長野県

山城屋リゾート (田沢温泉) ★4.5

アルカリ性単純硫黄温泉
(源泉名:田沢温泉1号泉、2号泉、3号泉の混合泉)
35.3度 / pH9.5 / R5.12.27
Li+ = 0.04 / Na+ = 48.1 / K+ = 0.8 / Ca+ = 5.0
Sr+ = 0.08 / Al+ = 0.02
F- = 0.3 / Cl- = 34.2 / Br- = 0.1 / OH- = 0.5
HS- = 1.4 / S2O3- = 4.0 / SO4– = 32 / HCO3- = 11.6
CO3- = 12 / BO- = 0.7
H2SiO3 = 43.4
蒸発残留物 = 194.5mg

長野県小県郡青木村田沢2690-1
0268-75-8821
男女別大浴場
日帰り入浴のみ不可

温泉仲間のOさんに一緒に温泉行こうとお誘いを頂きました。
最近の私は誘われた時のフットワーク軽いんです、是非是非と二つ返事。
どこですか? と聞いたら、長野の田沢温泉だそうです。
ふむふむ、田沢温泉って共同浴場の有乳湯には何度か入っていますが、お宿には泊った事は無いんですよね、なおの事、興味津々!
投宿先は会員制のお宿なんだけど、Oさんがどうしても泊まりたいと、頼み込んで予約が取れたらしいです。
なんとなんと! レア泉じゃないですか!!! テンション上がりますね!

でもちょっと高いのだそうです。
う~ん、でもまぁ、会員制のお宿に頼み込んで泊まるんですから、仕方が無いよね。
素泊まりしかやっていないそうで、5人で泊まれば1人あたり2万5千円くらいだろうとの事です。

くぁwせdrftgyふじこlp;!!!!!!!

予想を遥かに超える金額でした!!!
ナンダヨ素泊まりで2.5万って!!!
そんな、一般庶民では一生掛かっても手に出来ないであろう金額での宿泊、頭沸騰しているんですか!?

でも、是非是非と言った手前、いまさら断るのもカッコ悪いです。
いっそ、「ああぁ! そういえばその日は子供と猫の枝毛を探すって約束していたんです! 凄く行きたかったけど残念だぁ!」とか言って断ろうか・・・?
そんな事を頭の中でぐるぐると考えながら、それでも誘惑には勝てず、結局行く事にしました。

タカイヨ~! コワイヨ~! <(´⌯ ̫⌯`)>

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さて、そんなわけで到着した山城屋さん、車で行くと裏手から回る事になりますが、場所自体は何度か利用している共同浴場、有乳湯の目の前にあります。
有乳湯に背を向けて正面から見ると、何ともすんばらしい佇まいじゃありませんか!

案内して下さった支配人様曰く、以前はこの、まるで山門みたいな門扉を常時開放していたそうです。
でも、中がどうなっているのだろうと勝手に入ってくる人が後を絶たず、今は閉めているのだとか。
宿泊者が出入りするのは自由ですが、正面から見たら左下に小さくある猫の通用門みたいな所から出入りする事になります。
それはそれで面白いけど、体が大きい私には一苦労です。

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今回宿泊するのは「江戸の夢」と言う、スイートルームみたいなお部屋、と言うか一棟貸しなので建物なのですが、支配人さんが他の部屋も色々と案内してくれました。

一番安いのは「長屋門の夢」と言う、立派な門扉に接続している建物の一角を利用した部屋で、シェアルームみたいに二段ベッドが置かれていて、見知らぬ人なんかも交えてなのかな? ワイワイ泊まる部屋なのだそうです。
ここであれば1泊6,500円位で泊れるらしいです。

ただ、建物が昔のままで、隙間風があるため冬場はかなり寒く、夏場も虫の侵入などがあり色々と大変なのだそうです。

次に見せて貰ったのは、蔵の夢と言う部屋。
古い蔵をそのままに、宿泊用にしたそうです。

1階部分はリビングスペースになっていて、ソファーなども置かれていて和と洋が融合したような居心地の良い空間になっています。
決して広くはありませんし、基本的に蔵ですので少し閉塞感すらありますが、これはこれで快適そうな造りですね。

寝室は2階、階段を登った先にあるのですが、階段の先は天井、行き止まりになっています。
この先進めないじゃん! って思って、よく見ると、なんと襖なんですよね。
それをパカッと上に持ち上げると2階に上がれます。
なんだか忍者屋敷みたいで面白い造りです。

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2階は畳部屋で、完全に和です。
この日はたまたま布団が1人分敷かれていましたが、最大で5人まで泊まる事が出来るそうです。
障子張りですが採光も良く、天井も高いので閉塞感は一切ありません。

支配人さんが嬉しそうに「ここからの景色が良いんです! この窓枠に腰かけてお酒を飲みと最高ですよ!」と言いながら障子窓を開けてくれました。
目の前に唐破風屋根の有乳湯という特等席!
夜になるとまた雰囲気が良くなると思われ、確かにここに腰かけて飲むお酒は最高でしょうね!

