最終入湯日 : 2009-7/18
単純硫黄温泉
(湯坂1号線) 46.8度 / H15.5.27
Na+ = 133.3 / K+ = 27.1 / Mg++ = 20.9 / Ca++ = 45.6
Mn++ = 0.6 / Cl- = 204.9 / HS- = 13.1 / SO4– = 101.7
S2O3– = 8.8 / HCO3- = 142.1 / H2SiO3 = 49 / HBO3 = 63.6
CO2 = 718.9 / 成分総計 = 1726mg
青森県むつ市大字田名部61
0175-22-3824
男女別内湯
200円
夏がく~れば おもいだす~♪
毎年夏になると、石楠花荘に行きたいと願いつつ早数年。
石楠花荘との出会いは、2005年のゴールデンウィークにまで遡ります。
この時初めて下北半島を訪れた私は、恐山の温泉に入ったあと、恐山の手前1kmの場所にある、ここ、湯坂温泉に立ち寄りました。
湯坂温泉には、この石楠花荘が一軒ポツンと建ってるだけで、その周囲は殺生河原のようになっており、至る所から硫黄の噴気が上がっています。
野湯の場所としても有名で、まずは野湯を楽しんだ後に、石楠花荘へ。
しかし、湯船にお湯が溜まっていないとの理由で、玉砕!
野湯のお湯も素晴らしく、湯船で入ったらいかほどの物かと期待しただけに、残念でなりません。でもまぁ、こんな事もあるかな・・・?
次に石楠花荘に来たのは、その翌年、2006年のゴールデンウィークです。
再び石楠花荘の玄関をくぐり、お願いするも・・・ またしてもお湯が溜まっていないとの事で入れません!
「明日来れば入れますか?」と、食い下がってみましたが、一週間は無理だとの事です。理由を聞くと、GWと同時に石楠花荘への道が開通するので、それから宿の裏手から源泉を宿に通す樋を直すらしく、GW期間中には開湯が間に合わないのだそうです。
うーん、またしても玉砕。
その後、機会あればと伺ってはいたモノの、本州の最果て下北半島で、季節が限定されるとなると、そうそう行ける物ではありません。
東北に住む友人たちが行って来たと言う報告を、歯ぎしりしながら聞きながら、ずっと耐える日々が続きました。
そして今回、ついに、やっと、念願叶って立ち寄る事が出来ました! 万歳!
その石楠花荘。実に鄙びた建物です。民宿以 外にも食堂をやっており、玄関先にラーメンの看板が下がっています。
建物の一角では、何故かイタコの口寄せが行われていました。
本殿からは離れていますが、ここが恐山の一角である事が分かります。
暖簾をくぐって中に入り、立ち寄り入浴をお願いすると、今度こそOKのお返事を貰えました。
事前に確認して来ていますが、それでもやっぱり不安でしたので、一安心です。
お風呂は食堂スペースを抜けて、建物裏手の離れにありました。
さて、念願叶ってそのお風呂。男女別に内湯がありますが、この日は男湯にしかお湯が張られていませんでしたので、友人と紅鮭を入れ替えるように交代で入浴。
他の人のHPなどで何度も見知った浴室ですが、実際自分の目で見ると感動がこみ上げて来ます。
広々とした洗い場にポツンと小さな湯船があるアンバランスな造りをしています。
床も壁も天井も、ペンキで白く塗られ、湯船に張られたお湯も白濁。なんだか不思議な空間を醸し出していました。
お湯は温めで、38度くらいです。素っ気な いパイプ湯口から40度程度のお湯がざぶざぶ注がれており、完全に掛け流されています。
とろみを感じる濃厚なお湯で、強い硫黄臭を感じます。
硫黄臭の系統としては、日景やなりや系で、硫黄臭の他にも複雑な成分臭が混じっています。ここまで濃厚なお湯は久しぶりです。
湯口のお湯を口に含んでみると、強烈な苦みを感じます。その湯口に鼻先を近付けて嗅いでみると、何故か硫黄臭が弱く感じます。浴槽内のお湯からは強烈な硫黄臭がするのに・・・
ふと、一定以上の硫化水素臭は臭いがしなくなると言う話を思い出しました。
つまり、それだけ濃いと言うことかな?湯口のすぐ後ろにある大きな換気扇は、硫化水素の滞留を防ぐ為の物と思われます。でもこの換気扇、動いていないのですが、大丈夫なんだろうか・・・
夢にまで見た石楠花荘のお湯、期待以上に良いです!
どっぷり浸かって、洗い場をボンヤリ眺めたり、天井を見上げたりしていると、幾らでも時間が過ぎてしまいそうです。
日帰りで来てしまったのが少し残念です。出来れば泊って、一晩中このお湯を堪能したかった。でも、このお湯に浸かって寝入ってしまおう物なら、大変な事になりそうです。
ちなみに、お湯から上がって自分の肌を見てみると、化粧を塗ったような綺麗な桜色になっていました。
この後の行程もあったので、30分と短い時間でしたが、その間ずっとお湯に浸かり続け、長い間待ち続けたお湯を存分に堪能しました。
ひとまずは念願達成ですが、次は泊りで来ようと言う新たな目標が出来ました。
この石楠花荘、何となくやる気が無さそうなのが心配ですが、この素晴らしいお湯がいつまでも失われる事無いように祈っております。
コメント