千葉県

七里川温泉(七里川温泉) ★4.0

単純硫黄泉 - 総硫黄及びメタけい酸の項に適合
(七里川温泉) 17.7度 / H27.8.4
Na+ = 146.8 / K+ = 8.7 / Ca++ = 26 / Mg++ = 10.9
Cl- = 138.1 / Br- = 0.5 / HS- = 1.0 / SO4– = 19.6
HCO3– = 221.5 / CO2 = 16.5 / H2SiO3 = 61.9 / H2S = 0.2
成分総計 = 660mg

千葉県君津市黄和田畑921-2
男女別内湯・男女入替露天
0439-39-3211
日帰り料金 : 500円

養老渓谷の先、周囲に何も無い山間に佇む一軒宿です。
「随分と鄙びた所にある施設だなぁ。こんな所、あんまり人が来ないだろう。」と思いながら、旅館に入ると、玄関先には大勢の人が集まっており、何やら魚などを炭火焼をしながら昼飯らしきモノを食べている光景が目に飛び込んできた。
一瞬、「あれ?ここは食堂かな?」と思うが、矢張りどうみても旅館の玄関先。椅子やテーブルを並べて食べているのだが、中にはフロアーに直に座りながら食べている老夫婦もいる。
一体これは何なんだろう・・・と、横目に見ながら、誰も居ないフロントへ行く。

フロントに立ち尽くす事1~2分。従業員らしき人はいるのだが、玄関先のお客さんに飲み物を運んだりと忙しそうにしており、なかなか相手にして貰えない。
来るところ間違えたかな・・・?という不安がよぎり始めた頃、ようやく従業員の人に気付いて貰え、入浴料を支払うことが出来た。
ちゃんと日帰り入浴もやっているようで、まずは一安心。

浴室は年季を感じる廊下を通り、階段を上がった2階部分にありました。
入り口傍には大きな文字で「源泉掛け流し」等と書かれています。内心、「何もそこまで堂々と主張しなくても・・・」と思いつつ、宿のお湯に対する拘りがヒシヒシと感じられ、少しホッとする。
脱衣所は結構広々としたもの。棚は10人分程度しか用意されていないのだが、あちこちに脱衣籠が転がっており、めいめい好き勝手に使っている様子。古臭い造りですが、一通りのモノが揃っています。

浴室は脱衣所より狭く、入ると両側にカランが2人分づつ、計4人分ある。掛け湯代わりにカランからお湯を出すと、何とも言えない新鮮な硫黄の臭いが漂う。出が悪いカランですが、源泉がそのままに出るとても良い感じのモノでした。
浴槽は4人入れば少々手狭という大きさのもので、源泉が気持ちよく掛け流されている。
源泉の温度が15度程度なので、加温されているものらしい。ほんのり黄色味を帯びた透明なお湯で、カランから出るお湯には及ばないものの、しっかりとした硫黄臭がしました。

なお、ここには露天もあります。ただ、露天は一つしか無いので、男女入れ替えで使用しているみたいです。たまたまこの時は男性用になっていたので、露天も楽しむ。
露天は高台に作られており、見晴らしがとても良い。ただ、見晴らしが良い代わりに、100メートル程離れた山道から丸見えになってしまい、女性には少し気になる造りかも知れません。
お湯はここでも掛け流しですが、心なしか内湯よりも濃い印象を受けました。当然加温されていると思われるお湯は、黄緑色をした透明なお湯で、所々黒い湯花が浮いています。
臭いや色、入った感触などは、何となく野沢の大湯辺りを彷彿とさせるものがありました。

モール泉ばかりで、硫黄泉不毛の地と思っていた千葉に沸く、とても気持ちが良い硫黄泉。
冷鉱泉な為、湯船の中では硫黄の香りが少し飛んでしまっているのが残念ですが、思いもよらない所で良いお湯にめぐり合う事が出来、少し嬉しくなりました。
千葉方面で硫黄泉をお探しの方にはオススメの温泉です。

2005年 1月29日 - 初訪問時のレポート

2019年 12月15日 - 再訪

房総方面に遊びに行った際に立ち寄ってみました。
15年近くぶりの再訪です。
初訪問の時の記憶が殆ど残っていないくらいなので、ほぼ初訪問くらいの感覚です。

たまたまタイミングが被ったのかも知れませんが、ツーリングの人たちや普通に車で来られた方などで妙に賑わっていました。
15年前の時と同様に玄関先で浜焼きをしているお客さんもいます。妙に食欲をそそる臭いで、温泉よりもおもわず食べ物の方に気が向いてしまいます。

受付を済ませ、少し手狭な廊下を進み、階段を上がった先がお風呂です。
脱衣所に入る手前で目に飛び込んでくるのは、「天然硫黄泉 源泉かけ流し湯」と大きく書かれた案内板です。
前回来た時こんなのあったかな? 良いお湯だった印象はありますが、こんなのを見てしまうと、期待値が更に上がってしまいますね。

脱衣所を見ると先客が沢山いる様子です。
まぁ、閑古鳥が鳴いているよりは良いですが、芋洗いもちょっと・・・

お風呂は内湯と露天があり、それぞれが脱衣所と繋がっており、内湯と露天を行き来する場合は一度脱衣所を通過する必要があります。

まずは内湯。

洗い場数名分と、湯舟がひとつのシンプルなもの。

加温された源泉が掛け流しで注がれています。
・・・が、湯舟の大きさに対する投入量は決して多いとは言えず、お湯は少しなまっているような印象は否めません。
冷鉱泉だからドバドバと注げないのは、まぁ、仕方がないのかな?
硫黄泉ですが、硫黄臭は痕跡程度に残すだけです。
肌触りはトロンとしていて柔らかいです。利用者が多く散々に揉まれたお湯って感じですね。
これはこれで嫌いではありません。
硫黄泉と言うより、肌触りだけで言ったら重曹泉って感じです。

露天も同様に加温された源泉が掛け流しで注がれています。
お湯の印象は内湯と大きく違わないですが、前回のレポートと同様で、露天のお湯の方が少しだけ濃く感じます。
利用者は圧倒的に露天の方が多く、私含めて常時5人くらいが譲り合うように入浴していました。
人が多いという事はお湯の劣化も進む筈なのですが、なぜか露天の方がお湯の印象が良いんですよね、不思議です。

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このお湯をそのまま温泉激戦区の群馬や東北に持って行ったとしたら、ちょっと厳しい評価になってしまいそうですが、千葉と言う括りの中で考えたらかなりハイレベルなお湯です。
入れ替わりお客さんが出入りしていて忙しいにも関わらず、お宿の人の対応も素晴らしかったです。
帰り際、ご主人に「もう帰るの? どこかで遊んできたら、また立ち寄ると良いよ。今日中であれば何度入ってもタダで良いよ!」なんて言って貰いました。

↑ スタンプ。大人3人、子供2人で利用したのですが、一枚の台帳に押してくれました。
私が「次にいつ来れるか分からないから」と、スタンプは良いよって言ったのに、ご主人、「記念に貰っていってよ、期限無いから、もし良かったらまたおいで!」と渡してくれました。
良く見ると、有効期限1年ってあるけど、いつ発行したのかの記載ありませんね・・・w

お湯も悪くないですけどね。
体以上に心が暖まった良いお宿です、ハイ。
玄関先の浜焼きも気になるので、次は浜焼きを目当てで再訪してみたいと思いました。

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