塩化物泉?
北海道目梨郡羅臼町相泊
男女別半露天
無料
知床半島羅臼側の最北端にある温泉です。手前1キロの所に北の国からで一躍有名になったセセキ温泉がありますが、この日は潮の時間が合わず、入る事が出来ませんでした。
セセキ温泉は途中私有地を通らなければならず、バリケードで厳重に管理されていましたが、こちらにはそのような物もありません。
堤防に掛かる階段を降り、大きな岩が転がる海岸を歩くと、その先に掘っ立て小屋のような浴舎がありました。無料開放の野湯みたいな物ですが、しっかり男女別に分かれており、女性でも使いやすい配慮がされていました。
お風呂は半露天のような造りをしています。 湯船の部分には屋根がかかっており、脱衣籠などもありますが、それ以上の物はない野趣溢れる造りをしたものです。
湯船はコンクリートで打たれた四角い物で、周囲にスノコが張られています。
僅かに濁るものの湯底はしっかり見えるお湯が張られており、湯口がありません。
なんと、ここのお湯は足元自噴なのです。湯底にもスノコが敷かれており、その隙間からポコポコと気泡が上がっていました。
早速掛け湯をして中へ。ちなみに、先客のオジサン曰く、掛け湯は海側でするのがルールなのだそうです。
そうしないとお湯が湯船に入ってしまうのだとか。
さて、そのお湯。少し熱めですが、良い温度 です。塩化物泉のようで、お湯に浸かっていると少しツルツルしますが、お湯から上がるとペタペタした感じに変わります。
お湯からは潮の臭いがします。湯底から上がってくる気泡が背中をくすぐり気持ちが良いです。
海の向こうには日本国固有の領土である北方領土の国後島を見る事が出来ます。改め自分がいま凄い所にいるのだと思い知らされます。
凄い所にある足元自噴浴槽。考えてみれば、この相泊温泉は、一般人が普通に入浴する事が出来る足元自噴の日本最北端なのですね。
そう考えると、ただでさえ良いお湯が余計良くて、愛しく思えてきます。
先客のオジサンも良い方で、色々とお話を聞かせて下さいます。どうやらこの一体には湯脈があるそうで、相泊とセセキ以外にも温泉が各所で湧いているそうですね。
直前に立ち寄った熊の湯で非常に不快な思いをした私の心を、このオジサンが癒してくれます。
熊の湯のせいで知床のイメージでかなり悪くなりましたが、いやいや、知床はやっぱり良い所じゃないですか。
今回の知床湯めぐりで、取りこぼしたカムイワッカの滝や、セセキ温泉には入る事が出来ませんでした。
でも、いつの日か再びこの地を訪れ、それら入る事が出来なかった所に来る事があると思います。
その時には、欠かさずココにも来ようと誓いました。
良いお湯は。やっぱり、良い。そしてそれを良いお湯たらしめるのは、そのお湯を守る人の優しさであったり、そこで出会った人との触れ合いです。
そんな事を強く感じた、一生の思い出に残る湯浴みとなりました。
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