も一緒に注がれています。
湯口は奥の湯船に向いており、そちらに多く注がれているようですが、2つの湯船の温度はどちらも同じで、約43度といったところ。
通常は熱めと温めに分かれていると思われますが、この時はたまたまかな?
ちなみに女湯は熱湯と温湯でちゃんと別れていたとの事です。

お湯の感触は、しっとりツルツルの塩化物泉です。お湯からはほんのり潮の香りが漂い、湯口のお湯を口に含むと、旨塩味がします。
とても良く温まるお湯で、体が芯から温まります。
広々とした湯船で、利用者もそこそこあり、鮮度は抜群とは言えない状態です。
でも、しっかり掛け流されており、悪くはありません。
それ以上に、やっぱり風情が最高!

ふと、天井を見ると、これも年季が入って良い感じに鍛えられています。
天井から、一個だけ、ぶらーんと裸電球が吊るされています。私が訪れた時間は午前中で、外の光が差し込んで明るかったのですが、夜中はこの裸電球一個だけなのでしょうか?
薄暗い中入るこの湯船も気持ちが良さそうです。
これは、是が非でも夜中に再訪したいものです!

泉質とか、湯使いとか、そう言うのは一切置いておいて、この素晴らしい浴室で湯浴みを楽しむ事が出来た。もうそれだけでお腹一杯な気分です。

長崎は遠いところで、東京からだとなかなか来る事が出来ません。最初は一度だけ来れれば良いかなと思っていましたが、是非再訪したくなってしまいました。
そのうち建て替えなんて話出ないかな・・・?それだけがとても心配。
いつまでもこの風情のまま、頑張って存続して欲しいと思った一湯です。

2009-5/4

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