秋田県

玉川温泉(玉川温泉) ★5.0

酸性-含二酸化炭素・鉄(Ⅱ)・アルミニウム-塩化物泉
(大噴) 98度 / ph1.05 / H17.11.24
H+ = 89.52 / Na+ = 66.2 / K+ = 34.7 / Mg++ = 52.9
Ca+ = 157.5 / Al+++ = 275.1 / Mn++ = 2.5 / Fe++ = 161.5
Zn++ = 1.7 / Sr++ = 0.4 / NH4+ = 0.3 / Ba++ = 0.2
F- = 86.7 / Cl- = 4416 / Br- = 13 / I- = 4.4
HS2O3- = 0.7 / HSO4- = 1117 / SO4– = 372.2 / NO3- = 3.1
H2SiO3 = 388.6 / HBO3 = 201.9 / HAsO2 = 5 / HaPO4 = 4
H2SO4 = 251.6 / CO2 = 3160 / H2S = 1.1
成分総計 = 10617.8mg

秋田県仙北郡田沢湖町玉川
男女別内湯 ・ 混浴野天
0187-58-3000
入浴 : 600円 (野天風呂は無料?)

日本一の強酸性濃度を誇る温泉として知られる玉川温泉。
温泉通いを始めるようになってから、常々行ってみたいと思っていた所でした。

ナビの案内通りに山道を進むと、施設の入り口手前1kmあたりから、矢鱈と路駐車が目立つようになってきます。
「はて、この辺で山菜取りでもしているのか・・・?」と思いましたが、それが玉川温泉を利用する為に車中泊している人たちの車だったと気付くまでに時間はかかりませんでした。
施設内にも駐車場はありますが、夜間使えないため、路上駐車して生活をしているみたいです。
ゴールデンウィークなので混むであろう事は想像していましたが、まさかココまで凄いとは思ってもみませんでした。

さて、施設内の駐車場に停め、そこから歩くことおよそ3分。玉川温泉の施設が見えてきます。
まっすぐ進むと大浴場のある建物。左側にそれると、「玉川温泉自然研究路」なる遊歩道のがあります。とりあえず入浴前に散歩するのも楽しかろうと、自然研究路を歩くことにしてみる。

途中、「大噴」と言われる、物凄い勢いで源泉がボコボコ湧出しているポイントがありました。
まるで噴水のような凄い湯量で、一帯は強い硫化水素臭のする湯気に包まれています。
ココに来る途中、「焼山は生きている」なんて書かれた看板がありましたが、まさに自然が生き物である事を実感させられます。
入ってみたい気もしますが、立ち入り禁止ですし、そもそも高温なので大火傷は免れません。
眺めているだけでも楽しく、気分良くなってくるので、我慢我慢・・・

そこから遊歩道を更に進むと、突然露天風呂が現れました。
脱衣所も無く、遊歩道から丸見え。混浴と思われる湯船がポツンとあるだけです。
木の浴槽で、ちゃんとした造りをしたものですが、一体なんだってこんな目立つところに造ったのでしょうか・・・
しかし、ちゃんと入浴している先客がいるので驚きです。中にはタオル巻きですがオバチャンの姿もあり、二重に驚きです。
私も折角来たので、服を脱いで入っていきました。

お湯は白濁で、結構どこにでもありそうな、良質な硫黄泉です。
少し温めで、利用者が多い為に多少劣化しているような印象を受けましたが、サラサラする肌触りが気持ち良い、いかにも温泉って感じのお湯です。
源泉は途中見てきた大噴とは違うものが引かれています。玉川と言えば強酸性ですが、こちらのお湯はそこまで強烈ではなく、口に含んでみると、僅かな酸味を感じる程度でした。
遊歩道を歩く人たちから丸見えなので、入るまでは少し抵抗ありましたが、入ってしまえばとても気持ちが良く、温いお湯をゆっくりと楽しむことが出来ました。