ちなみにこの蔵の夢は1棟貸しで44,000円から。
5人で泊まればひとりあたり8,800円で、だいぶお安くなります。

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で、肝心の、今日泊まる江戸の夢。
一棟丸ごと貸し切りなのですが、それがここです。

ため息が出る程に立派です。
ライトアップされた夕方の風景なんて、まるで宝石箱、美しいの一言です。

宿泊料金の高さに驚きましたが、これを丸ごと貸切るのですから、高いのは当たり前ですね。

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外観で圧倒されますが、中も見事です。
お宿に泊まっているというより、お金持ちの家に遊びに来たって感じですね。

素泊まりの宿なのですが、立派なキッチンがあり、食器類も一通り揃っています。
お宿と言うより貸別荘と言った方が分かりやすいかも知れません。

ちなみに、本当はもっと色々と写真で紹介したいのですが、事情により室内にある調度品などは撮影禁止です。
気になる方は是非泊まって確かめてみてください。
「まるで美術館でした、調度品を眺めているだけで、お酒無しでも酔えます」とだけ言っておきます。

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肝心の温泉ですが、離れに大浴場があります。
この日の宿泊者は私達だけでしたので、本来であれば男女別なのですが、好きなように入って下さいと言われました。

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まずは男湯。
脱衣所から数段降りた先にあり、とても広々としています。
レトロなタイル張りなのですが、綺麗に手入れがされていました。

お湯は無色透明、かなり温めで35度あるかないかってところです。
ごく僅かに硫黄臭があり、他にも硫黄臭とは少し違う成分臭のようなものを感じます。
気にしていないと見落としそうですが、少量の白湯花も確認出来ました。

とても気持ちが良いお湯です。
ただ、温くて、34度くらいかな?
本来であれば加温されている筈のお湯なのですが、支配人さんに「源泉のまま入りたい!」とお願いして、加温を停めて貰っていたんですよね。

訪れたのは3月末ですが、夜はかなり冷えます。
真夜中の寝る前に入ったのですが、入っている分には大丈夫ですが、出ようと思ったら寒すぎて、出るに出れなくなってしまいました。
気付いたらそのままウトウト、そのまま1時間近くの長湯をしてしまいました。
それはそれで気持ちが良かったのでアリですけど、部屋に戻るには短い距離ですが外を歩かなければならず、凍えそうになりましたw

とりあえず風邪は引きませんでしたけど、オススメしません。(そもそも普段はちゃんと加温されている筈ですw)

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女湯は男湯と同じ天井の下、壁を挟んだ所にあります。
これはこれで、とても風情良くて可愛らしいお風呂ですが、男湯に比べると少しだけ手狭ですね。
個人的には湯舟が小さい=鮮度良いという事で、女湯側の方が好きです。
夕食後、寝る前、朝と3回利用しました。
山城屋さんのお風呂ではここが一番お気に入り!

お湯の印象は男湯と変わりません。
ただ、湯舟が小さい分、お湯の鮮度はこちらの方が良いです。
実は、夜中のうちに一度お湯を抜いて、朝は張り替えたお湯に浸かったんですよね。
もちろん男湯と同じ非加熱の生源泉。
どうだったかって? もちろん最高でしたよ!!!

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江戸の夢には内風呂もあります。
それがコチラ。

こちらは加温されており、適温です。
加温されている影響で硫黄臭はかなり飛んでしまい、痕跡程度って感じです。
でも、柔らかくて優しいお湯で、何よりも温まりますし、これはこれでとても気持ちが良かったです。

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総じて良いお湯!

ただ、温泉マニアとしてどうしても触れておきたいのは、使用源泉についてです。
支配人さんの説明によると、上記で紹介したお風呂で使われている源泉は有乳湯と同じ2号、3号源泉の混合だそうですが、浴感が全く違うんですよね。

これは良し悪しの話ではないのですが、有乳湯に比べるとだいぶアッサリしたお湯に感じます。
有乳湯と同じって聞いていて、入った瞬間「アレ? ナンダコレ?」となりました。
江戸の夢の内湯には成分表があり、それによると1号泉も加えた3源泉での混合になっています。
恐らくですが、この成分表に書かれている通り、2号と3号だけでなく、1号源泉も加わっているんじゃないかな?

成分表通りで3源泉混合だとして、それはそれでとても気持ちが良くて良いお湯でした。
でも、もっとハッキリと硫黄臭がして泡付きも有乳湯のお湯も捨てがたいんですよね~

ま、どっちもって人は、有乳湯も目の前になるんだから、入りに行けば良いだけじゃんって事で、自己完結。

もうひとつ山城屋さんには邸内に洗濯の洗い場があり、常時源泉が垂れ流されています。
この源泉は1号源泉だとの事。
う~ん、この洗い場にも入ってみたかったなぁ~・・・

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なお、Oさんが頼み込んで予約を入れた時は確かに会員専用だったようですが、今では一般でも宿泊する事が出来ます。
えぇ~!? レア泉言うから全財産はたいて来たのに!!!
なんて思わなかった訳ではありませんけど、凄く居心地良かったですし、支配人さんにもとても良くして貰って、今まで宿泊したお宿の中でもかなり強く印象に残る滞在となりました。

分かりやすい一言で言うと、ココはかなり気に入りました。

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人生やり直すか異世界転生でもしない限り、下級国民の私は会員になどなれそうにもありませんけど、一般で予約入れて家族でまた泊まりに来ようかな?
流石に江戸の夢は無理そうですけど、蔵の夢でしたら親類縁者に借金しまくれば何とかなりそうですし、窓際に腰かけて有乳湯眺めながら飲みたいなぁ~・・・

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意外と近いうちに再訪するかもしれません。

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2025年 3月30日 - 初訪問・宿泊(素泊まり)

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