単純硫黄温泉
福島県南会津郡南会津町宮里字湯ノ坂
男女別内湯
寸志
24時間
木賊温泉にある有名な共同浴場です。
名前の通り、川原沿いにあります。共同浴場への道は雪に被われていました。
地元の方が雪かきをしてくれているものの、溝が殆ど無い革靴で来てしまった私は、ツルツル滑りながら、何とかして辿りついたような状態です。
名前の通り、川沿いにある素朴な共同浴場です。
川が氾濫しよう物ならそのまま流されてしまうのではないかと言う危うい場所にありますが、この素朴な佇まいは素晴らしいの一言に尽きます。
お風呂は混浴で一箇所のみ。とても人気があるお風呂と聞いており、女性には難易度が非常に高い事で有名なのですが、この時はたまたま無人!
まずは紅鮭と友人の奥さんに入って貰い、私と友人は外で待つ事にしました。
暫くして、紅鮭達が出ようとしていたタイミングで別の男性入浴者が来られたので、お願いして、着替え中だけ外で待って貰いました。
快く着替えを待って下さったそのお方に、この場で改めて御礼申しあげます。その節はご迷惑をお掛けしました。
さて、女性陣が出てきたと言う事で、私たちの番です。外観だけでなく、内部も実に素朴!
思わずため息が出てしまうような美しさです。
つげ義春の漫画でこの温泉が出てきますが、まさしく、その時のままの風情なのです。
目の前に広がる感動的な光景にしばし息を呑んでしまいます。
湯船が手前と奥の2箇所にあります。
どうやら、お湯が沸いているのは奥の湯船と思われ、手前側は奥のお湯のオーバーフローが注がれる仕組みになっており、見ただけでなんとなく澱んでいるのが分かります。
と、言うわけで、奥の湯船に浸かる。
極上なのは、湯小屋の風情だけではありません。お湯も極上です。
無色透明で適温、ほんのり甘い硫黄臭が香る極上のお湯は、なんと、足元自噴なのです。
湯船の一番奥から、お湯が絶えず自噴しています。自噴ポイントの直上に座ると、時折気泡がポロロンと上がってきて、背中をくすぐります。
鮮度が高い事の証明、泡つきも健在。じっとしていると体毛が細かい泡で白くなっています。
肌触りはシットリと馴染むようなツルツルの物で、肌にじっくりと浸透して、お湯の中に自分の体がゆっくりと解けていくような錯覚を覚えます。
期待していたけど、これほど良いお湯だったとは!
それに、代え難い程の素晴らしい風情の湯小屋!いま、私はこのお湯に浸かり、この浴室を彩る風景の一部になっているという幸せ。
これは、実際にこの場所で湯に浸かった者にしか分からない、究極の贅沢です。
今回は木賊へは日帰りでしたが、それが実に悔やまれます。
宿泊して、このお湯を時間気にする事なく、ゆっくり浸かりたいと言う思いが更に強くなりました。
混浴だからと言う理由で今まで避けていたのですが、訪れてみて、ここは万難を排してでも来る甲斐のある一湯だと確信しました。
ただ、それにしても、女性には敷居が高いですね。確実に入る為にも、また、時間をかけてゆっくり堪能する為にも、井筒屋さん辺りに宿泊で訪れる事を強く推奨します。
2008-3/8
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