遊歩道を更に歩くと、岩盤浴などが出来る一帯が広がっていました。
蒸し風呂小屋のようなものが数軒建っており、みなさんそこで岩盤浴しているのですが、どこも満室の様子で、小屋の周辺や通路で寝ころがっている方もいます。
この玉川温泉、効能の噂を聞きつけ、日本全国から沢山の人が湯治に訪れます。
そのため、他所の温泉地にあるような観光気分の人ばかりではなく、病気と闘う目的で来られる真剣な方も多く、他とは少し違う雰囲気を醸し出しています。
健康な私は少し申し訳ないような気分になってきますが、これが本来あるべき温泉の姿かも知れないと思うと、少し感慨深いものがあります。
岩盤浴も経験してみたいと思いましたが、本当に必要な方たちがやるべきものだと思い、来た道を引き返しました。

遊歩道を引き返し、立ち寄ったのが、宿泊施設に併設の大浴場です。
自然研究路の露天はいわばオマケみたいなもので、こちらが本来の玉川温泉。
入浴料は600円で、券を買って中に入ります。
内湯のみですが、しっかりと男女別に分かれており、とても広々としていました。

浴室内には各種様々な湯船が用意されています。
源泉100%の浴槽、澤水で源泉を50%に希釈した熱湯浴槽、適温浴槽、ジャグジー、遊歩道脇の露天と同じ源泉が張られた浴槽、寝湯、打たせ、箱蒸し、サウナなど、各種様々並んでいます。
何はともあれ、折角来たのだから、100%のお湯に浸かってみる事に・・・

100%のお湯は、意外にも温く、入りやすい温度に調整されています。
ほぼ無色、所々湯花のような、ゴミのようなものが浮遊しているもので、肌触りは少しヌメリとする感じ。臭いはあまり無く、ほんの少し硫黄系の臭いと、薬品のような苦い臭いがします。
気持ちが良いお湯、と書きたいところですが、入ってすぐに異変を感じました。なんか、体のあちこちがピリピリするのです。
痛いところがどこかよく観察すると、膝、腰のベルト位置、肘、首などで、服と体が擦れる個所が矢鱈とヒリヒリするんです。このお湯、主成分が塩酸でph1.1なので、どうやら傷口に沁みている様子。
見た目には全然何ともない皮膚でも、気付かないうちに傷ついていると言う事なんでしょうね。

湯口のお湯を口に含んでみたところ、思わず後悔してしまう程の強烈な味。
物凄い酸味と苦味、塩分を感じ、舌が痺れるような感覚に襲われます。まるで毒物。
あまり沢山飲むと本当に死んでしまいそうです。
いくら温いとはいえ、これでは長湯できません。無理することは避け、3分程度でお湯からあがってしまいました。
いやはや、凄いお湯もあったもんだと、驚きました。

50%のお湯は、それでも充分強烈ですが、100%に比べるとまるで大人しく、傷口がヒリヒリする事も無く、ゆっくりと入っている事が出来ます。
普段であれば源泉100%のお湯が良いに決まっているのですが、玉川のお湯に限って言えば、100%だと少し強烈過ぎますね。
加水したお湯に入って、改めてここのお湯の凄さを感じる。少し珍しい経験が出来ました。

あと、先ほど入ったのと同じ、露天のお湯にも浸かりました。
印象はほぼ同じ。白濁で硫黄の香りが強く、私が大好きなタイプのものです。
ただ、とても良いお湯のはずですが、源泉100%に入ったあとでは、どこにでもありふれているお湯に思えてきて、あまり印象が残りません。
源泉100%だと強烈過ぎるので、あがり湯代わりに浴びて引き上げました。

一言で言って、凄まじいお湯。また、本格湯治で訪れる方も多く、少しテーマが重い場所ではありますが、本来あるべき温泉の姿を今に伝える、とても素晴らしい一湯です。
温泉が好きな人であれば、一度は入ってみるべきだと思いました。

2007年4月28日–再訪

未湯の友人がいたので、一緒に立ち寄ってみました。
造りなどは2年前と全く同じ。遊歩道の露天ですが、張り替え直後なのか、お湯が寝湯出来る程度にしか溜まっておりませんでした。

大浴場の方にある100%にも入りましたが、今回は妙に薄く感じました。
以前はもっと体中ピリピリしたのですが、それがありません。
腕にひとつあった吹き出物が沁みる程度。
アレ、こんなんだったかな?私の体が温泉に鍛え上げられて慣れたのか、源泉の調子が弱くなっているのか・・・
しかし、凄いお湯には変わりなく、とても楽しめました。

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