単純温泉
(二岐温泉9号泉)
34.8度 / ph8.0 / 20.4L / H5.7.28
Na+ = 48.7 / Ca++ = 186 / SO4– = 533.8
HCO3- = 20.9 / H2SiO3 = 26 / CO2 = 61.6
成分総計 = 883.2mg
カルシウム-硫酸塩温泉
(湯本二俣温泉 二俣温泉14号泉)
– 廊下に掲示、成分詳細掲示無し(足元自噴泉?)
福島県岩瀬郡天栄村大字湯本字下二俣22-6
0248-84-2316
男女別内湯
500円
10:00 – 15:00
二岐温泉で一番奥にある柏屋に行って参りました。
秘湯と呼ぶに相応しい、山々と渓流しかない静かな所にあり、結構大きな建物ですが、それなりに使い古された感じのする旅館です。
旅館の玄関で受付けを済ませ、お風呂はその玄関からエレベータなどで下に降りた所にあります。
宿の外観といい、浴室までのアプローチといい、何となく奥塩原の大出館を彷彿とさせるものでした。
風呂は、混浴風呂、男女別内湯、男女別露天があります。
まずは混浴風呂へ。私は混浴風呂が好きでは無いのですが、ここは足元から源泉が湧き出る足元自噴風呂なんですね。
いわば、柏屋の目玉と言っても良いです。当然外せないわけで・・・
お風呂は旅館の建物から桟道のような廊下を渓流沿いに遡った所にあります。
内湯なのですが、随分と野趣溢れる造りで、崖側は岩肌剥き出し。
脱衣所の脱衣棚からは木が突き出していました。
浴室には長方形の湯船がひとつあるだけで、とてもシンプルです。
無色透明のお湯がコンクリートで埋められた湯船に湛えられており、足元からお湯が湧出しているため、湯口がありません。
お湯はと言うと、少し温めで、ごく微量の石膏臭と芒硝臭を感じるものの、お湯そのものとしてはあまり特徴が無いものです。
湧出量は期待した程ではなく、悪くはないものの、鮮度は特筆すべきようなものでもありません。
ただ、妙に気持ちが良いんですよね!
お湯がとてもやわらかく、妙に心安らぐ風情もあいまって、時間を忘れてその場にずっと居座っていたくなってしまいます。
やっぱり足元自噴は良いものだと実感。ここはとても気に入りました。
続いて、もうひとつの浴場、男女別内湯と露天です。
先に入ったのは露天。こちら、内湯用の脱衣所を抜け、細くて手すりが無い橋を渡った先にあり、岩風呂になっています。
露天には露天用の脱衣所がちゃんと準備されていました。
お風呂までのアプローチは、つげ義春の「二岐峡谷」で出てきたものとそっくりです。
作品中の舞台は、この柏屋ではなく、同じく二岐温泉にある湯小屋旅館が題材だそうですが、二岐温泉に何度も訪れているつげですので、描写はココを参考にしているのかも知れませんね。
橋を渡りきって右手側が男性、左手側が女性用です。
男性用は対岸から丸見えで、規模が小さい大沢温泉か、塩原温泉郷福渡にある岩の湯かってって感じがします。
こちらのお湯は足元自噴ではなく、引かれたお湯が湯口からドボドボと掛け流されているのですが、とても開放的なロケーションでお湯の鮮度も良く、素晴らしい風情を醸し出していました。
最後に内湯。こちらは普通に綺麗で、結構広々としている使い勝手の良いものです。
数人分のカランが用意されており、いかにも旅館のお風呂って感じでした。
お湯はこちらも他と同じで、透明で僅かに温泉の臭いがするものです。
広めの浴槽ですが、源泉がドバドバと惜しげも無く投入されており、少し熱めで鮮度も非常に良く、とても気持ちが良いものでした。
機会があれば、宿泊して時間を気にすること無く足元自噴風呂に浸かってみたい一湯です。
2006年 11月5日 - 初訪問時のレポート
コメント