単純温泉
(源泉名:一之橋館) 26.4度 / ph8.0 / S47.1.13
Na+ = 68.09 / K+ = 4.20 / Ca+ = 31.52 / Mg+ = 1.484 / Fe+ = 0.0501
Cl- = 84.72 / SO4– = 87.31 / HPO- = 0.1248 / HCO3- = 30.34
CO3– = 0.18 / HSiO3- = 0.7938 / HSiO3- = 0.0076 / BO2- = 0.0171 / OH- = 0.017
HBO2 = 0.3462 / HAsO2 = 0.0855 / H2SiO3 = 40.51 / CO2 = 0.7306
総成分計 = 350.6mg
山梨県山梨市三富上柚木883
0553-39-2331
男女別内湯
500円
9:00 ~ 22:00
リトルカブで行く山梨温泉めぐりの第9湯目はこちら、一之橋館です。
笛吹川に沿って走る国道140号線から少しだけ入った所にあります。
雁坂トンネル方面に走ると国道沿いの看板を見る事が出来ますが、甲府方面に向かってだと看板が出ておらず、入るべき所を通過してしまい、少しだけ迷いました。
お宿の周りは民家がチラホラとあり、ちょっと寂れてしまった雰囲気がありますが、集落になっています。
一之橋館には別館があり(今でも使われているかは不明)、その先には郵便マークのついた一之橋館売店(どうやら営業はしていない様子)もありました。
このあたりで暮らす人にとっては、ここが拠点みたいになっていたのでしょうね。
少し年季の入った建物ですので、色々と古さが目立つ館内です。
でも、例えば欄干や襖などをよくみると、歴史を感じる意匠があったりします。
在りし日は賑わった温泉宿だったのかも知れません。
ここのように、時が止まったような静かに温泉旅館って全国各地にあるんですよね。
私はそういう鄙びた旅館大好きなんです。
でも、そのまま歴史に幕を閉じてしまう所も多いので、一概に静かさを喜んでもいけないと、たまに思うのです。
少し薄暗い脱衣所に「岩風呂のいはれ」が書かれた額が掛けられていました。
300年まえからある温泉なのだそうです。
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さて、そんな事を想いながら、肝心のお風呂。
脱衣所をガラッと開けて、浴室を見た瞬間に息を飲みました。
美しい!!!
なんと言うか、よくあるタイル張りで、岩とか組まれているけどそれ自体は別に珍しくも無いですし、よくよく考えると変哲も無いお風呂なんですけどね。
でも、私はこの雰囲気、大好きです。
なんだろう、光の加減かな?
普通のお風呂が、妙にキラキラと輝いていて、とても素晴らしく見えるのです。
お湯は無色透明、僅かに石膏系みたいな、土類系みたいな、ほんの僅かな温泉臭あります。
源泉温度が低いので加温されていて、循環されていました。
幸いにして塩素臭こそしませんが、ジェットバス仕様。
お湯の使い方だけ見ると、私の好みからは少しかけ離れている印象があります。
でも、気持ちが良いお湯なのです。
浴室の雰囲気に魅せられてしまったのか、はたまた、歴史を感じる建物で既にやられてしまっていたのか、不思議な魅力を感じるお風呂なのです。
以前の私であれば、お湯の確認が済んだからすぐに出ようってなっていたかも知れません。でもここは、何故か「まだここにいたい」って気持ちが強く湧き上がってくるんですよね。
洗い場にゴロンと寝そべり、たまにお湯を掛けて汗を洗い流していると、無上の幸せを感じます。
蛇口があったので捻ってみたら、水が勢いよく出てきました。
これは源泉だろうか? 水だろうか?
口に含んでみると、僅かにエグ味を感じましたけど、温泉成分によるものなのか、古い水道管を味わっているだけなのか、いまいち分かりません。
でも、ま、そんなのどうでも良い事かな?
「あぁ、次の温泉にも行かなきゃなぁ~」
「カブだから時間掛かるし、家に帰りつくのは何時かな・・・?」
そんな事をボーっと考えながら、予定よりも長い時間の湯浴みを楽しみました。
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300年の歴史がある、素朴な温泉です。
願わくば、この先300年も継承されるますように・・・
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2022年 5月20日 - 初訪問・日帰り入浴
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