ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉
(源泉名:山代温泉(新1号源泉))
63.2度 / pH7.8 / 動力揚湯 / 毎分550L / H21.5.28
Na+ = 323.2 / K+ = 9.1 / Ca+ = 89.8 / Mg+ = 0.2
Sr+ = 0.6 / NH4+ = 0.1 / Fe+ = 0.3
F- = 4.6 / Cl- = 183.4 / HCO3- = 65.2 / SO4- = 559.4
Br- = 0.5 / CO3- = 0.3
H2SiO3 = 80.8 / HBO2 = 6.8 / HAsO2 = 0.1 / CO2 = 10.7
成分総計 = 1335mg
石川県加賀市山代温泉18-128
0761-76-0144
男女別内湯
大人500円、12歳未満200円、6歳未満100円、3歳未満無料
6:00 ~ 22:00
山代、山中、粟津、片山津の4湯からなる加賀温泉郷。
それぞれの温泉には「総湯」と呼ばれる、所謂「大湯」と同じように温泉街の中心にあり、古くから愛されてきた共同浴場があります。
温泉が好きな私としては、是非とも全部の総湯に入りたいと思っていたのですが、その中でも特に入りたいと楽しみにしていたのが、ここ、山代温泉の「古総湯」です。
ちなみに古総湯と書いて、「こそうゆ」と呼ぶそうです。
何で総湯の前にわざわざ「古」の一文字が加えられているかと言うと、山代温泉には古総湯とは別にちゃんと総湯があるのです。
古総湯は明治時代にあった総湯を再現して2010年に完成した、所謂新しいけど古い総湯なのだそうです。
.
加賀温泉郷の中でもひと際立派な温泉地である山代温泉、土産屋や商店、立派な温泉旅館やホテルなどが立ち並んでいます。
言葉では言い表しにくいですが、百万石と言われ栄えた加賀は、東京から来た私には少し関西よりの文化圏に見え、東北や関東の温泉とも少し違う風情があります。
古総湯はそんな山代温泉の中心に堂々と鎮座していました。
一目見れば「あ、これが古総湯だ」と分かる立派な建物。
ちなみに駐車場もありますが、古総湯から少し離れた場所にあります。
山代温泉の街並みを見ながらブラリと歩くには丁度良いくらいの距離でした。
.
立派な外観だけでなく、中も素敵です!
本来であれば内部の写真撮影は禁止なのだそうですが、受付の方にお願いして誰もいなければと言う事でお許しを頂きました。
ちょうど入れ替わりで独泉状態で入浴出来たので、ここぞとばかりに撮影しまくりました。
.
立派な外観だけでも目を引く古総湯ですが、内部もため息が出る程に美しいです。
言葉で書くよりも写真を見て頂いた方が早いですが・・・
真っ先に目に飛び込んでくるのはステンドグラスの採光です。
明治時代の総湯を再現したとのお話ですが、当時の総湯もこんな感じだったのでしょうか?
美しすぎてため息が出ます。
もしこれが当時の再現そのものだとしたら、明治時代の文化レベルの高さヤバいです!
.
逆に、当時もこんな感じだったのだろうなぁと感じるのが、脱衣所の造りです。
脱衣所と浴室を遮るものが衝立一枚と言うシンプルなものです。
この造りをした共同浴場自体は珍しくなく、全国あちこちにあります。
私個人としては、入浴中も自分の荷物を見張る事が出来て、貴重品を盗まれる心配が少しだけ無くなるので嬉しかったりします。
さて、肝心のお湯なのですが・・・
お湯の使い方は、基本的にと前置きした上での掛け流しです。
何故前置きが必要かと言うと、季節によっては温度調整の為の加水がされる事と、塩素消毒がされているためです。
加水はまぁ、仕方が無いとして、問題は塩素消毒。
360度どこを見ても一部の隙が無い程に美しい浴舎に張られた神々しい輝きを放つ温泉。
これでお湯が良ければ百点満点なのですが、なんと残念な事に、ほのかに塩素臭が香っているんですよね・・・
.
湯舟の隣に八角形の掛け湯枡があります。
ここで嗅ぐお湯からはあまり感じない塩素臭ですが、浴槽の中に入ると結構分かりやすい。
清掃のタイミングで塩素玉でも投入しているのかな?
泉質的には私が大好きな芒硝系のお湯で、少し熱めに調整された浴槽内の温度も相まって、ビリっと来る浴感もあって塩素臭以外の印象は結構良いです。
建物の風情が完璧だっただけに、お湯が足を引っ張ってしまったのは何とも悔やまれます。
.
とはいえ、この美しいお風呂は他所では滅多に無い、本当に素晴らしいものです。
温泉に浸かり、湯面に揺らめくステンドグラスの明かりを眺めていると、それだけで幸せな気分になれてしまうので、不思議なものです。
これでもし塩素臭がしなければ、1時間でも2時間でもこの場所に留まってしまい、旅行の計画がすっかり変わっていたかも知れず、それはそれで困った事になっていたのですが・・・
ただ、この美しすぎる風情は本当に素晴らしいです。
ずっと眺めていたくなるだけに、後ろ髪を引かれる思いでこの場を後にしました。
.
ちなみに、2階部分は休憩所になっています。
チラっと見学させて頂きましたが、数組の方がゴロ寝しながら寛いでおられましたので、写真は撮りませんでした。
休憩所の風情もなかなか良かったです。
.
お湯については一言書きましたが、昔の総湯を今に蘇らせようと言うコンセプト自体は素晴らしいと思いますし、何よりも神秘的と言っても良い程に美しい浴室は必見です。
.
2016年 5月3日 ー 初訪問・日帰り入浴
コメント