茨城県

井筒屋 (岩塙鉱泉) ★4.0

泉質不明 (冷鉱泉)

茨城県北茨城市関本町福田1481
0293-46-3270
混浴内湯
600円
営業時間 要確認

北茨城には、鉱泉が数多く点在しています。調べてみると、その多くがとても鄙びており、興味をそそる所ばかりです。
その中でも、特に興味が沸いたのが、ここ、岩塙鉱泉の井筒屋さんです。
ネットで調べる限り、他と比べても群を抜いて鄙びているのです。これは是非と思い、行って見ました。

その岩塙鉱泉井筒屋さん。国道6号線から脇に入って、少し走った先にあります。
予め入念に下調べしていたので、迷わずに到着しましたが、実に分かりにくいです。
なんと、この井筒屋さん、看板が無いのです。そのうえ、外観を見る限りでは、民家との区別がつきません。
もしも普通に道を走っていて、これが温泉だと分かった人がいれば、その人には温泉の神様が味方についています。
下手なジモ専よりも見つけるのが難しいです。

さて、たどり着いて、早速お風呂といきたい所でしたが、ここには内湯がひとつあるだけで、混浴になっています。
お風呂を覗くと、先客が1名。
私だけであれば、問題なく入れるのですが、この時は紅鮭が一緒だったので、その先客の方が出るまで、車の中で待たせて頂きました。
暫く待っていると、その先客の方が出るより早く、軽トラに乗ったおじさんが登場。
あらまぁ・・・

でも、元々混浴なのだし、今日はここを最後にする予定で、時間もたっぷりあります。
我侭は言うまいと、大人しく車で待っていようとした所、私たちに気付いたおじさんが話しかけてきてくれました。
何でも、今入っている先客の人は、いつも来る人だそうで、まだ暫く掛かりそう。先客の人が出たら一緒に出るから、先に入るね。ちょっと待っていてね、との事です。
私が、ゆっくり入って下さいと言うと、おじさん、「でも折角遠くから来たんでしょ?」「ウチらはいつでも入れるんだから、良いよ良いよ!」と仰って下さいました。
ついでに、車の中では寒かろうと、休憩室に案内して下さいました。
あぁ、なんて素敵な方なのでしょう。お風呂に入る前に、心が温まってしまいました。
そして、休憩所で待つこと20分。あれ?予想より全然早く、軽トラのおじさんと先客のお爺さんが出てきました。開いたからどうぞ言われたので、何度もお礼を言って、お風呂へ。

湯小屋は母屋の離れにあります。かなりの年季が入っており、床がミシミシと軋むのが分かります。ハッキリ言って、かなり古いです。もう何十年もこのままなのでしょう。
綺麗でお洒落な所が好きな人には、間違ってもオススメ出来そうにありません。
でも、新しい物は幾らでも造れますが、古い物が古いままにあると言うのは、本当に貴重です。
軋む床、埃だらけの天井、草臥れた脱衣所、どれを取っても、今まで積み重ねてきた歴史を感じます。単にボロいだけと感じるかどうかは、人それぞれ。私は勿論、大好きです。
良く見ると、元々は男女別だったようで、もうひとつ浴室がありました。賑やかだった頃もあるのでしょうか・・・?

浴室も実に渋いです。脱衣所から数段降りる形になっており、細長い浴室に小さな湯船がひとつ、ポツンと佇んでいました。
既に日が落ち、浴室を照らす灯りは、裸電球ひとつだけです。なんかお化けが出そうな感じです。
でも、きっとお化けが出たとしても、ここに出るお化けは、親切なお爺ちゃんだと思います。
この風景に似合うのは、笑い皺で顔がしわくちゃな、少し浅黒く焼けたお爺ちゃんです。
私みたいな、肌が白い若造が入ると、このお風呂にの風情が少し失われるような気がしてなりません。

さて、そのお湯。薄暗いのでハッキリとは観察出来ませんが、ごく僅かに濁って見えます。
掛け湯をしたところ・・・凄く熱いっ!
推定52度。必死にかき混ぜても50度超え。掛け湯すら無理です。ものの5分前に出た2人は、こんな熱湯に入っていたのだろうか!?
でも、こんな熱いお湯、無理な物は無理。ふと見ると、蛇口発見。捻ると、冷たい鉱泉がドバドバと出てきました。ツンと鼻を突くような金気臭と微硫黄臭を感じます。
湯口の源泉を口に含むと、強い鉄錆味を感じます。実に不味い。なかなか特徴的です。
これを全力で湯船に投入。暫くすると、46度くらいまで下がったので、源泉の蛇口を止めて、湯船に身を沈めました。

ふ~・・・
体が冷えていたので、最初かなり熱く感じましたが、馴染んで来るとなかなか良いお湯です。
肌触りは強いキシキシ系です。金気臭を感じるお湯で、それ以外にも、硫黄崩れの臭いが混じります。
気のせいか、ごく僅かな薬臭(塩素臭ではない)もあります。
結構特徴的な鉱泉です。
ただでさえ狭い湯船ですが、一部が浅くなっているので、紅鮭と一緒に2人で入ろうとすると、かなり窮屈です。
一応混浴とは言え、貸切でないと、男同士でも辛いかもです。

と、そんな観察をしながら、モノの3分後。熱くて湯船から飛び出している私がいました。
何だか、凄い勢いでお湯が熱くなっていくのです。
実はこのお風呂、薪で沸かしているのですね。裏でご主人が薪を全力投入でもしているのでしょうか。凄い勢いで浴槽内の温度が上がっていきます。
結局、再度源泉蛇口を捻り、鉱泉を注ぎ足して温度調整をしながら入浴しました。
何とも贅沢な入り方ですね!

利用時間にして、およそ30分。そろそろ上がらなければと、お風呂から出て、ふと母屋の休憩所を見ると、先ほど私に声を掛けてくれた、軽トラで来たオジサンが休んでいました。
「もっとゆっくり入っていれば良かったのに!」と、オジサン。
なんと、先ほどは先客のお爺さんと一緒に出たのは、私たちの為で、もう一度入る為に私たちが出るのを待っていたようです。これは申し訳ない事を・・・
「またいらっしゃいね!」と、オジサン。こんなに親切にされてしまうと、申し訳なくて、かえって行き辛い程です。

もしもまた来る機会があったら、休憩所に置くみかんでも持参して来ようかな。
お湯や、施設全体の雰囲気に加えて、親切なオジサンのお陰で、とれも良い思い出になった、素晴らしい一湯でした!

2010-1/10

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