北海道

露天風呂「三段の湯」 (岩尾別温泉)

最終入湯日 : 2008-7/20

芒硝泉

北海道斜里郡斜里町大字遠音別村字岩尾別
野天風呂 × 3
無料
24時間

知床世界遺産の中、自家用車で行ける最果てにある「ホテル地の涯」目の前にある野湯です。
雨の降る夜中に行って来ました。この三段の湯の奥には「滝見の湯」と言う野湯もあります。
明かりひとつ無い真っ暗な中、携帯のLED照明を頼りながら、探検さながらの状態で発見した時には感動しました。
名前の通り、湯船が三段あります。岩で組まれたなかなか立派な湯船ですが、脱衣所などはありません。また、男女の別も無しです。

最初に入ってみたのは、一番上の湯船。無色透明のお湯が張られており、木筒の注ぎ口からちょうど良い温度のお湯がドボドボと注がれています。
浴槽全体は少し温めで、40度あるか無いか。お湯は肌触りがサラサラする感じの芒硝泉で、ふと、山形の湯田川を思い出してしまう物です。鼻をくすぐる芒硝臭が実に心地良い。
浴槽の岩は少し苔むしており、足元が滑る感じですが、野湯としてはちゃんと手入れがされていて快適です。

続いて真ん中のお湯。こちらはほぼ適温で す。お湯は同じものですが、源泉の投入量が他に比べて多く、鮮度が一番良い状態に保たれています。
真っ暗闇の中、頼れるのは携帯電話の明かりだけ。そんな中でお湯に浸かっていると、改めていま私がいる場所が人間界と自然界の境界線なのだと思い返されます。
ふと、もののけ姫の世界を思い出してしまいました。
仮に私がここで熊に襲われたとしても、無力です。そんな中で与えられている、自然の恵みたるお湯。
一度たりと忘れたつもりはありませんでしたが、改めて、温泉に対するありがたみを感じました。

ちなみに、下段のお湯は、先に入った友人が「温いよ」「真ん中が一番良いよ!」と言うので、入らずに出てきました。

暗闇の中、携帯の明かりひとつでたどり着いた、世界遺産の中にひっそりと沸く、神秘の泉。
まぁ、実際はそんなに大げさではなく、昼間行けば誰でも簡単に見つける事が出来る所だとは思いますけどね。
私にとっては非常に思いで深い一湯です。
素晴らしい知床の自然と共に、このお湯がこの先もあり続けて欲しいと思いました。

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