宮城県

かつらの湯(小原温泉)★4.5

単純温泉 (目の湯)

宮城県白石市小原温泉
男女別内湯
200円
8:00 – 18:00

南仙台にある温泉地、小原温泉。私がまだ湯めぐりを始めて間もない頃に、一度だけ来た事があります。
それから約5年。その間に、小原温泉の近くを訪れる機会は、何度もあったのですが、再訪するのは久しぶりです。
この小原温泉、前回はあまり感じませんでしたが、とても鄙びて私好みの温泉地です。
途中、廃業していたり、営業しているのかどうか分からないような旅館がありました。

今回目指したかつらの湯は、かつらやの駐車場を抜けた先にあります。
白石川を左手に見ながら、遊歩道を歩き、すぐの所にかつらの湯の看板を見つけました。
途中につり橋などもあり、とても雰囲気が良いです。
手前にある受付で入浴代を支払い、そこからすぐの所に共同浴場の湯屋が建っていました。

さて、その共同浴場。入り口で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて階段を降りると、暖簾と衝立で浴室から仕切られた脱衣スペースがあります。
浴室と脱衣所一体型と言っても差し支えありません。
階段を降りていく風情が素晴らしいです。湯船の水面は、川面の高さと同じくらいでは無いでしょうか。
洞窟風呂になっており、むき出しの自然の岩を上手に利用して造られています。
思わずため息が出てしまう見事な造りです。

お湯は無色透明、季節柄か、湯船に張られたお湯の上に、発泡スチロールの断熱材が敷かれています。
てっきり温いのかと思ったら、意外と熱く、45度くらいあります。これならば断熱材は不要ではと思うのですが、小原温泉の人は熱湯が好きなのでしょうか・・・?
体が冷えていたので、しっかり掛け湯してから、お湯に身を沈めまると、お湯からはふんわりと硫黄系の温泉臭が香ります。
朝早い時間に訪れたせいか、鮮度が非常に良く感じます。
ビリッと熱いながらも、とろりと肌に馴染む感じがする良いお湯です。

湯口が端にあり、源泉はどんなのだろうと確かめようと思いましたが、なんと、湯口からお湯が出ていません。でも、湯船からはお湯が溢れています。
どこからお湯が注がれているのか、少し不思議に探してみたところ、湯底が矢鱈と熱い箇所を発見。なんと、足元自噴なのですね!
そう言えばそうでした。ココって足元自噴なんだよなぁ。知っていた筈ですが、小原温泉自体から足が遠のいており、すっかり忘れていました。
良いお湯、良い風情、そして足元自噴。何でもっと早く来なかったかなと、激しく後悔しました。

その後、暫く一人で入っていたら、地元のおじさんが小学生くらいの子供連れで入ってきました。
この近くに住んでおられるそうで、良く来るそうです。一緒にいた子供は、慣れていないのか、熱そうにしてなかなか湯船に浸かろうとしません。
しかし、最初は抵抗していた彼も、おじさんになだめられて、最後は湯船に浸かっていました。
険しい表情をしつつ、黙って浸かっている彼を見て、こうして熱湯に慣れていくのかなぁと感じました。
いつの日か、彼もこの温泉を好きになってくれるかな?
おじさんの話によると、おじさんがこの子くらいの頃は、もっと自由で、河原で穴を掘って湯船を造ったのだそうです。
今でも川底からお湯が沸いていると言っていました。

良いお湯を堪能するだけでなく、おじさんの貴重なお話も聞くことが出来ました。
近いうちにまた再訪したいです。お勧めの一湯です。

2009-12/26

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