福島県

石屋旅館 (玉山鉱泉) ★3.5

亜留加里性炭酸泉と書かれた古い成分表アリ

福島県いわき市四倉町玉山字湯ノ口5
0246-33-2745
男女別内湯
500円
9:00 – 16:00くらいまで(要確認)

福島県は、言わずと知れた温泉天国です。でも、それは会津と中通りに限っての話しで、浜通り(太平洋側)は、有名どころはいわき湯本くらい。
温泉マニアにとっては、あまり縁の無さそうな土地・・・
と、思ったら、大間違いです。実は、いわき湯本があるいわき市周辺は、密かに温泉天国だったりします。
正確に言うと、鉱泉天国なのです。この一帯には、細々と頑張っている歴史ある鉱泉宿が数多く点在しているのです。
その中のひとつがここ、玉山鉱泉。3軒のお宿が、寄り添うように建っています。
今回はその中から、石屋旅館さんに立ち寄ってみました。
なかなか趣のある門構えをした、渋いお宿です。

お風呂は内湯のみで、男女別です。
浴室はシンプルですが、お宿の趣から想像するより、とても綺麗で新しい印象です。
御影石が張り合わさった石造りの浴室で、正面に湯船がひとつ、左右に洗い場が数人分配置されていました。

さて、そのお湯。無色透明ですが、じっくり目を凝らしてみると、光の加減か、僅かに濁って見えるお湯です。鉱泉なので、当然沸かされたものです。
また、温度維持の為に、循環がされています。湯使いは理想的と言えないものの、お湯の感触は悪くありません。
不快な塩素臭は一切せず、僅かな芒硝臭にも似た温泉臭がします。

適温で、入浴した感じは、僅かにツルツル。ただ、それと同時に、芒硝系のビリビリも感じます。お湯から上がると、少しだけサラサラした感触が残ります。
大雑把な印象だと、僅かな芒硝と石膏、あと、炭酸イオンとメタ珪酸あたりが少しずつ入っている感じです。
「お、すげぇ、成分分かるんだ!」と思ったアナタ、うん、違うんだ。適当にいろんな成分を言っておけば、きっとどれか入ってるに違いないですからね、うん。

湯口は蛇口になっており、ここを捻ると冷たい冷鉱泉の源泉を注ぐことが出来ます。温度が低いので、お湯の香りは微弱で嗅ぎ分けるのが難しいです。
口に含んでみると、僅かに甘みを感じます。何が正体だか分かりませんが、もしかしたら多少硫黄も入っているのかも知れませんね。

それ程特筆するような泉質ではありませんし、特徴も控えめです。でも、入ってホッとするような、素朴な魅力が伝わってくる、良いお湯です。
自宅のお風呂がこんなのだったら、喜んで毎日お風呂を沸かして入るのですけどね。
あ、ちなみに、私は自宅ではシャワーしか浴びない人です。だって、温泉の魅力を知ってしまうと、自宅の湯船に浸かるのは、色んな意味で味気なくて。ま、どうでも良いですが。

ともあれ、なかなか良いお湯でした。
浴後、女将さんとも色々とお話が出来て、とても印象が良かったです。
もし近くを通る事があれば、是非とも寄ってみて欲しいと思った、素敵な一湯でした。

2010-1/9

コメント