群馬県

岩陰の湯(温井温泉) ★3.5

カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉

群馬県吾妻郡長野原町大字川原畑字東宮426-1
男女別内湯
300円
9:00 – 17:00

温井温泉「岩陰の湯」は、吾妻川を挟んだ川原湯温泉の反対側にある、川原畑にあります。
八ツ場ダム建設に伴い出来た施設で、この川原畑も八ツ場ダムの底に沈む運命なのですが源泉位置は遥か遠くにある為、施設は沈んでもお湯は生き残ると言う按配です。
しかし、このダムですが・・・50年以上も前から建てる建てると大騒ぎし、結局今まで無くても全く困らなかったわけで・・・
一体、何のために今更作ろうとしているのか、サッパリ分かりません。
無駄な公共事業の典型ですね。

この岩陰の湯ですが、国道145号線から見える場所にあります。
ただ、線路を跨がなければならず、途中の道も入り組んだところにある為、普通に探すと難しいのではないでしょうか。
行かれる際は、地元の人に聞くか、八ツ場ダムの広報センター、「やんば館」で場所を確認すると良いでしょう。
屋根には湯抜きがある、鄙びた感じの共同浴場で、建物には町の広報ポスターが沢山貼られていました。
また、入り口付近には洗濯機があり、地元の人のものと思われる服などが干されています。
いきなり行くと、「え?ココに入るの!?」とビックリされるでしょうが、町民以外でも入れます。
ただし、脱衣所内に集金箱があるので、そこでちゃんと300円を支払いましょう。

内部は、いかにもな感じがする、共同浴場の造りをしています。
浴室にはホーローの浴槽が一つのみで、4人入れば窮屈と思われる大きさ。
ホーローバスで入る温泉と言うのも、何だか妙な感じがしますが、鄙びた雰囲気の湯屋には合っていて、不思議と違和感がありません。
湯口はプラスチックのパイプになっていて、途中に切れ込みがあます。パイプの角度を変える事で、その切れ込みから湯船に注がれるお湯の量を調整出来ます。
湯船に注がれなかったお湯は、そのままパイプを通り、洗い場に捨てられていました。
何とも勿体無いと言うか、素晴らしい掛け流し方式です。

さて、肝心のお湯ですが、肌触りしっとりする感じの、優しいお湯です。
臭いはごく僅かに硫黄臭がするものの、ほぼ無臭です。アブラ臭がする事もあるらしいですが、私が入った際は気がつきませんでした。
お湯の色も透明で、それほど特徴はありません。
ただ、とにかくお湯が新鮮で、それだけでも入っていてとても気持ちよくなれました。

ダムが出来上がった暁には、この共同浴場も沈んでしまうのですね・・・
悲しさと共に、憤りを感じます。
地元の人たちに愛される共同浴場、最後の最後まで綺麗に使ってあげたいと思いました。

2005-9/17

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